71 / 72
幽霊事務局長の穏やかな日常 1
しおりを挟む
夕方、小休憩をもらった私たちは、温かいカフェラテをもって屋上の植物園に上がることにした。
「さむっ……すっかり秋だなあ」
カフェラテのカップをしっかり握って暖をとる。
「あちらのベンチは日向です。構造的に風があたらないので、比較的暖かいかと」
桐生さんが指さす席にそのまま向かう。
言われたとおり、そこは暖かかい。
屋上の植物園はボランティアと一部の入院患者の好意によって成り立っている。
ただし、ここの利用は許可された患者に限られる。アレルギーや感染症に注意が必要な患者は当然出入り禁止だ。
暖かそうな温室も、夕方とあって人はまばらだ。ちょうど、面会時間に入ったところだからかもしれない。
「桐生さん、ひょっとして、屋上に良く来てたりした? 俺、ボランティアさんの関係でしか来たことなくてさ」
「朝のランニングが物足りない時、ここで筋トレすることがあります」
「……ちょっと待て、それって出勤前だよな」
「そうですが」
マジか。
いま座っているベンチは、腹筋をするのによく使う場所という事らしい。
走ってくるだけで精一杯の私とは雲泥の差だ。
「全然関係ないけど、桐生さん、体脂肪どのくらい?」
「今、4%です」
ちょっと反省しよう。
いつの間にか隣を歩いてきたクロネコが、私の足元を一回りしてからぴょいっとベンチに上がる。姿勢良く座っている姿は、このスタイル羨ましいだろうと言わんばかりだ。
このやろう。腹がたつ。
やっぱりササミ肉を買うのはやめよう。
「とりあえずさ。俺たちがやったことは無駄じゃなかったってことだよな――まあ、俺たちっていうか、主に頑張ってくれたのは桐生さんだけど」
ただの事務員の私たちには、何もできない。
そう打ちひしがれもした。
だが、できることをしようと足掻いたら、私たちをきっかけに、大きな流れが生まれた。
私たちには看護師のように患者に寄り添う事も、医師のように直接痛みに立ち向かう事もできないが、それでも、できることがある。
少なくとも、今ここに入院している人たちが安心して治療に臨める環境を作ることはできそうだ。
「友利さん。もし、ご自身の影響が小さなものだったと思っているのであれば……それは違います」
「そんなことねえだろ。桐生さんの資料が効いたんだって課長も言ってたじゃん?」
「絹井先生もおっしゃっていましたが、わたしは、友利さんのお力によるところが大きいと思っています。私は資料を作っただけです。それを……絹井先生を巻き込もうと考え、実際に動いたのは友利さんではありませんか」
「だから、俺は何もしてねえって」
「ひとりでできることには限りがあります。特に私たちのような立場であればなおさらです」
桐生さんはこうと決めたら絶対に譲らないところがある。
お前の手柄だぞ、しっかり受け取れってことか。
でもな、桐生さん。
やっぱり、凄いのは桐生さんだと思うぞ。
「桐生さんが言う事もわかる。事務員って立場弱いし、力もないし」
「だからこそ、友利さんの能力が必要とされるのかもしれません」
「なんだよ、俺の脳力って。スーパーマンじゃねえぞ」
「友利さんは、目的から何が必要なのかを考え、それに最も適した人材をその場所に配置する能力に長けています」
「なんだそりゃ」
「そういう力は、より高いポジションでこそ、活かされます。わたしが得意とする地道な作業などは誰にでも出来るものです。もちろん、スピードや完成度はある程度の違いがあるでしょうが、わたしでなくとも可能です」
「あー……事務局長が俺に似てるって、アレ?」
「絹井先生にも言いましたが、似ていますよ。今、結城事務局長が目の前にいますが、やはりそう思います」
「俺の目にはクロネコに見えるけどな」
この話は平行線だろう。私には、伝説のように語られる事務局長のようなすごい事は何もできない。
庶務課長は、私からコミュニケーションスキルを学べと桐生さんに言ったそうだから、それを修得したら最強ってことじゃねえか。
きっと桐生さんは、そのことに気づいていないのだ。
「あ、そういえばさ、桐生さん。俺、思ったんだけど。さっき墓で話してた三つの謎の話」
桐生さんは私が否定しても納得しなそうだから、別の話に持っていくことにした。
「あれさ、もう一回、いい?」
「一つ目、カエルの折り紙は何のためにあったのか。二つ目、何故結城事務局長が現れたのか。三つめ、どうして『それ』が、わたしと友利さんで、別の姿に見えているか、ということですね」
「そうそう、それ。一つ目のカエルの謎は解決したよな」
「犬飼さんへのお見舞い、ですね」
日常を守るわんわんヒーローの絵が描かれた、カエルの折り紙には、早く家に帰れるようにと言う優しい願いが込められている。
「んで、二つ目な。結城事務局長が現れた理由。これも分かったと思うんだよな」
「亀裂のことを知らせるためだったと?」
その通りだ。
私達は亀裂が大きくなり表面の塗装が割れてめくれて初めて気づいた。
幽霊の結城事務局長はそこまで被害が進行する前から気づいていたからこそ、現れたのかもしれない。
これが二つ目の謎の回答なのではないだろうか。
「今思えば、北階段危ないから、守ってくれてたんだろうなって思うんだよな」
「守る、ですか?」
「桐生さんは普通に歩けてたみたいだけど、俺とか他の人は北階段に使えなかったんだよ。気づいたときには中央階段使ってんだよな。おかしいだろ」
「いまだにそれが理解できないのですが」
「俺だってどうやってたのかなんて、分かんねえんだけどさ。たぶん、無意識のうちに中央階段に行ってたんだろうけど」
「無意識のうちに、ですか」
「それから、これも『たぶん』で申し訳ないんだけど。たぶんさ、北階段が一番危なかったんじゃねえかなって。だけど危ないってことは分かってても、結城事務局長にも地震がいつ来るかとかは分からなくて、人避けしかできなかったんじゃねぇかな」
「……」
桐生さんが無言で私を見ている。
何だよ。
変なこと、言ったか?
