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視線 後編
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ご主人様の顔が、目の前にあった。
脚を大きく開かされ、秘部をむき出しにした私の、すぐ傍で――
静かに、まるで美術品を観察するように、その目が私を見つめている。
羞恥で目の奥が熱くなる。
けれど、それ以上に、下腹の奥が疼いて仕方がなかった。
「……もっと、奥を掻き混ぜろ。そう、そのまま。……指先の震えも、残さず見せろ」
低く囁くような声が、耳に触れた瞬間、全身がびくりと震えた。
その声が、快感の芯に触れる。
私はご主人様の言葉ひとつで、感じてしまっていた。
「あっ、ああ……っ、やだ……そんなに、見ないで……ご主人様ぁ……っ」
いやらしい水音が、部屋に満ちる。
くちゅ、ぬちゅ、ぐちゅ――指が膣内を掻き回すたび、蜜が溢れ、太腿を伝って革張りの椅子を濡らしていく。
「顔が真っ赤だな。……可愛い。恥ずかしさに耐えながら快感に堕ちていく姿こそ、美しい」
そんなふうに言われて――たまらなかった。
私は、恥ずかしい姿を「美しい」と言ってもらえることに、どこか救われるような悦びを感じてしまう。
羞恥と快楽は、もはや表裏一体だった。
「もっと脚を開け。私は、お前のすべてを見たい」
言われるまま、限界まで太腿を開く。
視線が、ぐい、と突き刺さった。
それだけで、膣内がきゅぅっと収縮し、二本差し入れた指を吸い込んでくる。
「あっ……んんっ……っ! そこっ、奥……あたって……だめ、だめぇっ!」
腰が勝手に動き始める。
ご主人様に見られながら、自分で腰を振っている――それが、たまらなく恥ずかしくて、そして、どうしようもなく気持ちよかった。
「よく見える。濡れたそこが、私の言葉に応えて蠢いている」
冷静に、観察者のように語るご主人様の声。
それに打ち震えるほど、私はもう壊れかけていた。
「んぁ、あっ、ご主人様ぁっ……見て、もっと見てぇ……!」
その瞬間、セイラン様の視線と、私の瞳がぴたりと重なった。
全身が粟立つような衝撃。
達する――その確信が、身体を貫いた。
「絶頂の瞬間、私の目だけを見ろ。……逃げるな」
「っ……はい、ご主人様……っ、あ、あっ、あぁぁぁぁ……!」
膣が、痙攣した。
子宮の奥から突き上げるような波が何度も押し寄せ、私は指を抜くこともできず、ただ快感に呑まれていた。
絶頂の余韻のなか、ご主人様の目は、まだ私を捉えていた。
それが、嬉しくて――また、感じてしまいそうだった。
* * *
――終わった。
絶頂の余韻が、ひどく緩やかに、波のように引いていく。
指先から、熱が逃げていく。
けれど、代わりに心の奥がじんわりと熱を帯びたまま、冷めないまま、焼きついたままだった。
「……っは、ぁ、あ……」
荒く息を吐く私の膝は、今にも崩れそうに震えていた。
革張りの椅子の上、太腿を広げたままの私の姿は、まぎれもなくはしたない女そのものだった。
それを、自覚していた。
視線を感じる。
絶頂の瞬間から一秒も離れず、ご主人様はずっと、私を見ていた。
無言で、冷静に、慈しむように――けれど、決して甘やかしはしない眼差しで。
私は、そっと脚を閉じようとした。けれどそのとき、
「まだだ」
その一言が、空気を貫いた。
ビクリと肩が震える。
指示されなくても閉じてしまったことを、私は怒られたのだ。
……羞恥と、ほんの微かな嬉しさが、同時に胸の奥に落ちる。
ご主人様が、静かに歩み寄ってくる。
私の脚の前で立ち止まり、身を屈めて――白手袋の指で、太腿の裏をすう、と撫でた。
「蜜でぐしゃぐしゃだな。……達した痕が、綺麗に残っている」
その言葉が、まるで愛撫のように身体に響く。
実際には触れていないのに、膣の奥がまたきゅうっと反応する。
恥ずかしい。もう、なにもかもが恥ずかしくて、でも――でも……
「……ご主人様……わたし……はしたなくて、ごめんなさい……でも……」
口からこぼれる声は、言い訳にも、懇願にもならなかった。
言葉にならないものが胸を突き上げて、喉の奥でせき止められる。
けれど、ご主人様は微かに唇の端を持ち上げて言った。
「よくできた。初めてにしては、上出来だ」
それだけだった。
評価としては、あまりにも簡潔すぎる。
けれど――その一言に、私は全身がとろけそうになった。
私は、褒められた。
この身体を曝し、指で自らを慰め、恥を晒し、濡れ、達して――その姿を、あの方は上出来だと言ってくれた。
それが、こんなにも嬉しくて、誇らしいなんて。
羞恥はもう、罰ではなかった。
見られることは、屈辱ではなかった。
それは、唯一無二の悦びだった。
「……ありがとうございました、ご主人様……」
私は、涙のにじんだ瞳でご主人様を見上げた。
そして心の奥で、密かに誓った。
――次はもっと、美しく見せられるように。
