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6.次の町へ

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 私達は次の町『プラーナ』に来ていた。

 このままだと本当にルイスは何もしないまま時間だけが過ぎていく気がして、仕方なく私は暫くの間ルイスと行動を共にする事を決めた。
 そして来たのがこの小さな町だった。

 本来ならルイスは私が向かったトロストではなくプラーナに向かってるはずだった。
 少し来るのは遅れてしまったけど、予定通り来れて良かった。

 トロストからは少し遠かった為、到着したのが夜になってしまった。
 私達は到着後に町で食事を済まして、宿屋に向かった。


「1泊したいんですが部屋空いてますか?」
 私が聞くと宿屋の主人は私とルイスを交互に見た。

「もしかしてお二人は恋人同士か何かで?」
 どうやら主人は私達の事を見て『若い男女=恋人』だと勘違いしている様だった。

「…ち、違いますっ…私達はただの…」
「僕達は家族です」
 私が焦って否定しようとすると横からルイスが静かに答えた。

「ああ、なるほど…家族ですか」
 主人はルイスの言葉に納得した様子だった。

 家族…?
 本当の家族では無いけど、一応私達って兄妹って感じでずっと傍にいたから、そういう意味での家族だろうと理解した。

「それなら問題無いかな。今日は残り一部屋しか空きが無くてねぇ…、一部屋で良ければ泊まれるよ」
「それで大丈夫です。ラナいいよね?」
「……良くないっ!」
 私が考え事をしている間に話がどんどん進められていた。

「ラナ、我儘言って主人を困らせたらダメだよ」
「……だって…」
 私が主人の方に顔を向けると主人は困った様に苦笑いをしていた。
 その姿を見たら言葉に詰まり何も言えなくなってしまった。

「それじゃあ2階の一番奥になります。ごゆっくり~…」
 そう言われて私達は今日泊まる部屋に向かった。


 部屋に入ると一気に緊張してしまう。
 こんな狭い部屋に二人きりって…。
 一応二人部屋だからベッドが二つ用意されている事にはほっとした。

 ルイスは私の事を家族と言う位だから全く気にしてなさそうだけど、少し位は気にしてほしい。
 私だって一応女なんだから…。

「ラナ、入り口の前で突っ立ってないでこっち座れば?」
「あっ…うん……」
 ルイスにそう言われて、私はルイスとは逆側のベッドの端に腰かけた。

「今日は結構歩いたから疲れたな…」
「本当だよ~…足ぱんぱんになってるかも」
 私は思い出すと再び疲れが戻ってきたような気がして、ベッドに倒れ込んだ。
 横になるとそれだけで休めてる気がして、ほっとする。

「そんなに足痛いならマッサージでもしとく?」
「えっ?いいの?」
 その言葉を聞くと私の表情が明るくなった。

「でもルイスも疲れてるんじゃない?無理しなくていいよ?」
「僕は大丈夫。ラナよりは鍛えてるからね」


「それじゃあラナは、俯せになってベッドの中心で横になって」
「はーい」
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