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第二章 アトルス王国にて
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「よぉ!」
静寂な図書室で似つかわしくない音量の主は、ユリアーナの肩を気安く叩いてから隣に勝手に腰掛けた。
「ダイナス様、何度も言っていますがもう少し小声でお願いします」
「お前、声が小さいと本に夢中で気付かないじゃないか」
ユリアーナがアトラス大学院に留学して2週間。ダイナスはユリアーナの入学初日に顔を見せに来てくれた。それ以来何かと気にかけてくれているのは心強いが、図書室では静かに願いたい。それに正直言えば邪魔なのだ。
「また薬草か」
「えぇ土壌の分析は父に頼んでいたので、メモして来たのですが、効率よく育てられる物を探しています。でも、なかなか」
ユリアーナは3年前、この学院に留学が決まってから、ずっと考えていたことがあった。
このアトルス王国は薬学に精通していた、おそらく大陸でも上位に位置する程だと思う。
嘗て体の弱かったユリアーナが快復したのも、この国の薬のおかげだった。
ユリアーナがそれを見つけたのは、父の執務室で書類整理を手伝っている時だった。ペン軸の先が割れてきて書きにくくなった為、換えを探そうと父の抽斗を開けた。その時にそのメモが目に入ったので、執事のアルホーンに聞くと教えてくれた。
「あぁこれは薬草の名前ですね」
「薬草?」
まだ学園に入学したばかりで薬学など学んでいなかったユリアーナには、馴染みのない言葉の羅列だった。「ふうん」と言いながら何故そんな物を父が抽斗に入れているのか不思議に思った。
「これは、お嬢様の薬に使われた薬草をメモしたものですね、あぁ懐かしいです。このテアズロウという草が公爵領に自生していたので栽培することにしたんです」
「そうなの?公爵領?そう、元々あった薬草なのね」
「えぇ旦那様はユリアーナ様の口に入る物だからと薬の原料から調べておいででした。そのうちの一つが公爵領にあったのは偶然でしたが、そのおかげで少しは領民の生活も安定したのですよ」
「どういう事?」
アルホーンの話によると、ロッサルト公爵家の領地は広く、色々な町や村が存在している。概ねユリシーズの辣腕のおかげで領民達は安心して生活をする事が出来ていた。税収もそれなりに多く王国の基盤も支える程であった。だが全部の町や村が裕福なわけではない。やはり何を植えても育たない土地という物はあって、ユリシーズや領民達の頭痛の種でもあったその土地に勝手に自生していた“草”が実は“薬草”だったと知った時、活路が見えたのだとアルホーンは懐かしそうに語ってくれた。
「そうだったの。新しい発見だったのね」
「そうなのです、しかもその薬草はアトルスでは希少で輸入していたんです。ですから旦那様は領民達に指示して栽培を始めたんですよ。今ではそのおかげでその土地に住む領民達も潤って来ています」
「他にもそんな土地はあるの?」
「そうですね、植えても育たぬ土地には牧場や養鶏を指示していますが、餌が育たないので他の土地に栽培させています、ただそれだと二度手間になるのも否めませんから、難しいのですよ領地経営は。ユリアーナ様もしっかりと学園で学んで下さいね」
最後にはアルホーンに発破をかけられる事になったが、ユリアーナはその話にとても興味が持てたし、少し救われる思いもあった。
ユリアーナは自身の体の弱さから子供の頃は皆に迷惑をかけたと情けなく思っていた。
だけど、自分の為に父が用意した薬がきっかけで、救われた領民がいるのだと聞いて、自分の体の弱かったことも無駄ではなかったのだと、少しだけ思えたのだった。
それから領地の税収を調べた。父やアルホーンに習った算出方法で自分でも比較検討したりした。学園でユリアーナは、他の貴族家の後継者達と同じ様に領地経営学科だったから勿論学園でも学んだ。
その時に考えたのは、これからはやはり“薬草”だということだった。
幸い、アトルスに留学が決まっていたユリアーナは父に頼んで、領地の税収の少ない町や村の土壌検査のデータを3年分お願いしていた。
今ほぼ毎日図書室に通っているのは、祖国では見ない薬草について調べていたのだった。ライレーンで育つ薬草や雑草は既に調べていた為、それとも照らし合わせていた。
そんな大事な調べ物中に、しょっちゅうこうやって邪魔をしにダイナスはやって来るのだ。
ユリアーナには一年しか時間はないから迷惑この上なかった。相手は王族、言えるはずはないけれど。
ユリアーナが少し悶々としているのを余所に、またもやお邪魔発言をダイナスが始めた。
「ユリアーナちょっと手を止めて、私に付き合わないか?」
「⋯⋯⋯」
