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4.夢の中でなら…
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「……んっ……耳やだっ…」
「シロは耳を舐められると感じるの…?さっきから体を震わせて、まるで小動物が震えているみたいだね。本当に可愛いな…。何が良いのか教えてくれるまで…止めてあげないよ?」
バルは耳の淵をなぞる様に舌を這わせていく。
滑っとした生温かいものが耳に触れるとゾクッと鳥肌が立ってしまいそうになる。
「……っ…、いつもしてることっ…」
「いつも…?何のことかな…?」
バルはとぼけているのだろうか。
あんなに散々私の事を抱いているのに、分からないと言う事は無いだろう。
それともこの夢はいつもとは少し違うから、また違う世界のバルなのだろうか…。
「は…裸で…抱き合う…とかっ…」
私は耳を責められることに耐えられなくなり、思わず口に出して言ってしまうと、ピタッとバルの動きが止まった。
「……シロは、僕に抱いて欲しいの?」
「……っ…」
言葉にして直接言われると想像以上に恥ずかしくて、私は口にする事も頷くことも出来ず、ただ困った顔でバルの事を見つめる位しか出来なかった。
(もう…こんなの耐えられないっ…。早くこの夢覚めてっ…!)
「何も言わないって事は肯定って取るけどいいの…?」
「………」
私が黙っていると、バルは「そうか」と小さく呟いた。
「シロ、抱き上げるから…僕にしっかり掴まっていてね…」
「……う、うんっ…」
私はバルの胸にぎゅっと捕まると、ふわっと体が浮き上がった。
「やっぱりシロは軽いね…。またちゃんと食事を取ってもらわないとね…」
「……?」
バルの言っている意味が私には良く分からなかった。
バルは私の事を横向きに抱えるとベッドがある奥の方まで歩いて行く。
(どうしよう…、これって夢で見たことをするってこと…だよね…?)
そんな事を考えてしまうと、胸の鼓動が速くなるのと連鎖する様に私の体温も上がって行く様だった。
「ゆっくりと下ろすから、そのまま僕に掴まっていてね…」
バルの言葉に私は小さく頷いた。
私はベッドの上に仰向けで体を倒し暫く天井を眺めていると、ゆっくりとバルの顔が迫って来た。
そして息がかかる程の距離で見つめられ、鼓動が更に高まっていく。
(そんなに…じっと見つめないでっ…)
「シロ、本当にいいの…?」
「……う…うん」
私が恥ずかしそうに答えると、バルは私の額にそっと口付けた。
触れられた場所からバルの熱が伝わり、伝染する様に体中が熱くなっていく。
「本当に素直に反応するな…。そんな所、すごく好きだよ…」
バルは優しい声で囁くと私の唇にそっと口付けた。
この感触は朝感じたものと同じものだった。
「シロの唇は…柔らかくて美味しそうだ…」
「……んっ…」
バルは艶っぽく囁くと、再び私の唇を奪い啄むような口付けを繰り返していく。
(私…今バルと…キスしてる…。キスって…なんか…すごく気持ちいい…)
時折チュッと言うリップ音を響かせながら、バルは角度を変えて啄むような口付けを続けていくと、お互いの唇の温度が上がっていることに気付く。
そこから広がる様に体の奥までが温かくなっていく様だった。
そして何度目かのキスが終わり名残惜しそうに唇を剥がされると、再び視線が絡む。
それがどうしようもなく恥ずかしくてたまらなかった。
きっとキスをした後だから、余計にそう感じてしまうのだろう。
バルの深い碧色の瞳にまるで吸い込まれそうになり、私はそこから目を離す事が出来なくなっていた。
「キスだけで…そんなに蕩けた様な顔をして…、僕とのキス…そんなに良かった?」
「……き、聞かないでっ…」
私が困った顔で答えるとバルは可笑しそうに笑っていた。
「ふふっ…、次はもう少し深い口付けをしようか…。シロ…口を開けて…?」
「口…?」
突然そんな事を言われて、私が恥ずかしそうに薄く唇を開くと「もう少しかな」と言われて、更に口を開いた。
「次は…少し舌を出してもらえる…?」
「……!?」
私は恥ずかしかったけど『これは夢だ』と自分に言い聞かせ舌先を少しだけ唇の間から出してみた。
「いい子だね…」
「………っ……ん……!?」
バルは満足そうに小さく笑うと、バル自身も舌を出し私の舌に擦らせる様に重ねて来た。
驚いて私は舌を中へと戻してしまうと、私の咥内にバルの熱を持った舌が侵入して来て、追いかける様に絡めとられてしまう。
「逃げないで……、逃がさないけど…ね」
「……んんっ……っ…!!」
バルは逃げる私の舌を捕らえると、根元まで深く吸われ、息苦しさから目には涙が滲んでいく。
「…シロ…苦しかったら鼻で息をして…」
「……はぁっ……んんんっ…」
一度唇を解放されると、私は大きく息を吸い込んだ。
しかしまた直ぐに塞がれてしまい、再び息苦しさに眉を寄せる。
(キスって…こんなに激しいものなの…?……さっきのとは全然違う…)
「シロは耳を舐められると感じるの…?さっきから体を震わせて、まるで小動物が震えているみたいだね。本当に可愛いな…。何が良いのか教えてくれるまで…止めてあげないよ?」
バルは耳の淵をなぞる様に舌を這わせていく。
滑っとした生温かいものが耳に触れるとゾクッと鳥肌が立ってしまいそうになる。
「……っ…、いつもしてることっ…」
「いつも…?何のことかな…?」
バルはとぼけているのだろうか。
あんなに散々私の事を抱いているのに、分からないと言う事は無いだろう。
それともこの夢はいつもとは少し違うから、また違う世界のバルなのだろうか…。
「は…裸で…抱き合う…とかっ…」
私は耳を責められることに耐えられなくなり、思わず口に出して言ってしまうと、ピタッとバルの動きが止まった。
「……シロは、僕に抱いて欲しいの?」
「……っ…」
言葉にして直接言われると想像以上に恥ずかしくて、私は口にする事も頷くことも出来ず、ただ困った顔でバルの事を見つめる位しか出来なかった。
(もう…こんなの耐えられないっ…。早くこの夢覚めてっ…!)
