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19.信じて
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ロレッタが自分の意思で落ちたと証言したのは、ステラ・カルディアだった。
彼女はクラスメイトだったけど、直接話したことは無かった。
ステラの登場で辺りは再び騒然としていた。
「…貴女何…言ってるの?私達は傍で見てたのっ!シンリーさんがロレッタ様を突き落とす所を…!」
メアリーは慌てる様にステラに向かって叫んだ。
「落ちても痛くないように保護魔法かけてましたよね?今もまだかかってるみたいだけど…」
「……変な言いがかりをつけるのはやめて!本当にシンリーさんが突き落としたのよっ!」
メアリーは指摘されると、興奮気味に私を指さした。
「それなら落ちた方の怪我の具合を見てみますか?多分怪我なんて何もしてないと思いますが…」
「…怪我してるわっ…!」
それを見ていたロレッタは「メアリー、もう止めなさい」と止めさせた。
「貴女は…ステラ様でしたよね、私は本当にシンリーさんに突き落とされました。貴女がどこから見ていたかは知りませんが、私が嘘をついていると言いたいの…?」
「私は見たままを話しただけです」
ステラは一切動じることは無かった。
ロレッタはそんなステラの態度に苛立っている様に見えた。
「一体これは何の騒ぎだ…?」
そこに現れたのはルカルドだった。
「ルカルド様、聞いてくださいっ…!話していたら突然シンリーさんに階段から突き落とされて…」
ロレッタはルカルドに気付くと、誰よりも先にルカルドに話しかけた。
「……シンリーが…?」
ルカルドはその話を聞くと階段の上にいる私の方へと視線を向けた。
私はルカルドにだけは疑われたくなかった。
「違いますっ…、私…そんなことなんてしてない…。信じてくださいっ…!」
私は必死な顔を浮かべながらルカルドに訴えかけた。
「シンリーさん、嘘をつくなんて酷いわ…。私の事を突き落としておいて…。ルカルド様、これがシンリーさんの本性です…」
ロレッタは涙を浮かべながら、ルカルドの手に触れようとした。
「触るな…」
ルカルドは軽蔑するような冷たい視線をロレッタに向けると、手を振り払った。
そこにいたルカルドは怒っている様に見える。
それをまじかで見ていたロレッタは震えていた。
ルカルドはロレッタから私の方に視線を向けると、目を合わせたまま階段を上り私の方へと向かって来た。
「ルカ様…私…」
「とりあえず、場所を変えよう…。ここじゃまともに話も出来ないよな…」
目の前にいるルカルドは私の知っているルカルドに戻っていた。
私は泣きそうになるのを耐えながら小さく頷いた。
するとルカルドは私の手を繋いで歩き始めた。
「シンリー、どこも怪我はないか?」
「はい…」
私が答えるとルカルドはほっとした様な表情をしていた。
*****
私はルカルドに連れられて、連絡部屋に来ていた。
あんな騒ぎがあった後だから今日は授業を休むことにした。
部屋に入るとベンノがお茶の準備をしてくれた。
私の心が落ち着くまでルカルドは何も言わなかった。
私はお茶を飲みながら心を落ち着かせようとした。
だけど不安で落ち着くことは無かった。
どうしよう…。
ルカルドの態度を見てる限り、いつもと変わってないけどロレッタはルカルドの婚約者候補の一人だ。
そんな大事な相手を私が傷つけたと思ってないだろうか。
さっきすごい怖い顔をしてたけど、私が話したらルカルドは怒るのだろうか…。
そんなことを考えると、いつまで経っても言葉が出て来ない。
怖い…。
「シンリー…」
「は、はいっ…」
突然名前を呼ばれて私はドキッとして、顔を上げた。
「俺はシンリーに謝らないといけない事があるんだ」
「え…?」
「この前、シンリーがクッキーを持って来てくれた時あっただろ。あの時、シンリーがロレッタ嬢に呼ばれている所を見かけて気になって後を付けたんだ。その後起こった事も…知ってる」
「……っ…!」
(あの時、ルカ様に見られてた…?)
「どうして…何も言ってくれないんだ?あの後シンリーは何もなかった様に普通にしてたから正直戸惑った…」
「半分…残しておいたんです。だから大丈夫かなって。ちょっと見た目は悪かったけど…」
ルカルドは辛そうな表情をしていた。
その表情を見ると私のせいで心配させてしまったのだと思い、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
だからこれ以上心配かけないように私は笑って答えた。
「……本当に、君はどうして…」
ルカルドは困った顔をして、ぼそっと呟いた。
だけどあまりにも小さい声で私の耳には届かなかった。
「さっきの事ですが…私、本当に何もしてませんっ…、あれは……」
そこまで言って私の言葉は止まってしまった。
ロレッタが自分で落ちたと話していいのか迷っていた。
彼女はルカルドの婚約者だから…、きっとルカルドにとっては大切な人なのだろう。
「分かってるよ。シンリーは絶対にそんな事はしないって事はね」
ルカルドは考える素振りも見せずに当然の様に言った。
(私の事を信じてくれるの…?)
