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25(R-18)
しおりを挟む「素直なフィオナは可愛いですね」
初めて自分が望んだ官能がゾクゾクと身体を駆け巡る。
わたしは胸を少し突き動かしただけ。彼は手を少しも動かしてもいなかった。
なんの技巧もないただ身体を上下にしただけの拙い動き。けれどそれは紛れもなく自分が渇望していたものであり、胸の尖りは悦びを表すかのように、さらに勃ち上がってしまう。
恥ずかしい、こんなこと止めなければ、と理性が叫ぶ。きっと冷静になれば自分の痴態を後悔することになるだろう。だというのに、一度知った快感に抗う術を見出せなかった。
少し硬い掌に胸を自分から押し付けて、擦り付けた。最初は恐ろしさのほうが勝っていたはずなのに、得られる快楽に悦んだ身体は次第に激しく身体を揺さぶる。
もしかしたら、今のわたしは『いけないことをしている』という背徳行為がスパイスとなって、より乱れてしまっているのかもしれない。
(気持ちいい。もっと欲しい……)
できれば夜着の上からではなく直接肌に触れて欲しい。欲望はどんどんと膨れ上がり、媚びるようにエドモンドを見つめる。
「エドモンド……」
甘い声で彼の名を呼べば、うっそりと微笑まれる。
「凄いな。こんなに効果があるとは思いもしなかった」
吐き捨てられた台詞は小さくて快楽によがるわたしの耳には届かない。しかし、もう一度彼が居る前で助けを求めれば、満足そうに目を細められた。
「エドモンド。助けて……」
「ええ。良いですよ。何が欲しいんです?」
「もっと、ちゃんと触って。直接肌に触れて欲しいの」
「僕から触って良いんですか?」
「良いから。もうちょうだい」
平静であればきっと自分から殿方を望むことなんか出来なかっただろう。ろくに呂律も回らなくなってきた口で強請る浅ましい言葉。こんな痴態絶対に恥ずべきことなのに、得られた快楽を手放したくなくて、必死に彼に懇願する。
「……もう良い頃合いでしょう」
手際良く夜着と腕の拘束も解かれる。彼の眼前で一糸纏わぬ姿になったというのに、隠そうとは思わない。反対に早く触って欲しくて、自分から彼の腕を胸に導く。けれど彼は動かすこともなく、ある提案をしてきたのだ。
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