「何も言わないって事は肯定って取るけどいいの…?」
「………」
私が黙っていると、バルは「そうか」と小さく呟いた。
「シロ、抱き上げるから…僕にしっかり掴まっていてね…」
「……う、うんっ…」
私はバルの胸にぎゅっと捕まると、ふわっと体が浮き上がった。
「やっぱりシロは軽いね…。またちゃんと食事を取ってもらわないとね…」
「……?」
バルの言っている意味が私には良く分からなかった。
バルは私の事を横向きに抱えるとベッドがある奥の方まで歩いて行く。
(どうしよう…、これって夢で見たことをするってこと…だよね…?)
そんな事を考えてしまうと、胸の鼓動が速くなるのと連鎖する様に私の体温も上がって行く様だった。
「ゆっくりと下ろすから、そのまま僕に掴まっていてね…」
バルの言葉に私は小さく頷いた。
私はベッドの上に仰向けで体を倒し暫く天井を眺めていると、ゆっくりとバルの顔が迫って来た。
そして息がかかる程の距離で見つめられ、鼓動が更に高まっていく。
(そんなに…じっと見つめないでっ…)
「シロ、本当にいいの…?」
「……う…うん」
私が恥ずかしそうに答えると、バルは私の額にそっと口付けた。
触れられた場所からバルの熱が伝わり、伝染する様に体中が熱くなっていく。
「本当に素直に反応するな…。そんな所、すごく好きだよ…」
バルは優しい声で囁くと私の唇にそっと口付けた。
この感触は朝感じたものと同じものだった。
「シロの唇は…柔らかくて美味しそうだ…」
「……んっ…」
バルは艶っぽく囁くと、再び私の唇を奪い啄むような口付けを繰り返していく。
(私…今バルと…キスしてる…。キスって…なんか…すごく気持ちいい…)
時折チュッと言うリップ音を響かせながら、バルは角度を変えて啄むような口付けを続けていくと、お互いの唇の温度が上がっていることに気付く。
そこから広がる様に体の奥までが温かくなっていく様だった。
そして何度目かのキスが終わり名残惜しそうに唇を剥がされると、再び視線が絡む。
それがどうしようもなく恥ずかしくてたまらなかった。
きっとキスをした後だから、余計にそう感じてしまうのだろう。
バルの深い碧色の瞳にまるで吸い込まれそうになり、私はそこから目を離す事が出来なくなっていた。
「キスだけで…そんなに蕩けた様な顔をして…、僕とのキス…そんなに良かった?」
「……き、聞かないでっ…」
私が困った顔で答えるとバルは可笑しそうに笑っていた。
「ふふっ…、次はもう少し深い口付けをしようか…。シロ…口を開けて…?」
「口…?」
突然そんな事を言われて、私が恥ずかしそうに薄く唇を開くと「もう少しかな」と言われて、更に口を開いた。
「次は…少し舌を出してもらえる…?」
「……!?」
私は恥ずかしかったけど『これは夢だ』と自分に言い聞かせ舌先を少しだけ唇の間から出してみた。
「いい子だね…」
「………っ……ん……!?」
バルは満足そうに小さく笑うと、バル自身も舌を出し私の舌に擦らせる様に重ねて来た。
驚いて私は舌を中へと戻してしまうと、私の咥内にバルの熱を持った舌が侵入して来て、追いかける様に絡めとられてしまう。
「逃げないで……、逃がさないけど…ね」
「……んんっ……っ…!!」
バルは逃げる私の舌を捕らえると、根元まで深く吸われ、息苦しさから目には涙が滲んでいく。
「…シロ…苦しかったら鼻で息をして…」
「……はぁっ……んんんっ…」
一度唇を解放されると、私は大きく息を吸い込んだ。
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