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3 屑が堕ちて捨てられても絶対に拾いません
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「あ~ムカつくったらないよねぇ」
「そうですねお姉様」
「メイラあなた私がお姉様でいいの?」
「いえいえ私が言ってるのはお姉様であってお義姉様ではないですわ」
「ねぇ一緒に聞こえるし」
「もう!書かなくても分かっておりますでしょう?ふふふっニュアンスですわニュアンス」
家出をしてから早2ヶ月ハッシュはあの日あのままサッシュの婚約者である、メイラの家へと逃げこんだ。そしてそのままメイラの家の領地へと旅立っていた。
メイラの家はモルト辺境伯、王都からは馬車で一週間はかかる距離だ。
勿論グランバス家からモルト家に秘密裏にお伺いの連絡は来ていたが、辺境伯のはからいでメイラは卒業後直ぐに屋敷を旅立った事にしてもらってハッシュは来ていないと家出の片棒を担いでくれた。
因みにメイラはハッシュ達の一つ年下だが、飛び級制度を利用して一緒に卒業を迎えていた。
「でも本当によろしいのですか?平民になっても」
「全然構わないわ、そりゃ辛いこともあるかも知れないけれどルイスと夫婦になるくらいなら、どんな事でも我慢する」
ハッシュはとことんルイスを毛嫌いしている。
その気持ちはメイラには痛いほど分かるので協力しようと思ったのだ。
大人達は皆ルイスの事を良い様に誤解している。流石に息子の所業なのできっとマーモン侯爵は知っている筈だが大概の貴族は騙されている。あの男はとんでもない男だった。ハッシュ達令嬢にとっては天敵と言っても過言ではない。
その外面の良さで遊ばれた女は数しれず、学生の間では特に令嬢の中では有名なたらしだった。
あの外見と物腰の柔らかさ、そして女の子なら一度は夢見る物語に登場する王子様の様なルイス。そんなルイスが、少し長めの(態と)金色に光る前髪をかき揚げて、碧い瞳で真剣にジッと見つめて、擽る様に耳元で愛を囁やけば⋯世間知らずの令嬢なんてイチコロだ。
そのうち“たらし”と有名になっても、皆自分にだけは本当に愛を囁いてくれてると錯覚する。本当にとんでもない男なのだ。
そんなルイスが絶対愛を囁かない女、それがハッシュだった。
「婚約者なんて自分の手の内じゃない、あの男は堕とすまでの過程が好きなのよ、もうあれは病気よ。そんな男が自分の物認定されてる婚約者に態々いい顔なんてしないわよ、どうあっても離れていかないって決まってるんだもの。堕とす必要のない者に労力なんて使わないのよ」
「まぁそうですわねぇ、病気ですわよねぇ。本当に病気を貰ってくれたら懲りたでしょうけどね」
「その辺はきっちりしてるのよね、身持ちの悪い女を選ばないってか、乙女しか狙わないって鬼畜としか言いようがないわ。女を何だと思ってるのよ」
「お姉様良く耐えてこられましたわねぇ」
「まぁそれは家長命令だから仕方なく?卒業するまでと思って我慢してたら婚約破棄のオマケまで付いてきて、ヤッターって思ったのも半日だけだったわ。マーモン侯爵もあの女で我慢してくれたら良かったのに」
女ったらしのルイスが手を出していたのは主に子爵家、男爵家の娘。平民と上位貴族には決して手を出すことはなかった。下位貴族が相手なら乙女であろうと一様に金と身分で黙らせる事が出来たからだ。平民は病気の事を心配したのと、後先構わない者が多いから後々面倒だと考えてのことだ。これは婚約者のお茶会の時に堂々とルイスがハッシュに宣ったから真実である。
皆が黙って泣き寝入りするから、堂々浮気の詳細を語るのに、ルイス有責の婚約破棄ないし解消が難しくて、それでもルイスと関係を持ったであろう令嬢に証言を頼んだが無駄だった。ただ徒労に終わっただけだった。
そんな時、あのアルディオーレが学園に編入してきた。