「そのようには考えていませんでした」
「桐生さんはどう考えてたんだ?」
「北階段は薄暗いですから、無意識の内に忌避行動をとってしまっているのではないかと考えました。ですから、明確な意思をもって動けば左右されることはないと考えました」
「桐生さんらしい。でも、実際のところは分からないんだけどな」
「では、友利さんの考えが正しいとして。わたしには影響が無かったのはどう言うことだと思われますか?」
「それは桐生さんに結城事務局長が見えてることが影響してんじゃねえかな。もしくは、桐生さんならどうにかしてくれるだろうって思ってたんだと思うけど」
「……それはわたしも考えた事がありました。ですが、今回の事故に関してはわたしがどうにか出来ることはありません。確かに資料は揃えましたが、それだけです」
結城事務局長に怒った桐生さんの姿を思い出す。
桐生さんは結城事務局長を尊敬しているから、アレは辛かったに違いない。
尊敬している人から信頼されて期待されていると思ったら嬉しいじゃないか。桐生さんは無表情で分かりにくいけど、絶対嬉しかったはずなんだよ。それで、できる限りのことをしようとして頑張って、でも、どう考えてもできないことにぶち当たったから――爆発しちゃったんだな。
「どうしてわたしなのだろうと思いました。絹井先生ならもっと動けたのではないでしょうか」
「そりゃ無理だろ。絹井先生はドクターだ。ドクターが働きやすい環境を作ることも俺たちの仕事だぞ」
「確かにそうですが、最終的には頼ってしまったではありませんか」
「それはな……ほかに手段があれば、そっちにしたよ。ま、実のとこ、もっとシンプルに、結城事務局長が絹井先生の前には現れたくなかったんじゃないかなって俺は思ってるんだよね」
「嫌がっていたと?」
「そ。絹井先生を泣かせたくなくて」
「どう言うことです?」
私は北階段での絹井先生の様子を思い出していた。
「絹井先生が結城事務局長の遺体を見つけたって言ってただろ。絹井先生……助ける事ができなかったことの責任を感じているんじゃねえかな。だってさ、待合ホールに飾ってある肖像画って絹井先生が描いたやつだろ」
「そうです。結城事務局長を非常に尊敬していらっしゃいます」
「もし、俺が結城事務局長だったら、そう言う人に自分の遺体を発見させてしまったってことに責任を感じるよ。申し訳なくて顔むけができない」
「そう言うものでしょうか」
「本当のところはわからないけど。桐生さんから見えてる結城事務局長って、今どんな顔してんの?」
「友利さんの発言に頷いています」
「ってことは、これで正解ってことか。それにしても、こえぇな。……マジで幽霊なんだなって実感した」
「今更では?」
「そうなんだけど。俺に見えてるのは猫だからさ」
「桐生さんには猫……それについては、わたしにも仮説があります」
「さむっ……すっかり秋だなあ」
カフェラテのカップをしっかり握って暖をとる。
「あちらのベンチは日向です。構造的に風があたらないので、比較的暖かいかと」
桐生さんが指さす席にそのまま向かう。
言われたとおり、そこは暖かかい。
屋上の植物園はボランティアと一部の入院患者の好意によって成り立っている。
ただし、ここの利用は許可された患者に限られる。アレルギーや感染症に注意が必要な患者は当然出入り禁止だ。
暖かそうな温室も、夕方とあって人はまばらだ。ちょうど、面会時間に入ったところだからかもしれない。
「桐生さん、ひょっとして、屋上に良く来てたりした? 俺、ボランティアさんの関係でしか来たことなくてさ」
「朝のランニングが物足りない時、ここで筋トレすることがあります」
「……ちょっと待て、それって出勤前だよな」
「そうですが」
マジか。
いま座っているベンチは、腹筋をするのによく使う場所という事らしい。
走ってくるだけで精一杯の私とは雲泥の差だ。
「全然関係ないけど、桐生さん、体脂肪どのくらい?」
「今、4%です」
ちょっと反省しよう。
いつの間にか隣を歩いてきたクロネコが、私の足元を一回りしてからぴょいっとベンチに上がる。姿勢良く座っている姿は、このスタイル羨ましいだろうと言わんばかりだ。
このやろう。腹がたつ。
やっぱりササミ肉を買うのはやめよう。
「とりあえずさ。俺たちがやったことは無駄じゃなかったってことだよな――まあ、俺たちっていうか、主に頑張ってくれたのは桐生さんだけど」
