ブラッドゲート〜月は鎖と荊に絡め取られる〜 《軍最強の女軍人は皇帝の偏愛と部下の愛に絡め縛られる》

和刀 蓮葵

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久しぶりの声・・・・・

最後に会ったのは、皇帝からの脅しのような宣戦布告を聞いた時だった。
突然の訪問に、無意識にベッドから飛び降りて駆け出していく。
庵も夜神の方に向かって走り出す。
狭い室内、すぐに二人は抱き合う。
「いおりくん!庵君!」
「大佐・・・凪さん・・・会いたかったです!」

冷たい体・・・・・
きっとベッドの上でずっと膝を抱えていたのだろう。
華奢で、自分の腕にすっぽりと収まる体は冷えていた。温めようと抱きしめる力を強める。
話には聞いていたが、髪の色は元の白色に戻されていて、本当に「白い小鳥」にも見える。

温かい・・・・・
いつの間にか冷えていて体はぬくもりを求めていた。
体温の高い体は心地よくて、もっと温めてほしくて逞しいたくま背中に腕を回す力を強くする。
「庵君・・・・・・逢いたかった。逢いたかったの・・・お願い!抱きしめて。息が詰まるくらい抱きしめて!」
「っ・・・・・・・・」

抱きしめる力を強める。そして、いつの間にか見つめあい、どちらかは分からないが唇を重ねていた。
「んっ・・・・・」
肉厚の舌が、夜神の口内に入り込むと歯列をなぞり、硬口蓋を撫で上げて、舌裏を掠め、舌を絡める。
いつもなら庵の舌の動きに任せている夜神も、拙いながらも舌を絡めていく。
「ふぅ・・・・ん・・・・・」
口の端から二人の混ざった唾液が垂れてくる。けれどそんな事気にする余裕は今の二人にはなかった。
クチュ・・・・・・
唇が離れていく。銀色の透明な橋が掛かり二人の唇を繋げるが、プッと切れていく。

夜神は立っているのも辛くて、庵の胸にもたれながら息を整えようとしていたが、突然体が宙に浮く。
庵が横抱きにして夜神を抱き上げたのだ。
「いおりくん・・・・・」
「すみません。あまり時間がないので・・・藤堂元帥達が頑張って時間を作ってくれたんです。凪さん・・・・愛してますよ。誰よりも」
優しくベッドに降ろされた夜神は庵を目で追った。
その庵は、ベッドに上がり夜神に覆いかぶさる。
「凪さんが欲しいです。誰にも渡したくない!」
「っん・・・・ん、ん・・・・」
もう一度、唇を貪るように重ねていく。寝間着代わりの浴衣の衿元を広げると、下着ごと胸を掴み揉み込まれる。
「ん、んん~~・・・・・ふぁ・・・・・い、おりくん?」
唇が離れると、胸を揉んでいた手が止まっていた。不審に思い呼びかけると、ある一点を凝視している庵を見つけた。

「指輪、ちゃんと手元にあるんですね・・・良かった」
「・・・・・うん。大事な、大事な物だから・・・・・きっと帝國に行けば、すべてを捨てられると分かっていても、最後まで身に付けていたい物だから・・・・・」
庵の指が指輪を撫でていく。少しだけ指が震えているのを感じ取って、そっと自分の指を重ねる。
「庵君・・・・・抱いて?あなたの思いを体に、心に、刻みつけて?いっぱい愛して・・・・・お願い」
「凪っ!!」

庵に名前を呼ばれたと思ったら、首筋に生暖かいものが鎖骨に向かって這いずっていた。
頬に当たる髪が心地よくて、自分から寄せていく。
「ん・・・・・・・お、ねがいがぁるの・・・・」
「言ってください。凪さんのお願いは全て聞きますよ」
「跡を・・・・赤い跡を残して」
「どうして?」
庵は分からなかった。何で跡を残して欲しいのか。
そこには夜神の思いが関係していた。

「帝國では全てを奪われる。きっと指輪さえも・・・・・けど、肌に残った跡までは奪われないから。いずれ消えてしまうのは分かっているけど、少しでも覚えていたいの!庵君に、愛されていた思い出を・・・・だから残して!跡を残して」
帝國に拉致された時は気まぐれなのか、軍服を残されていて、自分の世界に返される時にそれを着ていた。
けど、今度は違う。死ぬまで帝國にいるだろう。長い時間をそこで過ごすことになるかも知れない。
そして、今度は何もかも奪われる。
だから、せめて記憶だけでも残しておきたい「愛されていた」思いを。
薄くなり消えてしまうが少しでも覚えていたい。

