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96.シルフィーナの正体
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私達が4人で話をしていると、扉をノックする音が響いた。
そして「俺だ。入るぞ」とアイロスの声が聞こえる。
私達の視線はアイロスの方へと向けられていた。
しかしアイロスは動じることなく、しれっとした顔でこちらに近づいて来る。
「あら?これはアイロス様ね」
そう言って最初に口を開いたのはシルフィーナだった。
アイロスの視線がシルフィーナに向いた瞬間、表情が固まった。
「何故――」
「お初にお目にかかります。私はシルフィーナ・ロードと申します」
シルフィーナはアイロスの言葉を遮るようにして挨拶を始めた。
まるで言うことを封じているかのように。
そして、アイロスが動揺している姿を見せるのはとても珍しいことだ。
「ロード……?」
「アイロス様はシルフィーナ様の事をご存知なんですか?」
シルフィーナは初対面だと言っていたが、アイロスは明らかに何かを知っている様に見えた。
私は不思議に思い問いかけた。
「いや……」
私の問いかけに眉を顰め、そこで言葉を止めた。
誰が見てもアイロスの態度がおかしいことは分かる。
「私は東の大陸にあるロード国の王女です。だからアイロス様は私のことをご存知だったのかもしれませんね」
「王女?……っ!?」
王女だと知ると、私は慌てるように席を立ち上がった。
先程から気になっていたことも、シルフィーナが王女であるのならば全て納得出来てしまう。
(王女って……。どうしよう。私すごく失礼な態度をとってしまった気がするわ)
「も、申し訳ありませんっ!王女様だなんて思わなくて……」
「ふふっ、いいのよ。変に距離を取られたくなくて伏せていたの。だからもう謝らないで」
シルフィーナはにっこりと微笑んで言った。
気にしていない様子だったので内心ほっとしていたが、これからどんな対応を取って良いのか迷ってしまう。
「エミリー様、驚かせてしまってごめんなさいね。今度は事前に連絡を入れてから会いに来るわね。それから、アイロス様。私が来たことはザシャ王太子殿下には秘密にしてくださると助かるわ」
「…………」
アイロスは眉を寄せて、ただ黙っていた。
(アイロスさんでも、さすがに王女様相手は気を遣うのかな。それにザシャさんに秘密って、どういう事なんだろう)
「それではアンナ、行きましょうか」
「はい。エミリー様、突然伺ってしまい申し訳ありません」
「大丈夫よ。少し驚いてしまったけど……」
私の言葉を聞いてアンナは苦笑していた。
そしてシルフィーナと一緒に部屋を出て行った。
残された私達3人は暫くの間口を閉ざしていた。
先程からエラが驚いて固まっているのは気付いているが、アイロスもまだ驚いたままなのだろうか。
私はチラッとアイロスの方に視線を向けた。
「まさか、シルフィーナ様が王女様だったなんて驚いたわ」
「……俺も今のはさすがに驚いた。お前、知らないのか?あの人はザシャ様の母君だぞ」
「母君……?」
私は直ぐに理解出来ずに、顔を傾けた。
「母君って、お母様ってこと?」
「ああ」
「でもロード国の王女だって……」
「旧姓はな。あの人は元はロード国の第二王女で、この国に嫁いで来たからな」
「うそ……」
「嘘をついてどうする。あの態度じゃ、お前には隠しておいた方が良かったのかもしれないか。だけどザシャ様に報告するのは口止めされたが、お前に対しては何も言っていなかったしな」
アイロスはいつも通りの口調に戻っていた。
(シルフィーナ様が、ザシャさんのお母様……)
「どうしようっ……!私、初対面なのに緊張して上手く挨拶出来ませんでした」
「そうなのか?だけど、嫌っているようには見えなかったな。また来ると言っていたし、次の機会にしっかり対応すれば挽回出来るんじゃないのか?」
私は泣きそうな顔で答えると、アイロスは小さく笑って言った。
アイロスの言うとおりだと思った。
終わってしまった事を悔いていても仕方が無い。
「そう、ですよね。頑張らないと!」
「だけど素性を偽ってまでお前に会いに来た理由は……。まあ、何となく予想は付くな」
「私がザシャさんの相手に相応しいかを見極めるため、ですよね」
「恐らくはな。もう後には引けないって事だ」
アイロスは楽しんでいるように見えた。
そして「俺だ。入るぞ」とアイロスの声が聞こえる。
私達の視線はアイロスの方へと向けられていた。
しかしアイロスは動じることなく、しれっとした顔でこちらに近づいて来る。
「あら?これはアイロス様ね」
そう言って最初に口を開いたのはシルフィーナだった。
アイロスの視線がシルフィーナに向いた瞬間、表情が固まった。
「何故――」
「お初にお目にかかります。私はシルフィーナ・ロードと申します」
シルフィーナはアイロスの言葉を遮るようにして挨拶を始めた。
まるで言うことを封じているかのように。
そして、アイロスが動揺している姿を見せるのはとても珍しいことだ。
「ロード……?」
「アイロス様はシルフィーナ様の事をご存知なんですか?」
シルフィーナは初対面だと言っていたが、アイロスは明らかに何かを知っている様に見えた。
私は不思議に思い問いかけた。
「いや……」
私の問いかけに眉を顰め、そこで言葉を止めた。
誰が見てもアイロスの態度がおかしいことは分かる。
「私は東の大陸にあるロード国の王女です。だからアイロス様は私のことをご存知だったのかもしれませんね」
「王女?……っ!?」
王女だと知ると、私は慌てるように席を立ち上がった。
先程から気になっていたことも、シルフィーナが王女であるのならば全て納得出来てしまう。
(王女って……。どうしよう。私すごく失礼な態度をとってしまった気がするわ)
「も、申し訳ありませんっ!王女様だなんて思わなくて……」
「ふふっ、いいのよ。変に距離を取られたくなくて伏せていたの。だからもう謝らないで」
シルフィーナはにっこりと微笑んで言った。
気にしていない様子だったので内心ほっとしていたが、これからどんな対応を取って良いのか迷ってしまう。
「エミリー様、驚かせてしまってごめんなさいね。今度は事前に連絡を入れてから会いに来るわね。それから、アイロス様。私が来たことはザシャ王太子殿下には秘密にしてくださると助かるわ」
「…………」
アイロスは眉を寄せて、ただ黙っていた。
(アイロスさんでも、さすがに王女様相手は気を遣うのかな。それにザシャさんに秘密って、どういう事なんだろう)
「それではアンナ、行きましょうか」
「はい。エミリー様、突然伺ってしまい申し訳ありません」
「大丈夫よ。少し驚いてしまったけど……」
私の言葉を聞いてアンナは苦笑していた。
そしてシルフィーナと一緒に部屋を出て行った。
残された私達3人は暫くの間口を閉ざしていた。
先程からエラが驚いて固まっているのは気付いているが、アイロスもまだ驚いたままなのだろうか。
私はチラッとアイロスの方に視線を向けた。
「まさか、シルフィーナ様が王女様だったなんて驚いたわ」
「……俺も今のはさすがに驚いた。お前、知らないのか?あの人はザシャ様の母君だぞ」
「母君……?」
私は直ぐに理解出来ずに、顔を傾けた。
「母君って、お母様ってこと?」
「ああ」
「でもロード国の王女だって……」
「旧姓はな。あの人は元はロード国の第二王女で、この国に嫁いで来たからな」
「うそ……」
「嘘をついてどうする。あの態度じゃ、お前には隠しておいた方が良かったのかもしれないか。だけどザシャ様に報告するのは口止めされたが、お前に対しては何も言っていなかったしな」
アイロスはいつも通りの口調に戻っていた。
(シルフィーナ様が、ザシャさんのお母様……)
「どうしようっ……!私、初対面なのに緊張して上手く挨拶出来ませんでした」
「そうなのか?だけど、嫌っているようには見えなかったな。また来ると言っていたし、次の機会にしっかり対応すれば挽回出来るんじゃないのか?」
私は泣きそうな顔で答えると、アイロスは小さく笑って言った。
アイロスの言うとおりだと思った。
終わってしまった事を悔いていても仕方が無い。
「そう、ですよね。頑張らないと!」
「だけど素性を偽ってまでお前に会いに来た理由は……。まあ、何となく予想は付くな」
「私がザシャさんの相手に相応しいかを見極めるため、ですよね」
「恐らくはな。もう後には引けないって事だ」
アイロスは楽しんでいるように見えた。
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