どうしよう…すごく嬉しい。
婚約者候補であるロレッタよりも私の事を信じてくれるの…?
「それにロレッタ嬢にあんな行動を取らせた原因は恐らく俺にある。シンリーを巻き込んでしまって本当にごめんな。だけど、一つだけ言わせてもらってもいいか?」
「……なんですか?」
「もっと俺を頼って欲しい。シンリーは何も話してくれないから心配になる。俺はシンリーの友人だろ?だからなんでも話して欲しい…」
「………」
ルカルドは切なそうな表情で言った。
本気で心配してくれてる事が伝わって来た。
ルカルドが私の為にそう言ってくれるのはすごく嬉しかった。
だけど『友人』と言われて、胸の奥が痛くなった。
私はルカルドにとって『友人』
ルカルドと一緒にいると、それだけで私は安心出来る。
身分なんか気にせず普通に接してくれるから、私も気付けば素で話してしまう。
学園生活がこんなにも楽しいって思えるのは全部ルカルドのおかげだと思う。
だから思ってしまう。
嫌われたくない、この関係を壊したくない。
ルカルドが私をラヴィニアに重ねて見ている事は知っている。
私はラヴィニアについては多くは知らないけど、傍にいられるならラヴィニアを演じても良いと思ってしまった。
それで今のままずっと傍にいられるなら、それでも構わない。
私はルカルドが好き。
叶わない恋だと言う事は分かってる。
だけど、今だけは…この学園にいる間だけは…好きでいることを許して欲しい。
一方通行のこの思いは私の胸の中だけに留めておくから。
だから私は今まで通りのシンリーでいよう、そう決めた。
「ルカ様は心配性ですねっ、私ならあれくらい大丈夫です。だけど、私の事…信じてくれて嬉しいです。ありがとうございますっ!本当に…辛くなった時は、その時は相談しますね!友人として…」
私は笑顔でそう答えた。
彼女はクラスメイトだったけど、直接話したことは無かった。
ステラの登場で辺りは再び騒然としていた。
「…貴女何…言ってるの?私達は傍で見てたのっ!シンリーさんがロレッタ様を突き落とす所を…!」
メアリーは慌てる様にステラに向かって叫んだ。
「落ちても痛くないように保護魔法かけてましたよね?今もまだかかってるみたいだけど…」
「……変な言いがかりをつけるのはやめて!本当にシンリーさんが突き落としたのよっ!」
メアリーは指摘されると、興奮気味に私を指さした。
「それなら落ちた方の怪我の具合を見てみますか?多分怪我なんて何もしてないと思いますが…」
「…怪我してるわっ…!」
それを見ていたロレッタは「メアリー、もう止めなさい」と止めさせた。
「貴女は…ステラ様でしたよね、私は本当にシンリーさんに突き落とされました。貴女がどこから見ていたかは知りませんが、私が嘘をついていると言いたいの…?」
「私は見たままを話しただけです」
ステラは一切動じることは無かった。
ロレッタはそんなステラの態度に苛立っている様に見えた。
「一体これは何の騒ぎだ…?」
そこに現れたのはルカルドだった。
「ルカルド様、聞いてくださいっ…!話していたら突然シンリーさんに階段から突き落とされて…」
ロレッタはルカルドに気付くと、誰よりも先にルカルドに話しかけた。
「……シンリーが…?」
ルカルドはその話を聞くと階段の上にいる私の方へと視線を向けた。
私はルカルドにだけは疑われたくなかった。
「違いますっ…、私…そんなことなんてしてない…。信じてくださいっ…!」
私は必死な顔を浮かべながらルカルドに訴えかけた。
「シンリーさん、嘘をつくなんて酷いわ…。私の事を突き落としておいて…。ルカルド様、これがシンリーさんの本性です…」
ロレッタは涙を浮かべながら、ルカルドの手に触れようとした。
「触るな…」
ルカルドは軽蔑するような冷たい視線をロレッタに向けると、手を振り払った。
そこにいたルカルドは怒っている様に見える。
それをまじかで見ていたロレッタは震えていた。
ルカルドはロレッタから私の方に視線を向けると、目を合わせたまま階段を上り私の方へと向かって来た。
「ルカ様…私…」
「とりあえず、場所を変えよう…。ここじゃまともに話も出来ないよな…」
目の前にいるルカルドは私の知っているルカルドに戻っていた。
私は泣きそうになるのを耐えながら小さく頷いた。
するとルカルドは私の手を繋いで歩き始めた。
「シンリー、どこも怪我はないか?」
