【本編完結】逃げるが価値

maruko

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46 叫び

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昼食は込み入った話をする為に叔父様の部屋に用意してもらったみたいです。
部屋に入ると直ぐに叔父様がハグして労って下さいました。

「マイラ大変だったな、まさかそんなとんでもない勘違いをするなんて思いもしなかったよ。ルーチェ嬢も申し訳ない伯父あにに代わってお詫び申し上げる」

「いえ、バイカ卿お気になさらずに。ただマイラ様を傷つけたのは少々許せませんのでご理解ください」

「ミナさん⋯⋯」

「当然です。義姉の勘違いも馬鹿馬鹿しい妄言ですよ。兄はそんな人じゃない。それを誰よりもわかっているはずなのに」

「叔父様、私サーラが心配で」

「どういうことだ?」

「差し出がましいようですが私から説明させて頂いてもよろしいですか?」

「あぁお願いします」

「今回バイカ伯爵家への訪問の際の先触れはサーラさんにお願いしています。それが伯爵様本人には伝えられていないようです。門番にはサーラさんが対応して馬車も通されました。アプローチの途中で伯爵家の使用人であるサーラさんは、馬車を降りられました。それからお会い出来てないのです。誤解があるようだとサーラさんに伝えるお手紙を渡していますが、まだ宿には連絡がないのです」

「なんと!ではサーラは兄の愛人を案内してきた使用人と思われているということですか?」

「おそらくそうではないかと思われます、そしてまだ誤解が解けてないかとも⋯⋯」

「食事が終わったら直ぐに伯爵邸いえに向かいましょう」

私達は慌てて昼食を終わらせ大急ぎで伯爵邸へ向かいました。

門番に叔父様が声をかけると直ぐに開きます。
玄関で馬車を降りると昨日の青年が叔父に恭しく声をかけようと近づいて来ます。

それを無視した叔父様はミナさんが馬車を降りるのに手を貸して、続いて私にも手を差し伸べて下さいます。

私達が馬車から降りたときの青年執事の間の抜けた顔。

「あのジョルデ様、その方たちは⋯⋯」

「なんだアレン、昨日会ったんだろう?私のに何か言いたいことでも?」

「姪?」

「サーラがちゃんと昨日先触れも出していただろう」

「えっ?サーラはジョルデ様の所へ行かれていたんですか?」

「⋯⋯そうだが。兄は知ってるはずだぞ、今更何を言ってるんだ」

「申しわけありません、ジョルデ様。少々お待ち頂けますか?サーラを助けなければ」

「どういうことだ!!!!」

叔父様の怒号が響きます。
お邸の一画が崩れてしまったかもしれません。
私の耳もキ───────ンとなってます。

でもサーラを助けるって!
やっぱりサーラに良くないことが起きていたようです。
昨日のうちに行動するんだった。
後悔が私の胸に押し寄せます。

叔父様と昨日案内された部屋へ向かうと青年執事が淑女を止めています。
サーラは子供が罰を受ける時みたいに脹脛をムチ打たれている所だったみたいです。

サーラの腕を侍女二人が掴んで動かないようにしていました。

私はその二人の前に行き張り手をお見舞いします。
手が少し痛いです。

でもサーラの痛みに比べたらなんてことありません。

淑女は叔父様の姿を見て、それから私、ミナさんの順に睨みます。

「ジョルデ様、邪魔なさらないで!私は悪女に罰を与えている所です。家政の問題にジョルデ様は関係ありませんでしょう」

「奥様、奥様あの⋯ご「黙りなさい」」

青年執事の必死の訴えも遮る淑女
その時理解しました、この方思い込むと周りが見えなくなる人なのだと。

よく回ってたな伯爵家、使用人達が相当優秀だったのでしょうね。

「義姉上、これは家政の問題ではなく、貴方の問題だ。兄はどこですか?」

「⋯⋯どういう事?⋯あの人は工房よ、カザール辺境伯様から呼ばれたので手土産が必要だからって、篭っているわ」

「それで話しが通じないわけですか、兄は貴方に何も話していないのですか?」

「ねぇ、さっきから何を言ってるのかさっぱりわからないし、何故愛人を連れてきてるの?他でもない貴方が!私を苦しめるのは止めて!」

「あの、奥様」

「黙れアレン!私が話す」

「何を?何を言ってるのジョルデ様」

「先ず、サーラはずっと私の所へ来ていました」

「えぇ?なんのために?だってサーラはあの人のお使いで何処かへ行ったって、大事な人に会うからって。あの人の大事な人に会うからって!!!!」

叫びに近い、いえおそらく叫んでいたのでしょう。

淑女は涙で濡れてる顔を隠しもせずに泣き喚いています。
もう淑女ではないですね。
伯父様と何かあったのでしょうか?
どうも様子が変です。
何かおかしいです、思い込みが激しいのではなく、思い込まされたとか?
まさか⋯⋯ね。


「義姉上、紹介しますよ。落ち着いてちゃんと聞いてください。そうでなければ話しが進みません」

叔父様は青年執事に顎で指示を出してます。
⋯⋯顎でって凄い叔父様。

青年執事と私に叩かれた侍女二人は伯爵夫人の背中を擦ったり宥めたりしてます。

激しい女のさまを目の当たりにして放心していましたが、我に返りサーラを見るとミナさんがいつの間に持ってきたのか、ハンカチを水に浸してサーラの脹脛を押さえている所でした。
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