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12話 告白

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「その……ジークが最初捜してた人って……女の子だった?」

「ううん、男」

「そ、そうなんだ……」

「え?」

「え? 何……?」
 僕は思わず顔を上げる。

「ノアが俺に聞きたかったことって、まさかそれか?」

「え、う、うん……そうだけど……」

 ジークは急に大笑いを始める。

「な、何でそんな笑うんだよぉ……」

「何でそんなの聞くのにそんなモジモジしてたのさ。普通に聞いてこりゃいいだろ?」

「だ、だって……今更聞いちゃ悪いかなって……」


「あのな、俺が捜してたやつは……もう、死んでるんだ」

「……そっか……」

 やっぱりそうだった。もう死んじゃってて、似てる人探してたんだ。

「最初は、そいつの面影をお前に重ねちゃってた。それはマジでごめんな。でも今は、お前を、ノア自身を俺は大切に思ってるし、お前が好きだ」

「ジーク……!」

「……あれ、男だよって、言わないのか?」

「ううん、言わない。だって僕も……ジークのこと大好きだから……」

「ノア……ありがとう。そっか、それで、あいつが男か女か気にしてたのか」

「うん……僕が男でも、ジークはそういうふうに見てくれてるのかなって……」

「大丈夫。前にも言ったけど、お前が男か女かはこの際どっちでもいいんだよ。まぁでも、俺も正直、お前がそういうふうに思っててくれてホッとしてるけどな……」

「ジークも、男なのにどうしようって思った?」

「ん、まぁな……。それだけで、拒否られる可能性もあるからな……」

「うん、そうだよね。でも、良かった……もう僕、気持ち抑えなくていいんだ……」

「おっ、抑えなかったら、何してくれるんだ?」
 ジークはそう言って意地悪そうに微笑む。

「べ、別に何にもしないよ……!」

「なんだぁ……じゃ、俺の方からしていいか?」

「え、な、何を……?」

 僕がポカーンとしていると、ジークは僕に噛み付くようなキスをしてきた。

「ん……」

 ジーク……恋人いたことないんだよね!?
 キス……上手すぎるんだけど……。

 ジークは角度を変えて何度も何度も噛み付いてくる。
 そして、彼の舌が僕の口へと入ってきた。

 これって……ディープキスってやつ……!?

 僕も彼の舌に僕の舌を絡めてみると、彼はより激しく舌を絡めてきた。

 何だろう、熱くて頭が溶けちゃいそうで……お互いの舌が絡まる度にお尻がうずく……。

 何でお尻が……!?

 それに、何か懐かしいような……。


⸺⸺その時だった。


 ふと、またあの頭痛が僕を襲った。

「んっ……!」

 僕はバッとジークから離れて頭を抱える。

「いたっ……!」

「ノア!? おい、どうした!?」

「頭が……痛い……!」

「また前のあれか!? って、このタイミング……。前は確か……でこをグリグリした時だった……まさか……」


 しばらくジークに介抱されると、その頭痛はまた嘘のようになくなった。

「ふぅ……一体何だったんだろう……」

「なぁ、ノア。今のキス、どう感じた?」
「どうって……エ、エロかった……」
 僕はそう言いながら顔が熱くなるのを感じた。

「他には? エロかっただけか?」
 ジークはいつになく真剣に僕へと迫ってくる。

「え、えっと……他には……その……お尻が、うずいて……あと、懐かしくて……」

「やっぱ、そういうことか!」
 ジークはなぜか嬉しそうにしていた。

「ジーク、何かわかったの?」

「あぁ……ノア、試したいことがあるんだけど……」
 ジークは申し訳なさそうにそう言った。


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