ただの事務員の私たちには、何もできない。
そう打ちひしがれもした。
だが、できることをしようと足掻いたら、私たちをきっかけに、大きな流れが生まれた。
私たちには看護師のように患者に寄り添う事も、医師のように直接痛みに立ち向かう事もできないが、それでも、できることがある。
少なくとも、今ここに入院している人たちが安心して治療に臨める環境を作ることはできそうだ。
「友利さん。もし、ご自身の影響が小さなものだったと思っているのであれば……それは違います」
「そんなことねえだろ。桐生さんの資料が効いたんだって課長も言ってたじゃん?」
「絹井先生もおっしゃっていましたが、わたしは、友利さんのお力によるところが大きいと思っています。私は資料を作っただけです。それを……絹井先生を巻き込もうと考え、実際に動いたのは友利さんではありませんか」
「だから、俺は何もしてねえって」
「ひとりでできることには限りがあります。特に私たちのような立場であればなおさらです」
桐生さんはこうと決めたら絶対に譲らないところがある。
お前の手柄だぞ、しっかり受け取れってことか。
でもな、桐生さん。
やっぱり、凄いのは桐生さんだと思うぞ。
「桐生さんが言う事もわかる。事務員って立場弱いし、力もないし」
「だからこそ、友利さんの能力が必要とされるのかもしれません」
「なんだよ、俺の脳力って。スーパーマンじゃねえぞ」
「友利さんは、目的から何が必要なのかを考え、それに最も適した人材をその場所に配置する能力に長けています」
「なんだそりゃ」
「そういう力は、より高いポジションでこそ、活かされます。わたしが得意とする地道な作業などは誰にでも出来るものです。もちろん、スピードや完成度はある程度の違いがあるでしょうが、わたしでなくとも可能です」
「あー……事務局長が俺に似てるって、アレ?」
「絹井先生にも言いましたが、似ていますよ。今、結城事務局長が目の前にいますが、やはりそう思います」
「俺の目にはクロネコに見えるけどな」
この話は平行線だろう。私には、伝説のように語られる事務局長のようなすごい事は何もできない。
庶務課長は、私からコミュニケーションスキルを学べと桐生さんに言ったそうだから、それを修得したら最強ってことじゃねえか。
きっと桐生さんは、そのことに気づいていないのだ。
「あ、そういえばさ、桐生さん。俺、思ったんだけど。さっき墓で話してた三つの謎の話」
桐生さんは私が否定しても納得しなそうだから、別の話に持っていくことにした。
「あれさ、もう一回、いい?」
「一つ目、カエルの折り紙は何のためにあったのか。二つ目、何故結城事務局長が現れたのか。三つめ、どうして『それ』が、わたしと友利さんで、別の姿に見えているか、ということですね」
「そうそう、それ。一つ目のカエルの謎は解決したよな」
「犬飼さんへのお見舞い、ですね」
日常を守るわんわんヒーローの絵が描かれた、カエルの折り紙には、早く家に帰れるようにと言う優しい願いが込められている。
「んで、二つ目な。結城事務局長が現れた理由。これも分かったと思うんだよな」
「亀裂のことを知らせるためだったと?」
その通りだ。
私達は亀裂が大きくなり表面の塗装が割れてめくれて初めて気づいた。
幽霊の結城事務局長はそこまで被害が進行する前から気づいていたからこそ、現れたのかもしれない。
これが二つ目の謎の回答なのではないだろうか。
「今思えば、北階段危ないから、守ってくれてたんだろうなって思うんだよな」
「守る、ですか?」
「桐生さんは普通に歩けてたみたいだけど、俺とか他の人は北階段に使えなかったんだよ。気づいたときには中央階段使ってんだよな。おかしいだろ」
「いまだにそれが理解できないのですが」
「俺だってどうやってたのかなんて、分かんねえんだけどさ。たぶん、無意識のうちに中央階段に行ってたんだろうけど」
「無意識のうちに、ですか」
「それから、これも『たぶん』で申し訳ないんだけど。たぶんさ、北階段が一番危なかったんじゃねえかなって。だけど危ないってことは分かってても、結城事務局長にも地震がいつ来るかとかは分からなくて、人避けしかできなかったんじゃねぇかな」
「……」
桐生さんが無言で私を見ている。
何だよ。
変なこと、言ったか?
