ユカの逃走

2章

男の目的

ユカ「ど、どんな場所に行くんですか？」
私は怯えながら尋ねた。
男性N「その前に一つ聞きたいことがある。」
ユカ「何でしょう？」
私は緊張しながらも返事をした。
男性O「君はあの施設で何をしていたんだ？」
ユカ「私はあの施設でマオという人に連れられて監禁されていたんです！」
私は思い出すと怒りが込み上げてきた。
男性P「それは知っている。だが、それだけじゃないだろう？」
ユカ「そ、そんな……。」
私は動揺した。
男性Q「お前はそこで何をされた？」
ユカ「わ、分かりません……。ただ、何かの薬を打たれたり、変なものを食べさせられたりしました……。」
私は嘘をついた。
私がこの施設で壁を蹴った時、
落ちてきた物は謎の薬と注射器だった。
この薬を打ってから私は異常な筋力を付いたのだ。
男性R「そうか……。やはりそうだったのか。」
男性S「間違いないな。」
彼らは納得していた。
男性T「よし、連れて行こう。」
ユカ「待ってください！私はもうあんな所に戻りたくないんです！！」
私は必死に訴えた。
男性U「そう言うと思ってたぜ。だから君のために用意してあるものがある。」
ユカ「私のため……？」
私は疑問に思った。
男性V「そうだ。ほれ、これを使え。」
男性は懐から小さな機械を取り出した。
ユカ「これは一体……。」
私は恐る恐る聞いた。
男性W「こいつは小型カメラだ。これでここの監視施設の映像が見れるんだ。」
ユカ「えっ！？じゃあ今までのことも見られていたんですか！？」
私は恥ずかしくなり顔を赤らめた。
男性Y「そういうことだ。」
ユカ「うぅ……。死にたい。」
私は頭を抱えた。
男性Z「おい、あんまり虐めてやるなよ。困っているじゃないか。」
ユカ「いや、別に構いませんけど……。それよりあなた達が何者か教えてくれますか？」
私は気を取り直して質問した。
男性A「俺らはお前の両親に雇われているんだ。だから心配しなくていいぞ。」
私は驚愕した。私の両親が！？
ユカ「そうなんですか！？両親は今どこにいるんですか？」
私は不安になりながら聞いた。
男性B「それが分からないんだ。今は別行動しているからな。」
ユカ「そうですか……。」
私は少しがっかりしたが、すぐに気を持ち直すと彼らに質問を続けた。
ユカ「それで、ここはどこなんでしょうか？それとあなた達の目的を教えて下さい。」
男性C「ここがどこかという問いには答えられないな。」
ユカ「それじゃあ目的というのは……？」
男性C「それも分からない何故なら俺たちもマオに連れてこれたんだからな」