(嫌です)と言いたいが言えないユリアーナは黙って頷き机を片付けた。心の中で「殿下の馬鹿!」と罵声を上げたのは内緒だ。
ダイナスがユリアーナを連れて行ったのは、学院のカフェだった。学院内に幾つかあるカフェのうちの一つでそこには個室があると聞いていたから、きっとダイナスの行きつけなのかな?とユリアーナは思いながら後ろを付いていった。
店員に案内された場所はやはり2階にある個室で、ユリアーナは初めてくる場所だったから少し興味を惹かれた。
部屋の中はカフェというより応接室と言った方がピッタリで、天板が大理石で出来ているテーブルの周りには、二人がけ用のソファが1つ一人がけ用のソファが2つ周りを囲んでいた。
「そこに座って。後、もう一人来るから」
ダイナスは二人がけ用ソファをユリアーナに薦めて言った。
「誰か来るのですか?」
「あぁ紹介したい奴がいるんだ、ユリアーナにとっても役に立つと思うぞ」
ダイナスの含みのある言い方にユリアーナは警戒したが、どうあっても紹介はされるのだから大人しく言うことを聞いておこうと思い、店員に渡されたメニューを広げた。
二人が頼んだ珈琲が運ばれていた時に、その人はやって来た。
白いシャツに紺のスラックス、シャツには透かしの模様が入って見えた。髪色は黒、前髪は無造作に下ろしているが後ろは短く揃えていた。蒼い瞳は、キラリと光り美しく澄んで見える。
急いできたのか、一つ目の釦を外しているから見えた首筋に一筋流れた汗が色っぽく見えて、ユリアーナの胸はドキンと跳ねた。
彼が座る前にダイナスが紹介してくれた。
「こいつはシモン・ゲートラン。アトルスの公爵家の子息だ。こいつの家は薬草に精通していて薬師を多数排出してるんだぞ」
「初めましてシモンです。ロッサルト公爵令嬢のお話はダイナスから聞かされていました。薬草に興味をお持ちとか、私で良かったら色々とお教えできますよ」
シモンはその端正な顔でユリアーナに笑顔で挨拶をしたのだが、ユリアーナの印象に残ったのは、端正な顔にはアンバランスに見えた八重歯が光って見えた事だった。
✎ ------------------------
※作中に出てくる薬草の名は作者が勝手に脳内で作った名です。おそらく実在はしていません。
作者の勉強不足で万が一実在していたとしても、別物とお考え頂きたくその点ご承知おきください。
今後も色々な妄想薬草がちょこちょこ登場しますが、全て脳内発生したものです。
よろしくお願いします🙇♀
静寂な図書室で似つかわしくない音量の主は、ユリアーナの肩を気安く叩いてから隣に勝手に腰掛けた。
「ダイナス様、何度も言っていますがもう少し小声でお願いします」
「お前、声が小さいと本に夢中で気付かないじゃないか」
ユリアーナがアトラス大学院に留学して2週間。ダイナスはユリアーナの入学初日に顔を見せに来てくれた。それ以来何かと気にかけてくれているのは心強いが、図書室では静かに願いたい。それに正直言えば邪魔なのだ。
「また薬草か」
「えぇ土壌の分析は父に頼んでいたので、メモして来たのですが、効率よく育てられる物を探しています。でも、なかなか」
ユリアーナは3年前、この学院に留学が決まってから、ずっと考えていたことがあった。
このアトルス王国は薬学に精通していた、おそらく大陸でも上位に位置する程だと思う。
嘗て体の弱かったユリアーナが快復したのも、この国の薬のおかげだった。
ユリアーナがそれを見つけたのは、父の執務室で書類整理を手伝っている時だった。ペン軸の先が割れてきて書きにくくなった為、換えを探そうと父の抽斗を開けた。その時にそのメモが目に入ったので、執事のアルホーンに聞くと教えてくれた。
「あぁこれは薬草の名前ですね」
「薬草?」
まだ学園に入学したばかりで薬学など学んでいなかったユリアーナには、馴染みのない言葉の羅列だった。「ふうん」と言いながら何故そんな物を父が抽斗に入れているのか不思議に思った。
「これは、お嬢様の薬に使われた薬草をメモしたものですね、あぁ懐かしいです。このテアズロウという草が公爵領に自生していたので栽培することにしたんです」
「そうなの?公爵領?そう、元々あった薬草なのね」
「えぇ旦那様はユリアーナ様の口に入る物だからと薬の原料から調べておいででした。そのうちの一つが公爵領にあったのは偶然でしたが、そのおかげで少しは領民の生活も安定したのですよ」
「どういう事?」
アルホーンの話によると、ロッサルト公爵家の領地は広く、色々な町や村が存在している。概ねユリシーズの辣腕のおかげで領民達は安心して生活をする事が出来ていた。税収もそれなりに多く王国の基盤も支える程であった。だが全部の町や村が裕福なわけではない。やはり何を植えても育たない土地という物はあって、ユリシーズや領民達の頭痛の種でもあったその土地に勝手に自生していた“草”が実は“薬草”だったと知った時、活路が見えたのだとアルホーンは懐かしそうに語ってくれた。
