【完結】私はバスター 小悪魔令嬢を撃退します!

maruko

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ステファルノが段々と変貌してきて「マズい!」と思った側近という名の取り巻き三人集は、お城に連れ帰る事にした模様で、嫌がるステファルノを引き摺って公爵邸を辞した。

残ったマリエンヌ、シャルロッテ、クリスティーヌは夫人に誘われて楽しく夕食を共にする。その後侯爵家のお迎えが来たので家路についたのだが、馬車の中で二人揃ってため息をつく。

「ねぇシャル確かめてみない?」

「何をですか?」

「お母様の事、シャルが言ってるのがあってるならサヴァリーヌ様との付き合いを止めてもらわないといけないのではなくて?」

「そうですわね、でもその前にお父様に相談してみては如何ですか?だって恋愛結婚だと聞いておりますもの、お母様の一大事ですからお父様だって、何らかの策を講じるのではないでしょうか?」

「それもそうね、ではお母様の留守の時が⋯⋯あったかしら?」

「暫くはないですわ、部屋に入ってからお父様の執務室へ行きましょう」

「わかったわ、それまでは寝ないようにしないといけないわね、シャルは大丈夫?」

「がんばります!」

元気の良いその返事に安堵したマリエンヌは今夜眠れないかもと思い、侯爵邸に着くまで寝ることにしたのであった。

侯爵邸に着き各々部屋に戻り、マリエンヌはルルに母が寝入ったら父と話すと告げた。
心得たルルは時間を見計らって、部屋を出る。
暫くするとルルがシャルロッテを連れて戻って来た。

「お姉様Goですわ」

よっしゃあ!と言ってはいないがマリエンヌは頷き二人で揃って父の執務室へ、ルルとアニー二人の侍女はお茶の準備をして部屋を出た。

父であるサバディ侯爵は突然二人の娘が話があると揃って訪れたので、若干ビビリ具合が顔に出ていた。

「なんだ話とは」

「お母様の事ですわ」

マリエンヌは本日仕入れてきた聞きたてほやほやの話しを父に聞かせてご意見を伺う。
隣でシャルロッテは姉の話しに相槌を打つ係である。
全て話し終えると暫く目を瞑って話しを聞いていた父が口を開いた。

「先ず間違いが何ヶ所かあるので訂正したい」

「間違いですか?」

「あぁ」

父の言う間違いとは何ぞや?
マリエンヌとシャルロッテは眉間に皺を寄せて考えたが、どうせ今から父が語るのだと皺を伸ばして待つ。

「先ず1つめ私とエルシーは恋愛結婚ではない」
「そして2つめサヴァリーヌは第一側室だが白い結婚だ」
「そして3つめ洗脳はされていない、元々のエルシーの気質だ」

父が訂正と言って話した内容はまさかの全否定だった⋯⋯。
今日一日は何だったのだろう、燃えかすになりそうなマリエンヌ&シャルロッテ。

「では、では訂正した箇所の修正をお聞かせくださいませ」

マリエンヌは父に懇願した。
全否定だから全部訂正が入るのだが、そんな事には構ってられない、本当の事が知りたい。

「私とエルシーは子供の頃より婚約していた。だがエルシーが婚約を聞いたのが学園の卒業間際だったらしい、但しエルシーは婚約していた事を最後まで認めなかったのだが、まぁこちらも婚約者として何をしてあげていた訳でもないから、エルシーが認めなくてもしょうがないのだが」

「どういう事ですか?」

父の手始めの説明が全く持って意味のわからないマリエンヌとシャルロッテ。

二人は「えっ父って説明ベタ?」と返したかったが話しの腰を折るのはラウルに折られたマリエンヌが身を持って体験してるので、それは悪手だ。
ここは黙って父の話しを聞いてあげようと父親思いの娘は頷き合った。
そして父が語った事は「それ有りなの?」的な話だった。

二人が婚約したのは10歳の頃、本来ならこの時点で顔合わせをしていたはずだったのだが、エルシーが何故か領地に引き篭もって王都に出てこなかった。あとで知ったのは領地で青春を謳歌していた模様(簡単に言うと好きな人が居て離れたくなくて引き籠もっていたとか)その後も何度か交流を持とうとしていたのだが、母はその頃から夢見る少女で、運命の出会いを夢見て、既に婚約しているのにも関わらず、頑として婚約を認めなかったというよりも、自己暗示で婚約してない事にしていたらしい。
アホな女だ!(これはシャルロッテ感想)

それから月日が経ち、正直婚約者がいる事にしていた方が便利だった父も交流は無理してしなくてもいいかなと思い始めて母を放置していたのだとか。

そして学園に入学、入学後は概ね公爵夫人の言うとおり、で、母の行動は昔から大体あんな感じで領地では周知の事実。侯爵家では調べがついていたのでこの時点で婚約を白紙に戻しても良かったのだが、今一度チャンスをと、母の両親に頭を下げられたから条件を付けた。

父としても政略結婚は貴族の義務だとわかっていたし、結婚後にお互い歩み寄ればいいと考えていたのもあるから、ただ家政が出来なければ意味がないので、成績優秀であることが条件だった。

母は夢見る少女のくせに成績はとてつもなく良くて卒業試験は学年一位だったのだとか⋯⋯謎の女だ。

そして卒業パーティで母にドレスと装飾品を贈ってプロポーズしたのだと父は言う。

「おい!それが勘違いの原因だ!」

マリエンヌはつい叫んでしまった。
サバディ侯爵はマリエンヌの言葉に苦笑したが、勘違いしてくれた方が両家にとっても都合が良かったので敢えての行動だったという。

何故ならそんな状況をエルシーは夢見ていたのだから、その後の操縦が楽だったと侯爵は語った。

シャルロッテは、こりゃどっちもどっちだ。うちの親って最低じゃない?と心の中で思う。

サヴァリーヌ様の白い結婚も、彼女が実家から逃げる為に最終的には王妃様公認で仕組んだ事なので、それはそれで有りなのだとか、王宮での滞在費用もサヴァリーヌ様は学園にいる時に母と商会を立ち上げ自力で稼いでいるのだという。

天晴だ!

但しこの事は国王陛下、王妃様、そして陛下の側近であるサバディ侯爵、テーラー公爵しか知らない極秘事項だから他言無用と言われた。
何故なら白い結婚ならば側室を持つ意味がないので議会が納得してくれなかったからだそう。
それももうすぐ期限が来るので、離縁するまでだからと教えてくれた。

父と母の事を訊ねに来て側室の秘密まで知ってしまったマリエンヌとシャルロッテ。

疲れ果てて抜け殻になってしまった二人だった。


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