「はい…」
私が答えるとルカルドはほっとした様な表情をしていた。
*****
私はルカルドに連れられて、連絡部屋に来ていた。
あんな騒ぎがあった後だから今日は授業を休むことにした。
部屋に入るとベンノがお茶の準備をしてくれた。
私の心が落ち着くまでルカルドは何も言わなかった。
私はお茶を飲みながら心を落ち着かせようとした。
だけど不安で落ち着くことは無かった。
どうしよう…。
ルカルドの態度を見てる限り、いつもと変わってないけどロレッタはルカルドの婚約者候補の一人だ。
そんな大事な相手を私が傷つけたと思ってないだろうか。
さっきすごい怖い顔をしてたけど、私が話したらルカルドは怒るのだろうか…。
そんなことを考えると、いつまで経っても言葉が出て来ない。
怖い…。
「シンリー…」
「は、はいっ…」
突然名前を呼ばれて私はドキッとして、顔を上げた。
「俺はシンリーに謝らないといけない事があるんだ」
「え…?」
「この前、シンリーがクッキーを持って来てくれた時あっただろ。あの時、シンリーがロレッタ嬢に呼ばれている所を見かけて気になって後を付けたんだ。その後起こった事も…知ってる」
「……っ…!」
(あの時、ルカ様に見られてた…?)
「どうして…何も言ってくれないんだ?あの後シンリーは何もなかった様に普通にしてたから正直戸惑った…」
「半分…残しておいたんです。だから大丈夫かなって。ちょっと見た目は悪かったけど…」
ルカルドは辛そうな表情をしていた。
その表情を見ると私のせいで心配させてしまったのだと思い、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
だからこれ以上心配かけないように私は笑って答えた。
「……本当に、君はどうして…」
ルカルドは困った顔をして、ぼそっと呟いた。
だけどあまりにも小さい声で私の耳には届かなかった。
「さっきの事ですが…私、本当に何もしてませんっ…、あれは……」
そこまで言って私の言葉は止まってしまった。
ロレッタが自分で落ちたと話していいのか迷っていた。
彼女はルカルドの婚約者だから…、きっとルカルドにとっては大切な人なのだろう。
「分かってるよ。シンリーは絶対にそんな事はしないって事はね」
ルカルドは考える素振りも見せずに当然の様に言った。
(私の事を信じてくれるの…?)
どうしよう…すごく嬉しい。
婚約者候補であるロレッタよりも私の事を信じてくれるの…?
「それにロレッタ嬢にあんな行動を取らせた原因は恐らく俺にある。シンリーを巻き込んでしまって本当にごめんな。だけど、一つだけ言わせてもらってもいいか?」
「……なんですか?」
「もっと俺を頼って欲しい。シンリーは何も話してくれないから心配になる。俺はシンリーの友人だろ?だからなんでも話して欲しい…」
「………」
ルカルドは切なそうな表情で言った。
本気で心配してくれてる事が伝わって来た。
ルカルドが私の為にそう言ってくれるのはすごく嬉しかった。
だけど『友人』と言われて、胸の奥が痛くなった。
私はルカルドにとって『友人』
ルカルドと一緒にいると、それだけで私は安心出来る。
身分なんか気にせず普通に接してくれるから、私も気付けば素で話してしまう。
学園生活がこんなにも楽しいって思えるのは全部ルカルドのおかげだと思う。
だから思ってしまう。
嫌われたくない、この関係を壊したくない。
ルカルドが私をラヴィニアに重ねて見ている事は知っている。
私はラヴィニアについては多くは知らないけど、傍にいられるならラヴィニアを演じても良いと思ってしまった。
それで今のままずっと傍にいられるなら、それでも構わない。
私はルカルドが好き。
叶わない恋だと言う事は分かってる。
だけど、今だけは…この学園にいる間だけは…好きでいることを許して欲しい。
一方通行のこの思いは私の胸の中だけに留めておくから。
だから私は今まで通りのシンリーでいよう、そう決めた。
「ルカ様は心配性ですねっ、私ならあれくらい大丈夫です。だけど、私の事…信じてくれて嬉しいです。ありがとうございますっ!本当に…辛くなった時は、その時は相談しますね!友人として…」
私は笑顔でそう答えた。
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