ユカの逃走

2章

条件

私は驚きのあまり言葉が出なかった。
すると男は口を開いた。
？？？「お前のせいで俺は捕まっちまったんだよ。」
ユカ「どういうことですか？意味がよく分かりません……。」
私は戸惑いながらもなんとか返事をした。
？？？「ふざけやがって……。もういい、死ねぇ！！！」
そう言うと男は引き金を引いた。弾丸が私の胸を貫く。
ユカ「そんな……そんな……うぅ、どうしてこんなことに……。」
薄れゆく意識の中で私は思った。
もう……ダメみたい……。
私は諦めて目を閉じた。
うぅ……あれ？私は死んだんじゃないのかな……？
私は不思議に思いながら目を開けるとそこには見慣れた天井があった。
ここは……？あっ！そういえば私、監禁されてたんだった。
私はベッドから起き上がった。するとドアが開き、一人の女性が入ってきた。
女性「あら、起きたのね。気分はどうかしら？」
大丈夫です。ありがとうございます。
私はお礼を言った。
女性「そう、なら良かったわ。」
彼女は微笑むと部屋から出ていった。その後、私は部屋を調べた。
うん、特に変わったところはないかな。
私はひとまず安心した。すると今度は扉が開いて二人の男性が部屋に入ってくる。
男性A「目が覚めたようだね。」
ユカ「あなた達は誰なんですか？」
私は警戒しながら尋ねた。
男性B「僕たちは君の味方だよ。」
ユカ「そうですか。でもなぜ私のことを知っていたんですか？」
私はさらに質問した。
男性C「君のことをずっと見ていたんだ。」
ユカ「えっ！？じゃあ今までのことは全て見られていたんですか！？」
私は恥ずかしくなり顔を赤らめる。
男性D「そういうことだな。」
ユカ「うぅ……死にたい。」
私は頭を抱えた。
男性E「おい、あんまり虐めてやるなよ。困っているじゃないか。」
ユカ「い、いえ、別に構いませんけど……。それよりあなた達が何者か教えてくれますか？」
私は気を取り直して質問した。
男性F「俺らはお前の両親に雇われているんだ。だから心配しなくていいぞ。」
ユカ「そうなんですか？両親は今どこにいるんですか？」
私は不安になりながら聞いた。
男性G「それが分からないんだ。今は別行動しているいるからな。」
ユカ「そうですか……。」
私は少しがっかりしたが、すぐに気を持ち直すと彼らに質問を続けた。
ユカ「それで、ここはどこなんでしょうか？それとあなた達の目的を教えて下さい。」
男性H「ここがどこかという問いには答えられないな。」
ユカ「それじゃあ目的というのは……？」
男性I「それも言えない。」
ユカ「そ、そんな！私、ここから出たいだけなのに……。」
私は悲しくなって泣きそうになった。
男性J「まあまあ、落ち着けって。ちゃんと出してあげるからさ。」
ユカ「本当ですか？」
私は希望を持った。
男性K「ああ、約束する。」
やった！
私は喜んだ。
男性L「ただし条件がある。」
ユカ「条件……？」
私は首を傾げた。
男性M「そうだ。これから俺たちはお前をある場所に連れて行く。」