何故かアルディオーレは最初からハッシュに近づいて来た。お世話係にハッシュを指名してきた理由が、ルイスに近づこうとするという魂胆なのはミエミエだった。そこまでしてルイスに焦がれてるのかとその並々ならぬ気持ちを心から応援したかった。だが彼女は侯爵家、言わずとしれた上位貴族だ。喩え本人は令嬢らしからぬ人物だったとしても。
ハッシュは、彼女にルイスの触手が動くのかと心配していたけれど、そんな物は杞憂に終わった。なんとルイスの方が墜ちたのだ。
ハッシュは心の中でバンザイと叫んだ。
今まではルイスが堕として捨てていた、でも今回は逆。そしてルイスはまだ捨てられていない。だったらこのままルイスから婚約破棄の言葉が出るんじゃないかと期待に胸を膨らませてその日を心待ちにしていた。
その待ってる間に、アルディオーレがルイス以外の令息達まで堕とすとは思っても見なかったし、少々抜けた所はあるけど気の良い弟のサッシュまでもが、その毒牙にかかるとは⋯情けない。
そして到頭その日はやってきた。
そもそも卒業するまでに婚約が解消できなくてもハッシュは最初から逃げる予定だった。何度頼んでも父が解消してくれないから強硬手段に出るしかないと思っていた。
生徒会に在籍していた卒業生の中で一番上位貴族のルイスが答辞を読むことに。
ハッシュが書いた原稿(ルイスの命令)を読み終えたあと、あのバカは思いっきりマイク越しで宣言してくれちゃいました婚約破棄。
常から父のグランバス伯爵から、ルイスに逆らうなと厳命されていたハッシュは、
「ルイス様からの婚約破棄承知いたしました」
と会場中に響き渡るように貴族令嬢とは思えぬ必要以上に大きな声で了承して、マーモン侯爵夫人直伝のカーテシーを決め、その場を俯きながら去ったのだが、その口元はニヤケが止まらなかった。
(アルディオーレ様屑を堕としてくれてありがとう)
ハッシュは心の中でアルディオーレを拝んだ、そしてもしこの先アルディオーレにルイスが捨てられたとしても、父に何と言われようが絶対に拾わないと胸に誓った。
「そうですねお姉様」
「メイラあなた私がお姉様でいいの?」
「いえいえ私が言ってるのはお姉様であってお義姉様ではないですわ」
「ねぇ一緒に聞こえるし」
「もう!書かなくても分かっておりますでしょう?ふふふっニュアンスですわニュアンス」
家出をしてから早2ヶ月ハッシュはあの日あのままサッシュの婚約者である、メイラの家へと逃げこんだ。そしてそのままメイラの家の領地へと旅立っていた。
メイラの家はモルト辺境伯、王都からは馬車で一週間はかかる距離だ。
勿論グランバス家からモルト家に秘密裏にお伺いの連絡は来ていたが、辺境伯のはからいでメイラは卒業後直ぐに屋敷を旅立った事にしてもらってハッシュは来ていないと家出の片棒を担いでくれた。
因みにメイラはハッシュ達の一つ年下だが、飛び級制度を利用して一緒に卒業を迎えていた。
「でも本当によろしいのですか?平民になっても」
「全然構わないわ、そりゃ辛いこともあるかも知れないけれどルイスと夫婦になるくらいなら、どんな事でも我慢する」
ハッシュはとことんルイスを毛嫌いしている。
その気持ちはメイラには痛いほど分かるので協力しようと思ったのだ。
大人達は皆ルイスの事を良い様に誤解している。流石に息子の所業なのできっとマーモン侯爵は知っている筈だが大概の貴族は騙されている。あの男はとんでもない男だった。ハッシュ達令嬢にとっては天敵と言っても過言ではない。
その外面の良さで遊ばれた女は数しれず、学生の間では特に令嬢の中では有名なたらしだった。
あの外見と物腰の柔らかさ、そして女の子なら一度は夢見る物語に登場する王子様の様なルイス。そんなルイスが、少し長めの(態と)金色に光る前髪をかき揚げて、碧い瞳で真剣にジッと見つめて、擽る様に耳元で愛を囁やけば⋯世間知らずの令嬢なんてイチコロだ。
