異世界に突然飛ばされたら、ヤンデレ王子に捕まり溺愛され過ぎて困っています【R18】

Rila

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3.優遇される夢の世界

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私は部屋を出ると、バルの隣に並ぶ様にして廊下を歩いていた。
夢の中で見ていたバルと、こうやって並んで歩いていると不思議な気分でもあるし、なんだか緊張してしまう。
そんな事を考えているとバルは私の方に顔を傾け、視線が絡むと思わずドキッとしてしまう。

「シロは…黒い髪も似合っていたけど、その色も可愛らしいね…」
「え…?……ありがとうっ…」

突然髪の事を褒められて私は照れてしまった。

夢の中に出て来た私の髪色は確かに黒かった。
しかし今の私は、数日前に生まれて初めて髪の色を染めたので、黒では無くオレンジベージュ色になっている。
髪色を明るくさせたおかげで友達からは表情が明るくなったと褒めてもらえた。
それに私自身もこの色を気に入っている。

私は自分の髪の方に視線を向けると、確かにオレンジベージュ色であることに気付いた。
今回の夢は少しいつもと違うんだなと思ってはいたけど、大して気にはしていなかった。

「ふふっ、シロは可愛いから何色でも似合いそうだね…」
「……っ…」

きっとお世辞で言っているんだとは思うけど、そんな事を急に言われると照れてしまうから止めて欲しい。
照れている私を見てバルは「可愛いな」と呟やき、更に私の顔は熱くなる。

(バルは可愛いって言い過ぎだからっ…なんか…恥ずかしいよ…)

私は今まで誰とも付き合ったことも無いし、中学高校と女子校だったせいか異性と話したことも殆ど無かった。
だからこんな風にいきなり二人で話すことなって、戸惑いを隠せないでいた。

「こ、ここってすごく広い建物なんだねっ…!」

私は早くこの話題を変えたくて、慌てて話を切り替えた。

「そうかな…?ここは僕の住んでいる宮だよ。これからはシロの住居にもなるから…落ち着いたら色々部屋を案内するね…」
「王子って言ってたけど…、ここは王宮ってことですか?」

私が問いかけるとバルは僅かに表情を曇らせた。

(私…なにかまずい事聞いちゃった…?)

「ここは王宮ではないかな…。王宮から少し離れた場所にある離宮だね」
「離宮…?」

「うん。簡単に言えば王宮とは違う建物って事だね。シロの事は大事な客人って事で話は通してあるから、ここでは何も気を遣う必要はないよ…。あと必要なものがあれば言ってくれたら直ぐに手配するからね。…何かあったら気軽に言ってくれたら嬉しいかな…」
「……ありがとうっ」

(さすが夢の中…。優遇されてるな…私…)


そんな話をしていると目的の部屋まで到着した様だった。



***


バルは部屋の扉を開くと、中はとても広く豪華な部屋になっていた。
まるで雑誌とかに載っている豪華なスイートルームの様な光景が広がっていて、私は目を輝かせるように眺めていた。

「ここが今日からシロに使ってもらう部屋になるよ。……その表情だと気に入ってもらえたかな?」
「こんな良い部屋を使って…本当に良いんですか?」

「ふふっ、当然だよ。シロは僕が呼んだ大事な客人だからね…。それなりに振る舞うのは当然の事だよ…」

部屋の中まで入ると中央には大きなソファーとテーブルと置かれていた。
奥には天蓋付きの大きなキングサイズのベッドが見えるし、窓もとても大きくバルコニーまで着いている様だ。
そして奥には広々とした化粧室や、トイレやお風呂まで完備してある。

(す、すごい…!夢って…最高ね…)

私は部屋中をバタバタと歩き回り、全てを一通り見終えるとバルの傍へと戻って来た。
バルはそんなはしゃぐ姿の私を見て楽しそうな表情をしていた。

「ふふっ、はしゃいでるシロはとても可愛いな…」
「……っ…」

また可愛いと言われて私は照れてしまう。

「また照れてるの…?すぐに顔を真っ赤にさせて…本当にシロは素直に反応するね…」
「……そう…かな…」

私が恥ずかしそうに答えると、バルの手が私の顔の方へと伸びて来て頬へと触れた。
夢のはずなのに触れられた場所が温かく感じて、まるで本当に触れらているかのような錯覚に陥った。

「やっぱり頬は少し熱を持っている様だね…。もしかして喉が渇いた…?今すぐに使用人を呼んで用意させるから、少し待っていて…」

近距離で、しかも頬に触れられた状態で見つめられると私は再びドキドキしてしまう。

これは夢だと分かっているのに、一々反応してしまう自分が嫌になる。
だけどそれだけ異性に耐性がないということなのだろう。

そんな時に私はあることを思いついた。
ここは夢の世界だ。
しかも何度も見ている夢の世界…。

そして目の前にいるのは、現実ではきっと巡り合えない程の美貌を持った王子だ。
もしかしたらバルこそが私の理想の恋人の姿なのかもしれない…。
そう考えると私って恐ろしいくらい面食いなのだと思うけど。

夢の中でもし耐性を付けられたら、現実世界でも多少は影響しないだろうか。
そうなればきっと私にも恋人が作れるかもしれない…と安易な考えを持ってしまった。

(これって…私の妄想が詰まった夢なんだし…だったら使わない手は…ないよね?)

私は思い切ってバルの胸の中に飛び込んでみた。
自分でした事なのに、とてつもなく恥ずかしくてたまらない。
だけどそれでいて、とても温かくて気持ちが良い。

(まるで本当に抱き付いているみたい…)

「シロ…?」

突然抱き着いた私に驚いたのか、バルは私に呼び掛けてきた。

「わ、私…バルとなら…いいよ!」

私は恥ずかしさから顔を真っ赤に染め、ぎゅっとバルの胸に顔を押し付けた。

その声は余りにも小さく、バルの耳に届いていたのかどうかは分からない。
だけど自分が言った事に少し後悔し始めていた。

(こんな事を言って、拒否られたらこの先どうやって顔を合わせたら良いんだろう…。何も考えずにこんなことをするなんてっ…私…ばかだ…)

しかもあれからバルは何も言って来ない。
私の声が小さ過ぎて届かなかったのだろうか…?
この沈黙がとても気まずいが、これ以上私に何かを言う勇気なんて無かった。


「シロは…随分と積極的だね。僕となら良いって…何が良いの?」
「……っ…」

バルは私の耳元で突然囁き、息が吹きかかると私はびくっと体を震わせてしまう。
私の反応を見てバルはクスッと小さく笑った。

「答えないのなら……そうだね、少し悪戯でもしてみようかな…」

バルは意地悪そうな声で囁くと、私の耳朶をぺろっと舌で舐め始めた。
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