「お願い・・・・・んっ!」
鎖骨にチリリと痛みが走る。顔を埋めていた庵の顔がゆっくりと上がり、夜神の目を見る。互いの視線がぶつかり絡み合う。
「分かりました。俺の思いを沢山残します。凪さん、俺も一つだけいいですか?」
「ありがとう。言って・・・・・私で出来ることなら」
「名前を「海斗」って呼んでください。今だけでもいいので。俺の心に刻み込んで下さい」
「うん・・・・・海斗。海斗いっぱい愛して?息ができなくなるくらい溺れたいの!」

普段の夜神からは聞く事がない程、求めるられていることに庵は興奮してしまった。
そして、その興奮のまま手を動かし、顔を夜神の白く吸い付く肌に近づけて何度も繰り返し、赤い花を散らしていく。
浴衣の袖を引き抜き、下着も引き抜きながら肩に、腕に、背中に、腰に跡をつけていく。
その度に「んっ」と声を出し、ビクッと体を震わせる夜神が愛しくて、「もっと、もっと」と駆り立てられる。

大きくて柔らかい胸をグニグニと、形が変わるほど揉んでいきながら、桜色の尖ってしまった粒を口に含むと、チューと音を出しながら吸い上げる
「ひゃぁっ!!」
大きく体を震わせて、庵の背中のシャツを掴む。
吸い付き、舌を押し付けてグリグリとし、円を描くように粒の周りをグルグルと舌が動く。

もう片方の粒は指を使って愛していく。一本の指先でカリカリと引っ掻いていき、グリグリと押し当て、もう一本増えた指同士で、摘み回していく。

異なる胸の刺激に頭はついていかず、ただその刺激に身を任せる事しか出来ず、結果、喘ぐしか出来なかった。
「ん、あぁっ!だめ!海斗っ!!」
「気持ち良くなって下さい。ここにも跡を残しますね」
そう言って胸の膨らみに跡を残す。残しながら浴衣の帯を解いて、はだけさせていく。
お腹周りや臍周りに跡を残しながら、指は下着の上から一番感じてしまう蜜粒をグリグリと押し付ける。

「ああぁぁっ!そこぉ・・・だめ!おかしくなるの!」
「おかしくなって下さい。それにしても下着の上からでも分かるぐらい、濡れてヌルヌルですよ?胸だけで感じました?」
そう言いながらも手を休めることなく、押し付け、動かし続ける。
「んん、ぃわないで!はずか、しから・・・・」
「分かりました」
指は動き続けるが、指摘することは止めて、踝から太腿にかけて、鬱血の跡を残していく。片方が終わるともう片方の足も同じ様に跡を残す。
そして、その唇は太腿の際どい所に跡を残すと、そのまま下着の上から尖らせた舌で、グリグリと押したり、チュと吸い上げたりする。

「ああぁぁ!!」
足を閉じようと動かそうとしたが、庵の両腕が太腿に手をかけてそれを阻止する。
邪魔がなくなったのを確認した庵は、舌と口で蜜粒を攻めていく。

「か、いとぉ・・・・・ぁぁっ、ぅんん━━だめっ!」
「声はなるべく出さないで下さいね?取りますね?」
下着に指を掛けるとスルリと引き抜いていく。
「凪さん?下着がグショグショで糸、引いてましたよ?」
夜神が羞耻で、恥ずかしがるのは分かっていたが、言わずにいられなかった。
案の定赤くなり、涙をためてフルフルと頭を振りながら、小さい声で非難する。

「ぃわないでっ!!意地悪!」
「でも、気持ち良かったんですよね?正直に教えて下さい。凪さん?」
声に出すのは憚られたのか、コクと頷いて返事するのを確認すると、庵は太腿に指を這わしながら続ける。
「もっと、気持ち良くなって下さい。そして忘れないで」

忘れないで下さい。俺が愛したことを。
覚えていて下さい。貴方が愛されていたことを。
体に、心に、魂に全てに刻み込んでいきますから。
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