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5.ロナside
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「一体、どうなってんのよっ!」
今日は魔法学園の卒業式であり、その後に行われるパーティーで私は大好きな人と結ばれて幸せになるはずだったのに。
本命である、この国の王太子アンドレアス殿下は、挨拶を終えるとさっさとパーティー会場から去ってしまった。
なんでも領地で療養中の婚約者の元に行くのだと聞かされた。
(この世界は私のものなのに……、どうして悪役令嬢の元に行くのよ。ヒロインはこの私よ! 幸せになるのは私のはずなのにっ!! こんなの絶対に納得できないっ!)
怒りと焦りで頭がおかしくなりそうだ。
本命のアンドレアス殿下に嫉妬してほしくて、逆ハーレム展開を狙おうとしたのが間違っていたのだろうか。
私の名前はロナ。
平民としてこの世界に生まれたが、実は私には前世の記憶がある。
そして、驚くことにここは前世で大好きだった乙女ゲームとそっくりな世界だった。
私の一番の推しは、王太子という高い身分を持ち、優しくて、なんでもできるスパダリのアンドレアスだった。
そして私はあろうことか、ヒロイン役としてこの世界に転生した。
ピンク色のふわりとした髪に、オレンジ色の大きな瞳。
愛らしい容姿をしているせいで、幼い頃から周りにちやほやされることが多かった。
これはきっとヒロイン体質なのだろう。
こんなに嬉しいことはないと浮かれている反面、本当にここは私の知っている乙女ゲームの世界なのかと疑ったこともあった。
だけど、私はこの世界で希少といわれる聖属性魔法を扱うことができたし、攻略対象者たち全員がこの世界に存在すると知ったとき、それは確信へと変わる。
私は間違いなく、ヒロインとしてこの世界に転生したのだと。
だからこそ、魔法学園に入学する前からいろいろな作戦を練った。
ゲームよりも、もっと情熱的で素敵な恋をしたくて。
私には前世の知識がある。
どうすれば好感度が上がるかも全て分かっていたからこそ、多少設定を変えたとしても問題ないと思っていた。
さらにこの世界では、生まれたときにギフトという名の加護が一人一つづつ与えられる。
私の持つギフトは『魅了』だった。
全ての人間に効果を与えることはできないけど、私に好意を持つ人間にはどうやら効きやすいようだ。
幼い頃からちやほやされていたのは、おそらくこれが常にかかっていたからなのだろう。
こんなにイージーモードでいいのかとも思ったけれど、ますます作戦が進めやすくなった。
多少の無理をしても、これがあれば簡単に補正できる。
そして、魔法学園に入学して、初めてアンドレアス殿下と顔を合わせたとき、ゲームの中よりも何倍もドキドキした。
私はここでずっと憧れていた人と本当の恋人になって、結婚して幸せになれる。
この世界にヒロインとして転生させてくれた神様に何度も感謝をした。
それから私はアンドレアス殿下との好感度を上げながら、他の攻略対象者たちの好感度も同時に上げていった。
殿下は私にはいつも優しい顔で微笑んでいてくれたし、親切にしてくれて間違いなく好意を持っていたはずだ。
(もしかして、他の攻略対象者の好感度を上げすぎた……?)
調整しながらやっていたつもりだけど、ゲームのときにはなかった『魅了』というギフトが常に発動している。
あれのせいで計算とずれてしまったのだろうか。
なぜか悪役令嬢のリーゼル様にまでかかっているようだし、これはゲームに登場する人間にはよりかかりやすいのかもしれない。
おかげで悪役令嬢からいじめられるという場面は作れなくなってしまったけど、アンドレアス殿下の好感度は順調に上がっているので大した問題にはならないはずだ。
(逆ハーレムルートに入っているのは間違いないだろうし、このまま隠しルートに入ればまだチャンスはあるはずよ)
隠しルートに入るにはいくつか条件がある。
まず、逆ハーレムルートに入ること。そして攻略対象者たちの好感度数を揃えて卒業式を迎えること。
これはかなり難しくて、幻のルートと当時話題になっていたくらいだ。
この隠しルートが開かれると、卒業後の物語へと入ることができる。
私は聖属性魔法を使えることで、卒業後は王宮に仕えることが決まっている。
そして攻略対象者たちも全員王宮に出入りするわけで、物語はまだ続くのだ。
(大丈夫……。私が聖女としての力を開花できれば、きっとアンドレアス殿下も私のことを選んでくれるに違いないわっ!)
学園時代は恋することばかり優先に考えていたため、学業はあまり真面目にしてこなかった。
本来のヒロインは努力家であったから、聖女として開花するのも早かっただけなのだろう。
(でも急がないと……。最悪、誰かにリーゼル様を始末してもらえばいいか。どうせ断罪されるためのキャラなんだし問題ないよね。それに、みんなヒロインである私のお願いは喜んで聞いてくれるわ)
卒業パーティーのドレス一式も、攻略対象者一同からプレゼントされたものだ。
本来ならば最も高感度の高い相手からプレゼントされるものだけど、逆ハーレムルートに入っているとこうなる。
この世界は私のために用意された場所なのだから、叶わないものなんて存在しない。
今日は魔法学園の卒業式であり、その後に行われるパーティーで私は大好きな人と結ばれて幸せになるはずだったのに。
本命である、この国の王太子アンドレアス殿下は、挨拶を終えるとさっさとパーティー会場から去ってしまった。
なんでも領地で療養中の婚約者の元に行くのだと聞かされた。
(この世界は私のものなのに……、どうして悪役令嬢の元に行くのよ。ヒロインはこの私よ! 幸せになるのは私のはずなのにっ!! こんなの絶対に納得できないっ!)
怒りと焦りで頭がおかしくなりそうだ。
本命のアンドレアス殿下に嫉妬してほしくて、逆ハーレム展開を狙おうとしたのが間違っていたのだろうか。
私の名前はロナ。
平民としてこの世界に生まれたが、実は私には前世の記憶がある。
そして、驚くことにここは前世で大好きだった乙女ゲームとそっくりな世界だった。
私の一番の推しは、王太子という高い身分を持ち、優しくて、なんでもできるスパダリのアンドレアスだった。
そして私はあろうことか、ヒロイン役としてこの世界に転生した。
ピンク色のふわりとした髪に、オレンジ色の大きな瞳。
愛らしい容姿をしているせいで、幼い頃から周りにちやほやされることが多かった。
これはきっとヒロイン体質なのだろう。
こんなに嬉しいことはないと浮かれている反面、本当にここは私の知っている乙女ゲームの世界なのかと疑ったこともあった。
だけど、私はこの世界で希少といわれる聖属性魔法を扱うことができたし、攻略対象者たち全員がこの世界に存在すると知ったとき、それは確信へと変わる。
私は間違いなく、ヒロインとしてこの世界に転生したのだと。
だからこそ、魔法学園に入学する前からいろいろな作戦を練った。
ゲームよりも、もっと情熱的で素敵な恋をしたくて。
私には前世の知識がある。
どうすれば好感度が上がるかも全て分かっていたからこそ、多少設定を変えたとしても問題ないと思っていた。
さらにこの世界では、生まれたときにギフトという名の加護が一人一つづつ与えられる。
私の持つギフトは『魅了』だった。
全ての人間に効果を与えることはできないけど、私に好意を持つ人間にはどうやら効きやすいようだ。
幼い頃からちやほやされていたのは、おそらくこれが常にかかっていたからなのだろう。
こんなにイージーモードでいいのかとも思ったけれど、ますます作戦が進めやすくなった。
多少の無理をしても、これがあれば簡単に補正できる。
そして、魔法学園に入学して、初めてアンドレアス殿下と顔を合わせたとき、ゲームの中よりも何倍もドキドキした。
私はここでずっと憧れていた人と本当の恋人になって、結婚して幸せになれる。
この世界にヒロインとして転生させてくれた神様に何度も感謝をした。
それから私はアンドレアス殿下との好感度を上げながら、他の攻略対象者たちの好感度も同時に上げていった。
殿下は私にはいつも優しい顔で微笑んでいてくれたし、親切にしてくれて間違いなく好意を持っていたはずだ。
(もしかして、他の攻略対象者の好感度を上げすぎた……?)
調整しながらやっていたつもりだけど、ゲームのときにはなかった『魅了』というギフトが常に発動している。
あれのせいで計算とずれてしまったのだろうか。
なぜか悪役令嬢のリーゼル様にまでかかっているようだし、これはゲームに登場する人間にはよりかかりやすいのかもしれない。
おかげで悪役令嬢からいじめられるという場面は作れなくなってしまったけど、アンドレアス殿下の好感度は順調に上がっているので大した問題にはならないはずだ。
(逆ハーレムルートに入っているのは間違いないだろうし、このまま隠しルートに入ればまだチャンスはあるはずよ)
隠しルートに入るにはいくつか条件がある。
まず、逆ハーレムルートに入ること。そして攻略対象者たちの好感度数を揃えて卒業式を迎えること。
これはかなり難しくて、幻のルートと当時話題になっていたくらいだ。
この隠しルートが開かれると、卒業後の物語へと入ることができる。
私は聖属性魔法を使えることで、卒業後は王宮に仕えることが決まっている。
そして攻略対象者たちも全員王宮に出入りするわけで、物語はまだ続くのだ。
(大丈夫……。私が聖女としての力を開花できれば、きっとアンドレアス殿下も私のことを選んでくれるに違いないわっ!)
学園時代は恋することばかり優先に考えていたため、学業はあまり真面目にしてこなかった。
本来のヒロインは努力家であったから、聖女として開花するのも早かっただけなのだろう。
(でも急がないと……。最悪、誰かにリーゼル様を始末してもらえばいいか。どうせ断罪されるためのキャラなんだし問題ないよね。それに、みんなヒロインである私のお願いは喜んで聞いてくれるわ)
卒業パーティーのドレス一式も、攻略対象者一同からプレゼントされたものだ。
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