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30.突然の
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「リリー、体拭いてあげるよ。服も着替えさせてあげる」
「……っ……恥ずかしいので結構です…」
服を脱がせようとするハーラルトに抵抗する様に私は服を元に戻そうとした。
「ダメだよ、リリーは病人なんだから大人しくして。それにこんなに濡れている服を着ていたらまた体が冷えて熱が上がってしまうよ?」
ハーラルトに説得され、仕方なく掴んでた手を離した。
「いい子だね。今日は大人しく僕にされておいて」
「……はい…」
ハーラルトは私の服を脱がすとタオルで私の体を優しく拭いてくれた。
汗で気持ち悪いと思っていたので拭いてくれることは嬉しいけど恥ずかしくてたまらない。
私は恥ずかしさと熱で更に顔を染めていた。
「それにしても…随分と付けられたんだな。彼は僕以上に独占欲が強いのかもしれないね…」
「……っ…」
ハーラルトは感心する様に私の体を眺めながら拭いていく。
私はその言葉にドキッとして、思わずハーラルトの顔を不安そうに見つめた。
「別に怒ってる訳じゃない。まぁ、嫉妬はしてるけどね。リリーが元気になったら沢山上書きさせてもらうから今日は我慢しておくよ」
「……っ…!」
ハーラルトは意地悪そうな顔で口端を小さく上げた。
私はその表情を見てビクッと体を震わせた。
どうしてハーラルトはこんなにも普段通り私に接してくれているのかが分からなかった。
私の事を責めてもいいはずなのに、一言もそんな台詞は言われていない。
怒ったり、怒鳴られる事も覚悟していはずなのに…そんな素振りは一切ない。
それどころか普段以上に優しくしてくれている様な気がする。
それは私が病人だから…?
「……どうして…そんなに私に優しくしてくれるんですか?」
私の体を拭いてくれているハーラルトの手をぎゅっと掴み見つめた。
「僕にとってリリーは特別だからね。好きな子に優しくするのは当然の事だろう?」
「でもっ…私は怒られるような事…したのに…」
「正直なところ、僕はリリーに何をされても怒らないと思うんだ。こんな事言うと不謹慎って思うかもしれないけどリリーの泣き顔も好きだし、困ってる顔も、怒ってる顔も好きなんだ。今みたいに…照れてる顔なんて最高に可愛いし…ね」
「……あのっ…何の話してるんですか?」
突然ハーラルトは思い出す様に話だし、途中から恥ずかしくなってきて話を止めさせた。
「リリーの顔を見てると不思議と何でも許せてしまうって事だ。惚れた弱みとでも言うのかな。どちらかと言うとトロトロになる位甘やかしてやりたくなる。リリーの心を溶かしきって僕に溺れさせたい。そうしたら僕しか見れなくなるだろう?」
「……っ……」
ハーラルトの言葉を聞いているとどんどん恥ずかしさが込み上げ、沸騰しそうなくらい顔に熱が籠っていく。
耐え切れなくなった私は思わず視線を逸らしてしまう。
「照れてるのか…?リリーは本当に可愛いな…」
視線を逸らした私の頬にハーラルトは掌をそっと添えた。
頬に伝わるハーラルトの掌の感触を感じて思わず視線を上げると再び視線が絡んでしまう。
ハーラルトは愛おしそうな表情で私の事を真直ぐに見つめていた。
胸の奥が激しく高鳴る。
そんな顔で見つめられると、もう一度視線を逸らす事なんて出来なくなっていた。
そんな時だった。
「失礼します。ハーラルト殿下、この度は……っ!!!?」
「……っ!!!!!!」
突然部屋にお父様が入ってきた。
私は慌てて布団に潜り込んだ。
お父様は暫く固まって動かなかった。
それも当然と言えば当然だろう。
上半身の肌をハーラルトの前で晒し、更に見つめ合ってる場面を見られてしまったのだから。
私とお父様はすごく動揺していたけど、ハーラルトだけは落ち着いていた。
我に返ったお父様は声を震わせながらハーラルトに問いかけた。
「こ…これは……一体…」
「アーレンス伯爵、伝えるのが遅くなり申し訳ない。僕達の関係は見ての通りだ。近々婚約の申入れを正式にさせてもらおうと思っている」
ハーラルトは落ち着いた口調でしっかりと答えていた。
「おお、そうなんですか。……うちのリリーを…殿下が…。あ…ありがとうございます…。それでは…私は…失礼させて頂きます、殿下…」
お父様は明らかに動揺している様子だった。
そして挨拶をすると部屋から出て行った。
まさかこんな形でお父様に私達の関係がばれるだなんて思ってもいなかった。
どうしよう…!