「そうだったの。新しい発見だったのね」
「そうなのです、しかもその薬草はアトルスでは希少で輸入していたんです。ですから旦那様は領民達に指示して栽培を始めたんですよ。今ではそのおかげでその土地に住む領民達も潤って来ています」
「他にもそんな土地はあるの?」
「そうですね、植えても育たぬ土地には牧場や養鶏を指示していますが、餌が育たないので他の土地に栽培させています、ただそれだと二度手間になるのも否めませんから、難しいのですよ領地経営は。ユリアーナ様もしっかりと学園で学んで下さいね」
最後にはアルホーンに発破をかけられる事になったが、ユリアーナはその話にとても興味が持てたし、少し救われる思いもあった。
ユリアーナは自身の体の弱さから子供の頃は皆に迷惑をかけたと情けなく思っていた。
だけど、自分の為に父が用意した薬がきっかけで、救われた領民がいるのだと聞いて、自分の体の弱かったことも無駄ではなかったのだと、少しだけ思えたのだった。
それから領地の税収を調べた。父やアルホーンに習った算出方法で自分でも比較検討したりした。学園でユリアーナは、他の貴族家の後継者達と同じ様に領地経営学科だったから勿論学園でも学んだ。
その時に考えたのは、これからはやはり“薬草”だということだった。
幸い、アトルスに留学が決まっていたユリアーナは父に頼んで、領地の税収の少ない町や村の土壌検査のデータを3年分お願いしていた。
今ほぼ毎日図書室に通っているのは、祖国では見ない薬草について調べていたのだった。ライレーンで育つ薬草や雑草は既に調べていた為、それとも照らし合わせていた。
そんな大事な調べ物中に、しょっちゅうこうやって邪魔をしにダイナスはやって来るのだ。
ユリアーナには一年しか時間はないから迷惑この上なかった。相手は王族、言えるはずはないけれど。
ユリアーナが少し悶々としているのを余所に、またもやお邪魔発言をダイナスが始めた。
「ユリアーナちょっと手を止めて、私に付き合わないか?」
「⋯⋯⋯」
(嫌です)と言いたいが言えないユリアーナは黙って頷き机を片付けた。心の中で「殿下の馬鹿!」と罵声を上げたのは内緒だ。
ダイナスがユリアーナを連れて行ったのは、学院のカフェだった。学院内に幾つかあるカフェのうちの一つでそこには個室があると聞いていたから、きっとダイナスの行きつけなのかな?とユリアーナは思いながら後ろを付いていった。
店員に案内された場所はやはり2階にある個室で、ユリアーナは初めてくる場所だったから少し興味を惹かれた。
部屋の中はカフェというより応接室と言った方がピッタリで、天板が大理石で出来ているテーブルの周りには、二人がけ用のソファが1つ一人がけ用のソファが2つ周りを囲んでいた。
「そこに座って。後、もう一人来るから」
ダイナスは二人がけ用ソファをユリアーナに薦めて言った。
「誰か来るのですか?」
「あぁ紹介したい奴がいるんだ、ユリアーナにとっても役に立つと思うぞ」
ダイナスの含みのある言い方にユリアーナは警戒したが、どうあっても紹介はされるのだから大人しく言うことを聞いておこうと思い、店員に渡されたメニューを広げた。
二人が頼んだ珈琲が運ばれていた時に、その人はやって来た。
白いシャツに紺のスラックス、シャツには透かしの模様が入って見えた。髪色は黒、前髪は無造作に下ろしているが後ろは短く揃えていた。蒼い瞳は、キラリと光り美しく澄んで見える。
急いできたのか、一つ目の釦を外しているから見えた首筋に一筋流れた汗が色っぽく見えて、ユリアーナの胸はドキンと跳ねた。
彼が座る前にダイナスが紹介してくれた。
「こいつはシモン・ゲートラン。アトルスの公爵家の子息だ。こいつの家は薬草に精通していて薬師を多数排出してるんだぞ」
「初めましてシモンです。ロッサルト公爵令嬢のお話はダイナスから聞かされていました。薬草に興味をお持ちとか、私で良かったら色々とお教えできますよ」
シモンはその端正な顔でユリアーナに笑顔で挨拶をしたのだが、ユリアーナの印象に残ったのは、端正な顔にはアンバランスに見えた八重歯が光って見えた事だった。
✎ ------------------------
※作中に出てくる薬草の名は作者が勝手に脳内で作った名です。おそらく実在はしていません。
作者の勉強不足で万が一実在していたとしても、別物とお考え頂きたくその点ご承知おきください。
今後も色々な妄想薬草がちょこちょこ登場しますが、全て脳内発生したものです。
よろしくお願いします🙇♀
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