そのうち“たらし”と有名になっても、皆自分にだけは本当に愛を囁いてくれてると錯覚する。本当にとんでもない男なのだ。
そんなルイスが絶対愛を囁かない女、それがハッシュだった。
「婚約者なんて自分の手の内じゃない、あの男は堕とすまでの過程が好きなのよ、もうあれは病気よ。そんな男が自分の物認定されてる婚約者に態々いい顔なんてしないわよ、どうあっても離れていかないって決まってるんだもの。堕とす必要のない者に労力なんて使わないのよ」
「まぁそうですわねぇ、病気ですわよねぇ。本当に病気を貰ってくれたら懲りたでしょうけどね」
「その辺はきっちりしてるのよね、身持ちの悪い女を選ばないってか、乙女しか狙わないって鬼畜としか言いようがないわ。女を何だと思ってるのよ」
「お姉様良く耐えてこられましたわねぇ」
「まぁそれは家長命令だから仕方なく?卒業するまでと思って我慢してたら婚約破棄のオマケまで付いてきて、ヤッターって思ったのも半日だけだったわ。マーモン侯爵もあの女で我慢してくれたら良かったのに」
女ったらしのルイスが手を出していたのは主に子爵家、男爵家の娘。平民と上位貴族には決して手を出すことはなかった。下位貴族が相手なら乙女であろうと一様に金と身分で黙らせる事が出来たからだ。平民は病気の事を心配したのと、後先構わない者が多いから後々面倒だと考えてのことだ。これは婚約者のお茶会の時に堂々とルイスがハッシュに宣ったから真実である。
皆が黙って泣き寝入りするから、堂々浮気の詳細を語るのに、ルイス有責の婚約破棄ないし解消が難しくて、それでもルイスと関係を持ったであろう令嬢に証言を頼んだが無駄だった。ただ徒労に終わっただけだった。
そんな時、あのアルディオーレが学園に編入してきた。
何故かアルディオーレは最初からハッシュに近づいて来た。お世話係にハッシュを指名してきた理由が、ルイスに近づこうとするという魂胆なのはミエミエだった。そこまでしてルイスに焦がれてるのかとその並々ならぬ気持ちを心から応援したかった。だが彼女は侯爵家、言わずとしれた上位貴族だ。喩え本人は令嬢らしからぬ人物だったとしても。
ハッシュは、彼女にルイスの触手が動くのかと心配していたけれど、そんな物は杞憂に終わった。なんとルイスの方が墜ちたのだ。
ハッシュは心の中でバンザイと叫んだ。
今まではルイスが堕として捨てていた、でも今回は逆。そしてルイスはまだ捨てられていない。だったらこのままルイスから婚約破棄の言葉が出るんじゃないかと期待に胸を膨らませてその日を心待ちにしていた。
その待ってる間に、アルディオーレがルイス以外の令息達まで堕とすとは思っても見なかったし、少々抜けた所はあるけど気の良い弟のサッシュまでもが、その毒牙にかかるとは⋯情けない。
そして到頭その日はやってきた。
そもそも卒業するまでに婚約が解消できなくてもハッシュは最初から逃げる予定だった。何度頼んでも父が解消してくれないから強硬手段に出るしかないと思っていた。
生徒会に在籍していた卒業生の中で一番上位貴族のルイスが答辞を読むことに。
ハッシュが書いた原稿(ルイスの命令)を読み終えたあと、あのバカは思いっきりマイク越しで宣言してくれちゃいました婚約破棄。
常から父のグランバス伯爵から、ルイスに逆らうなと厳命されていたハッシュは、
「ルイス様からの婚約破棄承知いたしました」
と会場中に響き渡るように貴族令嬢とは思えぬ必要以上に大きな声で了承して、マーモン侯爵夫人直伝のカーテシーを決め、その場を俯きながら去ったのだが、その口元はニヤケが止まらなかった。
(アルディオーレ様屑を堕としてくれてありがとう)
ハッシュは心の中でアルディオーレを拝んだ、そしてもしこの先アルディオーレにルイスが捨てられたとしても、父に何と言われようが絶対に拾わないと胸に誓った。
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