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47.本心
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「わ…私もっ…っ…!!」
ルカルドの言葉を聞いて胸の奥が熱くなり、私も自分の気持ちを伝えようとした瞬間、馬車が揺れて顔を馬車の窓にぶつけてしまった。
ドンッと鈍い音がして、額がズキズキと痛み始めた。
「痛い…」
「シンリー、平気か?この辺、砂利道だから揺れるんだ…。こっち向いて俺に見せて?」
私が振り返ると、ルカルドはまじまじと私の顔を覗き込んで来た。
あんなことを言われた後だけに妙に照れてしまう。
私はルカルドと目を合わせることが出来ずに俯いていた。
そして僅かに頬を赤く染めながら、ドキドキしていた。
「少し、赤くなっているな…。痛いよな…」
「はい…、ズキズキします…」
私が小さな声で呟くと、ルカルドは私の額にそっと口付けた。
「ひぁっ…!なっ…何をするんですかっ…!」
今の私は感情が昂っているせいか、ちょっとしたことでも体を震わせるほどに反応してしまう。
誰が見ても分かる程に、動揺しているのはバレバレだった。
「シンリー?…痛いから反応したわけじゃないよな?」
「え…?ち、違いますっ…!」
ルカルドの問いかけに私は目を泳がせながら咄嗟に否定した。
しかしそれはルカルドも気付いている様で、「シンリー?」と名前を呼ばれて顔を上げると、赤く染まった頬に手を添えられた。
「シンリーの頬、真っ赤だよ。もしかして、俺が言った事を聞いて照れてくれているのか?」
「それはっ…」
ルカルドは少し嬉しそうな顔を浮かべている様だったが、私は焦っていた。
「どうしてこんなにシンリーは可愛いんだろうな。バレバレな反応をしている癖に、それでも必死になって隠そうとするなよ…」
「……っ…」
「俺、理性保つの無理かも…。待つとか言ったけど、不安になって来た…」
「……私ルカ様となら…その…構いませんっ…!」
ルカルドは冗談ぽく話していたが、私は思い切ってそう言ってしまった。
その顔はまるで沸騰したかのように、熱を持っている様だった。
顔の奥から湯気が出て来そうな程、自分の顔が熱くなっていくのを感じていた。
「シンリー…?」
「はい…!」
ルカルドは一瞬驚いた顔をしながら私の名前を呼ぶと、私は勢いよく反応してしまった。
「今の本気…?」
「……は、はい」
「俺に抱かれる事に抵抗はないの?」
「……はい」
私は緊張し過ぎて『はい』しかさっきから答えていない。
そんな私に気付いてルカルドは小さく笑った。
「今日王宮に泊まって、一緒に寝ようか…」
「……はい。………っ…!?」
「決まりだな」
「間違えましたっ!!今のナシで…!」
私が慌てて答えると、ルカルドは小さく笑った。
「冗談だよ。シンリーの反応が可愛くて、つい意地悪したくなった」
「……っ…!!」
私がムッと睨むと、ルカルドは「ごめんな」と言って私の事をそのまま抱きしめた。
それが冗談だと分かるとほっとしたが、どこか残念な気もした。
やっとルカルドとの距離が縮まって、お互いの気持ちも繋がった。
それなら体も繋がりたいと思うのは間違ったことなのだろうか。
少なくとも私は、大好きなルカルドとはそうなっても構わないと思っている。
「私、ルカ様と一緒の部屋でも構いませんよっ…」
「シンリー?これ以上言うなら、本気で同じ部屋にするよ?」
私が続けてそう答えると、ルカルドは抱きしめてる力を弱めて、私の顔を覗き込んで来た。
「私は…それでも大丈夫です」
ルカルドの言葉を聞いて胸の奥が熱くなり、私も自分の気持ちを伝えようとした瞬間、馬車が揺れて顔を馬車の窓にぶつけてしまった。
ドンッと鈍い音がして、額がズキズキと痛み始めた。
「痛い…」
「シンリー、平気か?この辺、砂利道だから揺れるんだ…。こっち向いて俺に見せて?」
私が振り返ると、ルカルドはまじまじと私の顔を覗き込んで来た。
あんなことを言われた後だけに妙に照れてしまう。
私はルカルドと目を合わせることが出来ずに俯いていた。
そして僅かに頬を赤く染めながら、ドキドキしていた。
「少し、赤くなっているな…。痛いよな…」
「はい…、ズキズキします…」
私が小さな声で呟くと、ルカルドは私の額にそっと口付けた。
「ひぁっ…!なっ…何をするんですかっ…!」
今の私は感情が昂っているせいか、ちょっとしたことでも体を震わせるほどに反応してしまう。
誰が見ても分かる程に、動揺しているのはバレバレだった。
「シンリー?…痛いから反応したわけじゃないよな?」
「え…?ち、違いますっ…!」
ルカルドの問いかけに私は目を泳がせながら咄嗟に否定した。
しかしそれはルカルドも気付いている様で、「シンリー?」と名前を呼ばれて顔を上げると、赤く染まった頬に手を添えられた。
「シンリーの頬、真っ赤だよ。もしかして、俺が言った事を聞いて照れてくれているのか?」
「それはっ…」
ルカルドは少し嬉しそうな顔を浮かべている様だったが、私は焦っていた。
「どうしてこんなにシンリーは可愛いんだろうな。バレバレな反応をしている癖に、それでも必死になって隠そうとするなよ…」
「……っ…」
「俺、理性保つの無理かも…。待つとか言ったけど、不安になって来た…」
「……私ルカ様となら…その…構いませんっ…!」
ルカルドは冗談ぽく話していたが、私は思い切ってそう言ってしまった。
その顔はまるで沸騰したかのように、熱を持っている様だった。
顔の奥から湯気が出て来そうな程、自分の顔が熱くなっていくのを感じていた。
「シンリー…?」
「はい…!」
ルカルドは一瞬驚いた顔をしながら私の名前を呼ぶと、私は勢いよく反応してしまった。
「今の本気…?」
「……は、はい」
「俺に抱かれる事に抵抗はないの?」
「……はい」
私は緊張し過ぎて『はい』しかさっきから答えていない。
そんな私に気付いてルカルドは小さく笑った。
「今日王宮に泊まって、一緒に寝ようか…」
「……はい。………っ…!?」
「決まりだな」
「間違えましたっ!!今のナシで…!」
私が慌てて答えると、ルカルドは小さく笑った。
「冗談だよ。シンリーの反応が可愛くて、つい意地悪したくなった」
「……っ…!!」
私がムッと睨むと、ルカルドは「ごめんな」と言って私の事をそのまま抱きしめた。
それが冗談だと分かるとほっとしたが、どこか残念な気もした。
やっとルカルドとの距離が縮まって、お互いの気持ちも繋がった。
それなら体も繋がりたいと思うのは間違ったことなのだろうか。
少なくとも私は、大好きなルカルドとはそうなっても構わないと思っている。
「私、ルカ様と一緒の部屋でも構いませんよっ…」
「シンリー?これ以上言うなら、本気で同じ部屋にするよ?」
私が続けてそう答えると、ルカルドは抱きしめてる力を弱めて、私の顔を覗き込んで来た。
「私は…それでも大丈夫です」
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