私は布団の中で焦っていると、ハーラルトに布団を捲られた。
「リリー、すまない。見つかってしまったからにはこう伝えるしかなかった」
「いえ……」
「だけど遅かれ早かれこうなる事は決まっていたんだ。リリーもこの辺で折れて僕との婚約を受け入れてはもらえないか?」
「……っ…」
ハーラルトは真剣な表情で真直ぐに私を見つめた。
これは嘘や冗談ではなく、本気なんだとその表情を見れば伝わってくる。
突然こんなことになってしまって私はどう答えていいのか悩んでいた。
「リリー、お願いだ。僕と婚約して欲しい」
「はい……私で良ければ、よろしく願いします…」
ハーラルトの顔を見ていたら私は自然と笑顔で答えていた。
「……っ……恥ずかしいので結構です…」
服を脱がせようとするハーラルトに抵抗する様に私は服を元に戻そうとした。
「ダメだよ、リリーは病人なんだから大人しくして。それにこんなに濡れている服を着ていたらまた体が冷えて熱が上がってしまうよ?」
ハーラルトに説得され、仕方なく掴んでた手を離した。
「いい子だね。今日は大人しく僕にされておいて」
「……はい…」
ハーラルトは私の服を脱がすとタオルで私の体を優しく拭いてくれた。
汗で気持ち悪いと思っていたので拭いてくれることは嬉しいけど恥ずかしくてたまらない。
私は恥ずかしさと熱で更に顔を染めていた。
「それにしても…随分と付けられたんだな。彼は僕以上に独占欲が強いのかもしれないね…」
「……っ…」
ハーラルトは感心する様に私の体を眺めながら拭いていく。
私はその言葉にドキッとして、思わずハーラルトの顔を不安そうに見つめた。
「別に怒ってる訳じゃない。まぁ、嫉妬はしてるけどね。リリーが元気になったら沢山上書きさせてもらうから今日は我慢しておくよ」
「……っ…!」
ハーラルトは意地悪そうな顔で口端を小さく上げた。
私はその表情を見てビクッと体を震わせた。
どうしてハーラルトはこんなにも普段通り私に接してくれているのかが分からなかった。
私の事を責めてもいいはずなのに、一言もそんな台詞は言われていない。
怒ったり、怒鳴られる事も覚悟していはずなのに…そんな素振りは一切ない。
それどころか普段以上に優しくしてくれている様な気がする。
それは私が病人だから…?
「……どうして…そんなに私に優しくしてくれるんですか?」
私の体を拭いてくれているハーラルトの手をぎゅっと掴み見つめた。
「僕にとってリリーは特別だからね。好きな子に優しくするのは当然の事だろう?」
「でもっ…私は怒られるような事…したのに…」
「正直なところ、僕はリリーに何をされても怒らないと思うんだ。こんな事言うと不謹慎って思うかもしれないけどリリーの泣き顔も好きだし、困ってる顔も、怒ってる顔も好きなんだ。今みたいに…照れてる顔なんて最高に可愛いし…ね」
「……あのっ…何の話してるんですか?」
突然ハーラルトは思い出す様に話だし、途中から恥ずかしくなってきて話を止めさせた。
「リリーの顔を見てると不思議と何でも許せてしまうって事だ。惚れた弱みとでも言うのかな。どちらかと言うとトロトロになる位甘やかしてやりたくなる。リリーの心を溶かしきって僕に溺れさせたい。そうしたら僕しか見れなくなるだろう?」
「……っ……」
ハーラルトの言葉を聞いているとどんどん恥ずかしさが込み上げ、沸騰しそうなくらい顔に熱が籠っていく。
耐え切れなくなった私は思わず視線を逸らしてしまう。
「照れてるのか…?リリーは本当に可愛いな…」
視線を逸らした私の頬にハーラルトは掌をそっと添えた。
頬に伝わるハーラルトの掌の感触を感じて思わず視線を上げると再び視線が絡んでしまう。
ハーラルトは愛おしそうな表情で私の事を真直ぐに見つめていた。
胸の奥が激しく高鳴る。
そんな顔で見つめられると、もう一度視線を逸らす事なんて出来なくなっていた。
そんな時だった。
「失礼します。ハーラルト殿下、この度は……っ!!!?」
「……っ!!!!!!」
突然部屋にお父様が入ってきた。
私は慌てて布団に潜り込んだ。
お父様は暫く固まって動かなかった。
それも当然と言えば当然だろう。
上半身の肌をハーラルトの前で晒し、更に見つめ合ってる場面を見られてしまったのだから。
私とお父様はすごく動揺していたけど、ハーラルトだけは落ち着いていた。
我に返ったお父様は声を震わせながらハーラルトに問いかけた。
「こ…これは……一体…」
「アーレンス伯爵、伝えるのが遅くなり申し訳ない。僕達の関係は見ての通りだ。近々婚約の申入れを正式にさせてもらおうと思っている」
ハーラルトは落ち着いた口調でしっかりと答えていた。
「おお、そうなんですか。……うちのリリーを…殿下が…。あ…ありがとうございます…。それでは…私は…失礼させて頂きます、殿下…」
お父様は明らかに動揺している様子だった。
そして挨拶をすると部屋から出て行った。
まさかこんな形でお父様に私達の関係がばれるだなんて思ってもいなかった。
どうしよう…!
私は布団の中で焦っていると、ハーラルトに布団を捲られた。
「リリー、すまない。見つかってしまったからにはこう伝えるしかなかった」
「いえ……」
「だけど遅かれ早かれこうなる事は決まっていたんだ。リリーもこの辺で折れて僕との婚約を受け入れてはもらえないか?」
「……っ…」
ハーラルトは真剣な表情で真直ぐに私を見つめた。
これは嘘や冗談ではなく、本気なんだとその表情を見れば伝わってくる。
突然こんなことになってしまって私はどう答えていいのか悩んでいた。
「リリー、お願いだ。僕と婚約して欲しい」
「はい……私で良ければ、よろしく願いします…」
ハーラルトの顔を見ていたら私は自然と笑顔で答えていた。
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