「そのようには考えていませんでした」
「桐生さんはどう考えてたんだ?」
「北階段は薄暗いですから、無意識の内に忌避行動をとってしまっているのではないかと考えました。ですから、明確な意思をもって動けば左右されることはないと考えました」
「桐生さんらしい。でも、実際のところは分からないんだけどな」
「では、友利さんの考えが正しいとして。わたしには影響が無かったのはどう言うことだと思われますか?」
「それは桐生さんに結城事務局長が見えてることが影響してんじゃねえかな。もしくは、桐生さんならどうにかしてくれるだろうって思ってたんだと思うけど」
「……それはわたしも考えた事がありました。ですが、今回の事故に関してはわたしがどうにか出来ることはありません。確かに資料は揃えましたが、それだけです」
結城事務局長に怒った桐生さんの姿を思い出す。
桐生さんは結城事務局長を尊敬しているから、アレは辛かったに違いない。
尊敬している人から信頼されて期待されていると思ったら嬉しいじゃないか。桐生さんは無表情で分かりにくいけど、絶対嬉しかったはずなんだよ。それで、できる限りのことをしようとして頑張って、でも、どう考えてもできないことにぶち当たったから――爆発しちゃったんだな。
「どうしてわたしなのだろうと思いました。絹井先生ならもっと動けたのではないでしょうか」
「そりゃ無理だろ。絹井先生はドクターだ。ドクターが働きやすい環境を作ることも俺たちの仕事だぞ」
「確かにそうですが、最終的には頼ってしまったではありませんか」
「それはな……ほかに手段があれば、そっちにしたよ。ま、実のとこ、もっとシンプルに、結城事務局長が絹井先生の前には現れたくなかったんじゃないかなって俺は思ってるんだよね」
「嫌がっていたと?」
「そ。絹井先生を泣かせたくなくて」
「どう言うことです?」
私は北階段での絹井先生の様子を思い出していた。
「絹井先生が結城事務局長の遺体を見つけたって言ってただろ。絹井先生……助ける事ができなかったことの責任を感じているんじゃねえかな。だってさ、待合ホールに飾ってある肖像画って絹井先生が描いたやつだろ」
「そうです。結城事務局長を非常に尊敬していらっしゃいます」
「もし、俺が結城事務局長だったら、そう言う人に自分の遺体を発見させてしまったってことに責任を感じるよ。申し訳なくて顔むけができない」
「そう言うものでしょうか」
「本当のところはわからないけど。桐生さんから見えてる結城事務局長って、今どんな顔してんの?」
「友利さんの発言に頷いています」
「ってことは、これで正解ってことか。それにしても、こえぇな。……マジで幽霊なんだなって実感した」
「今更では?」
「そうなんだけど。俺に見えてるのは猫だからさ」
「桐生さんには猫……それについては、わたしにも仮説があります」
0
あなたにおすすめの小説
熱い風の果てへ
朝陽ゆりね
ライト文芸
沙良は母が遺した絵を求めてエジプトにやってきた。
カルナック神殿で一服中に池に落ちてしまう。
必死で泳いで這い上がるが、なんだか周囲の様子がおかしい。
そこで出会った青年は自らの名をラムセスと名乗る。
まさか――
そのまさかは的中する。
ここは第18王朝末期の古代エジプトだった。
※本作はすでに販売終了した作品を改稿したものです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
橘若頭と怖がり姫
真木
恋愛
八歳の希乃は、母を救うために極道・橘家の門を叩き、「大人になったら自分のすべてを差し出す」と約束する。
その言葉を受け取った橘家の若頭・司は、希乃を保護し、慈しみ、外界から遠ざけて育ててきた。
高校生になった希乃は、虚弱体質で寝込んでばかり。思いつめて、今まで養ってもらったお金を返そうと夜の街に向かうが、そこに司が現れて……。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
ヤクザに医官はおりません
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
彼は私の知らない組織の人間でした
会社の飲み会の隣の席のグループが怪しい。
シャバだの、残弾なしだの、会話が物騒すぎる。刈り上げ、角刈り、丸刈り、眉毛シャキーン。
無駄にムキムキした体に、堅い言葉遣い。
反社会組織の集まりか!
ヤ◯ザに見初められたら逃げられない?
勘違いから始まる異文化交流のお話です。
※もちろんフィクションです。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる