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13話 試したいこと

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「試したいことって?」

「お前と、イチャイチャしたい……」

「な、何それどゆこと!?」

「でも、そうするとお前はまた頭が痛くなるかもしれない」
 ジークは苦しそうな表情を浮かべた。

「ジーク、僕の頭痛のこと、何か知ってるの?」

「そうかもしれないってだけだ。それを、確かめたい……。でも、頭痛いの嫌なら、無理にとは言わない。俺だってお前が痛い思いするのなんて嫌だしな」

 ジークの表情はとても悲しそうだった。何でそんな顔するの? ジークの悲しそうな顔は見たくないよ。それに……。

「僕も、この頭痛が何か分かるなら、いいよ? ジークのしたいこと、してみて?」

「マジでいいのか? 頭痛くなったらちょっと休憩な」

「うん、分かった……」


「じゃぁ、ここに俺に背中を向けて座って……」

 ジークはそう言ってあぐらをかいている自分の膝をトントンと叩く。

「こ、こうかな……」

 僕がジークの膝へ収まると、彼は僕の背中をスーハースーハーしてきた。

「うっ!」

 突如襲う頭痛。何だろう、僕はこれ、知ってる……。

「ノア……やっぱり、そうなんだな……」

 ジークはそう言ってすぐに背中を吸うのをやめて、僕を抱きしめて頭を撫でてくれていた。

 やがて頭痛が収まると、僕はくるっと振り向いてジークへと迫る。

「僕、今の知ってる気がする! ねぇ、これ何なの?」

「……言っても、信じないと思うけど……」
 彼は困惑している。

「だったら、もっとイチャイチャしよ?」

「おぉ……お前からそんな積極的な言葉が聞けるとは……」

「ねぇ早く、次は何するの?」
 僕はジークの服をキュッと引っ張る。

「分かったよ。もう少しだけだぞ?」

「うん!」


 ジークは僕を膝に乗せたままギュッと抱き寄せると、僕の耳たぶを口に含んで舌で転がしてきた。

「ひゃぁぁっ! 待ってそれヤバい……うっ!」
 再び襲う頭痛。すぐにジークの口がパッと離れる。


 でも僕の脳裏に一瞬だけどこか知らない部屋が映った。

「今のは……どこの部屋……?」

「何か、見えたのか……!?」

「うん、一瞬だけ。それにね、さっきよりも頭痛、ひどくなかった気がする。だんだん耐えられるようになってきてるかも……」

「ほ、本当か……?」
 そういうジークは、静かに涙を流していた。

「ジーク……」

 初めて彼とあった時と一緒だ。

 彼は、僕の知らない何かを知っている。

「ねぇ、ジーク。もっとして?」

「……なら、宿屋行こうか。部屋だと……ちょっとお前の両親が聞き耳立ててるとな……」

「うん、そうだね……この洞窟の近くにある村に行こう」

「あぁ」

 僕たちは洞窟から出ると、近くの村を目指して歩いた。

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