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王宮のパーティー1
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はあ、ともう数えるのもバカらしくなるくらい短い時間でため息をついた。
持っていたグラスに入っている果汁をまた飲み、とうとう中身は空になった。
招待された王宮のパーティーにやってきた。
お父様が教えてくれたが、このパーティーは3ヶ月に1度開催されるらしいが、私に来たのはひと月前。
貴族の婚約については全て王宮で把握出来されているため、婚約破棄されたから招待が来たのだろう。
要らない素早さだ。
はあ、とまたため息が出た。
こんな事なら友達に連絡すればよかった、と煌びやかなパーティーをぼんやりの見ながら思った。
パーティーはとても豪華で、老若男女の貴族の方々が楽しく談笑し楽しそうだ。
もうすぐダンスが始まり、メインの王子と王女が登場する予定だ。誰もがまだかまだかとソワソワしているのがわかった。
参加者は総勢200人以上いる、かなり大掛かりなパーティーだ。
お陰で何処かに友人が居るだろうが探せやしない。ウロウロするのも何だか恥ずかしいし、やる気がないだけに億劫だ。
あるあるだが、初めて来た場所だと周りの人達はとても詳しそうに見えて、仲間に入れてくれそうになくて、つい壁の花となってしまう。
現に、男女が集まって賑やかに談笑しているのが幾つもあるし、そのまわりでウロウロと困っている人達がいる。
でも、困ってる人や、壁の花に声をかける気もない。
だって、声をかけてどうするの?
人の輪に入れない性格だ。話しかけてもお互い気を遣うだけなら、ひとりがいい。
まあ、それでもいいかな、とホールの端に置かれている軽食、フルーツ、デザート、飲み物、等などを見て、思った。
家では絶対に口にできない、手の込んだ食べ物が並んでいる。
どれも美味しくて、色々食べてしまった。
だが、お腹いっぱいになると、暇になる。
帰りたいけど、ここで帰ったら、家宅が早いと、心配されそうで、もう少し時間潰さないとなあ、と思うとまた、ため息が出た。
「何だ、スティールも来ていたのか」
不意に聞いた事のある声が隣から聞こえた。
見なくても分かる。
「グレンも来ていたの?」
声のする方を、とりあえず微笑みながら向くと、チュールの誕生日でエスコートした女性とも、庭で密通していた女性とも違うが、どこかで見た女性と腕を組み爽やかに立っていた。
髪を切ったのだろうか、茶色のふわふわした髪がより、軽やかに動き、大きな赤茶色の瞳がキラキラして、顔も可愛らしいいつものグレンだ。
外見はいいが、中身がねぇ。
一緒にいる胸の大きな色っぽい女性だ。
なるほどな。グレンはスタイルのいい女性が好きなのか、と今更知ったが、程々の私には、既にそこから好みではなかったのかもしれない。
「なぁに、この人。また、グレンの追っかけ?」
「違うわ」
睨んでくる女性に、そんな人と同じに見られたくないとに即答したら、グレンが、とても、悲しそうな顔をした。
「ごめんなスティール、僕が君に興味を持てなかったんだ。そんなに睨まないでくれよ、ごめんね。わざわざ僕の周りにいる女性達と違うようにわざと地味に、あ、違うか、君は元々地味だったね。ともかく、僕の気を引こうと努力してくれていたのは知ってるけど、ごめんね、僕の気持ちが全く動かなかったんだ」
まくし立て、何度も謝るグレンに、呆気に取られた。
今、なんて言った?
持っていたグラスに入っている果汁をまた飲み、とうとう中身は空になった。
招待された王宮のパーティーにやってきた。
お父様が教えてくれたが、このパーティーは3ヶ月に1度開催されるらしいが、私に来たのはひと月前。
貴族の婚約については全て王宮で把握出来されているため、婚約破棄されたから招待が来たのだろう。
要らない素早さだ。
はあ、とまたため息が出た。
こんな事なら友達に連絡すればよかった、と煌びやかなパーティーをぼんやりの見ながら思った。
パーティーはとても豪華で、老若男女の貴族の方々が楽しく談笑し楽しそうだ。
もうすぐダンスが始まり、メインの王子と王女が登場する予定だ。誰もがまだかまだかとソワソワしているのがわかった。
参加者は総勢200人以上いる、かなり大掛かりなパーティーだ。
お陰で何処かに友人が居るだろうが探せやしない。ウロウロするのも何だか恥ずかしいし、やる気がないだけに億劫だ。
あるあるだが、初めて来た場所だと周りの人達はとても詳しそうに見えて、仲間に入れてくれそうになくて、つい壁の花となってしまう。
現に、男女が集まって賑やかに談笑しているのが幾つもあるし、そのまわりでウロウロと困っている人達がいる。
でも、困ってる人や、壁の花に声をかける気もない。
だって、声をかけてどうするの?
人の輪に入れない性格だ。話しかけてもお互い気を遣うだけなら、ひとりがいい。
まあ、それでもいいかな、とホールの端に置かれている軽食、フルーツ、デザート、飲み物、等などを見て、思った。
家では絶対に口にできない、手の込んだ食べ物が並んでいる。
どれも美味しくて、色々食べてしまった。
だが、お腹いっぱいになると、暇になる。
帰りたいけど、ここで帰ったら、家宅が早いと、心配されそうで、もう少し時間潰さないとなあ、と思うとまた、ため息が出た。
「何だ、スティールも来ていたのか」
不意に聞いた事のある声が隣から聞こえた。
見なくても分かる。
「グレンも来ていたの?」
声のする方を、とりあえず微笑みながら向くと、チュールの誕生日でエスコートした女性とも、庭で密通していた女性とも違うが、どこかで見た女性と腕を組み爽やかに立っていた。
髪を切ったのだろうか、茶色のふわふわした髪がより、軽やかに動き、大きな赤茶色の瞳がキラキラして、顔も可愛らしいいつものグレンだ。
外見はいいが、中身がねぇ。
一緒にいる胸の大きな色っぽい女性だ。
なるほどな。グレンはスタイルのいい女性が好きなのか、と今更知ったが、程々の私には、既にそこから好みではなかったのかもしれない。
「なぁに、この人。また、グレンの追っかけ?」
「違うわ」
睨んでくる女性に、そんな人と同じに見られたくないとに即答したら、グレンが、とても、悲しそうな顔をした。
「ごめんなスティール、僕が君に興味を持てなかったんだ。そんなに睨まないでくれよ、ごめんね。わざわざ僕の周りにいる女性達と違うようにわざと地味に、あ、違うか、君は元々地味だったね。ともかく、僕の気を引こうと努力してくれていたのは知ってるけど、ごめんね、僕の気持ちが全く動かなかったんだ」
まくし立て、何度も謝るグレンに、呆気に取られた。
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