もっと淫らで、もっと従順で、もっとご主人様の目にふさわしい私になれるように。
脚を大きく開かされ、秘部をむき出しにした私の、すぐ傍で――
静かに、まるで美術品を観察するように、その目が私を見つめている。
羞恥で目の奥が熱くなる。
けれど、それ以上に、下腹の奥が疼いて仕方がなかった。
「……もっと、奥を掻き混ぜろ。そう、そのまま。……指先の震えも、残さず見せろ」
低く囁くような声が、耳に触れた瞬間、全身がびくりと震えた。
その声が、快感の芯に触れる。
私はご主人様の言葉ひとつで、感じてしまっていた。
「あっ、ああ……っ、やだ……そんなに、見ないで……ご主人様ぁ……っ」
いやらしい水音が、部屋に満ちる。
くちゅ、ぬちゅ、ぐちゅ――指が膣内を掻き回すたび、蜜が溢れ、太腿を伝って革張りの椅子を濡らしていく。
「顔が真っ赤だな。……可愛い。恥ずかしさに耐えながら快感に堕ちていく姿こそ、美しい」
そんなふうに言われて――たまらなかった。
私は、恥ずかしい姿を「美しい」と言ってもらえることに、どこか救われるような悦びを感じてしまう。
羞恥と快楽は、もはや表裏一体だった。
「もっと脚を開け。私は、お前のすべてを見たい」
言われるまま、限界まで太腿を開く。
視線が、ぐい、と突き刺さった。
それだけで、膣内がきゅぅっと収縮し、二本差し入れた指を吸い込んでくる。
「あっ……んんっ……っ! そこっ、奥……あたって……だめ、だめぇっ!」
腰が勝手に動き始める。
ご主人様に見られながら、自分で腰を振っている――それが、たまらなく恥ずかしくて、そして、どうしようもなく気持ちよかった。
「よく見える。濡れたそこが、私の言葉に応えて蠢いている」
冷静に、観察者のように語るご主人様の声。
それに打ち震えるほど、私はもう壊れかけていた。
「んぁ、あっ、ご主人様ぁっ……見て、もっと見てぇ……!」
その瞬間、セイラン様の視線と、私の瞳がぴたりと重なった。
全身が粟立つような衝撃。
達する――その確信が、身体を貫いた。
「絶頂の瞬間、私の目だけを見ろ。……逃げるな」
「っ……はい、ご主人様……っ、あ、あっ、あぁぁぁぁ……!」
膣が、痙攣した。
子宮の奥から突き上げるような波が何度も押し寄せ、私は指を抜くこともできず、ただ快感に呑まれていた。
絶頂の余韻のなか、ご主人様の目は、まだ私を捉えていた。
それが、嬉しくて――また、感じてしまいそうだった。
* * *
――終わった。
絶頂の余韻が、ひどく緩やかに、波のように引いていく。
指先から、熱が逃げていく。
けれど、代わりに心の奥がじんわりと熱を帯びたまま、冷めないまま、焼きついたままだった。
「……っは、ぁ、あ……」
荒く息を吐く私の膝は、今にも崩れそうに震えていた。
革張りの椅子の上、太腿を広げたままの私の姿は、まぎれもなくはしたない女そのものだった。
それを、自覚していた。
視線を感じる。
絶頂の瞬間から一秒も離れず、ご主人様はずっと、私を見ていた。
無言で、冷静に、慈しむように――けれど、決して甘やかしはしない眼差しで。
私は、そっと脚を閉じようとした。けれどそのとき、
「まだだ」
その一言が、空気を貫いた。
ビクリと肩が震える。
指示されなくても閉じてしまったことを、私は怒られたのだ。
……羞恥と、ほんの微かな嬉しさが、同時に胸の奥に落ちる。
ご主人様が、静かに歩み寄ってくる。
私の脚の前で立ち止まり、身を屈めて――白手袋の指で、太腿の裏をすう、と撫でた。
「蜜でぐしゃぐしゃだな。……達した痕が、綺麗に残っている」
その言葉が、まるで愛撫のように身体に響く。
実際には触れていないのに、膣の奥がまたきゅうっと反応する。
恥ずかしい。もう、なにもかもが恥ずかしくて、でも――でも……
「……ご主人様……わたし……はしたなくて、ごめんなさい……でも……」
口からこぼれる声は、言い訳にも、懇願にもならなかった。
言葉にならないものが胸を突き上げて、喉の奥でせき止められる。
けれど、ご主人様は微かに唇の端を持ち上げて言った。
「よくできた。初めてにしては、上出来だ」
それだけだった。
評価としては、あまりにも簡潔すぎる。
けれど――その一言に、私は全身がとろけそうになった。
私は、褒められた。
この身体を曝し、指で自らを慰め、恥を晒し、濡れ、達して――その姿を、あの方は上出来だと言ってくれた。
それが、こんなにも嬉しくて、誇らしいなんて。
羞恥はもう、罰ではなかった。
見られることは、屈辱ではなかった。
それは、唯一無二の悦びだった。
「……ありがとうございました、ご主人様……」
私は、涙のにじんだ瞳でご主人様を見上げた。
そして心の奥で、密かに誓った。
――次はもっと、美しく見せられるように。
もっと淫らで、もっと従順で、もっとご主人様の目にふさわしい私になれるように。
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