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北部の物資について3
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「落ち着いて下さいよ。身体が大きいと声も大きいですから、こちらが説明したくともしずらいくなります。ガルマン侯爵様の声に我々の声が消えてしまいます。大丈夫ですか?今、私の声が聞こえていますか?いつもご自分の声が脳に響いているようですから、我々がどれだけ説明しても脳に届かないようですからね」
腕を組んだまま、肩を竦め、はあ、と大きく溜息をつく公爵子息に、同然いい気分になるわけが無い。
この人、人の揚げ足取るのも美味いが、逆撫でするのも上手い。
絶対に関わりたくない人だ。
「なんだと!?貴様、誰に向かって話をしている!!」
「ガルマン侯爵様、でございますよ。そのような出で立ちの方がこの世に2人もいるはずがないでしょう?今のように子供のようなつまらない質問をするのが、ガルマン侯爵様、というのも知ってますよ」
やれやれ、と今度は首を振る。
「相も変わらず口の減らんやつだ!それだけ吠えるという事は私を納得させる策があるというのだな!?」
「当たり前でしょうが。吠えるなら、私よりもガルマン侯爵様の方でしょう?先程からギャンギャンと大喚きして、耳が痛くて仕方ありません。全く、ここは部屋の中でよす。父上の言う通りですね、場を考えない、方だとね」
「ヴェルディが何を言った!!」
逆鱗に触れた、とはこの事だ。
この後おふたりの争議が始まり、その中でヴェルディ公爵様の名前が何度も出てきて、ガルマン侯爵様とヴェルディ公爵様が犬猿の中だと否応にもわかった。
そして公爵子息が公爵様に瓜二つのようで、より、癪に触るみたいだった。
「ふ、ふたりとも!それぐらいにしないか!!」
暫く2人の言い合いをしていたが、アトラス王子が震える声で大きな声を出し、やっと話しが先に進んだ。
「これは、殿下、不粋なヴェルディ公爵子息が、余計な事を言いましたので、つい腹を立ててしまいました。見苦しい所を見せてしまい申し訳ありません」
背筋を伸ばし深深と頭を下げるガルマン侯爵様は、先程言い争いしていたと思えない程、静かな声で頭を下げた。
さすがに王子に対して無礼な態度と感情は出さないのだろう。
それに、殿下、か。もしかして、その呼び名の方が適切なのだろうか、と一瞬考えたが、直ぐに一蹴した。
だって、関わる事がない人だもんね。
「申し訳ありません、殿下。父の旧友がわざと幼稚な事ばかりを口にするので、それについ乗ってしまいました」
ずっと座っていたが、すっと立ち上がり頭を下げたが、2人の言葉を聞く限り、一触即発だ。
「ともかく、これでは話しが進まない。わざわざキルギス子爵様とその御息女に御足労を願ったのだ。会議を進めたい」
アトラス王子は、必死さがとても伝わる慌てた声で言い、2人に座るように促した。
「殿下その通りでございます。ですがこの青二才が余計な事ばかりを言って、説明をしないのが原因でございます」
「おや、何を仰っます。私は資料を目の前に用意しているにも関わらず1枚もめくりもしない、ガルマン侯爵様の目の悪さが問題ではないかと思います」
「もういいから、進めるんだ!!座れ2人とも!!」
本当に、
ですよねえ、です。
心中お察ししますよ。アトラス王子。
「はぁ。イグニスお茶を入れ替えてくれ。トランタ、話を始めてくれ。ガルマン侯爵も質問は後で聞きますから、静かに聞いてください!」
なんだかアトラス王子が可哀想に見えてくる程、声が上ずっていた。
腕を組んだまま、肩を竦め、はあ、と大きく溜息をつく公爵子息に、同然いい気分になるわけが無い。
この人、人の揚げ足取るのも美味いが、逆撫でするのも上手い。
絶対に関わりたくない人だ。
「なんだと!?貴様、誰に向かって話をしている!!」
「ガルマン侯爵様、でございますよ。そのような出で立ちの方がこの世に2人もいるはずがないでしょう?今のように子供のようなつまらない質問をするのが、ガルマン侯爵様、というのも知ってますよ」
やれやれ、と今度は首を振る。
「相も変わらず口の減らんやつだ!それだけ吠えるという事は私を納得させる策があるというのだな!?」
「当たり前でしょうが。吠えるなら、私よりもガルマン侯爵様の方でしょう?先程からギャンギャンと大喚きして、耳が痛くて仕方ありません。全く、ここは部屋の中でよす。父上の言う通りですね、場を考えない、方だとね」
「ヴェルディが何を言った!!」
逆鱗に触れた、とはこの事だ。
この後おふたりの争議が始まり、その中でヴェルディ公爵様の名前が何度も出てきて、ガルマン侯爵様とヴェルディ公爵様が犬猿の中だと否応にもわかった。
そして公爵子息が公爵様に瓜二つのようで、より、癪に触るみたいだった。
「ふ、ふたりとも!それぐらいにしないか!!」
暫く2人の言い合いをしていたが、アトラス王子が震える声で大きな声を出し、やっと話しが先に進んだ。
「これは、殿下、不粋なヴェルディ公爵子息が、余計な事を言いましたので、つい腹を立ててしまいました。見苦しい所を見せてしまい申し訳ありません」
背筋を伸ばし深深と頭を下げるガルマン侯爵様は、先程言い争いしていたと思えない程、静かな声で頭を下げた。
さすがに王子に対して無礼な態度と感情は出さないのだろう。
それに、殿下、か。もしかして、その呼び名の方が適切なのだろうか、と一瞬考えたが、直ぐに一蹴した。
だって、関わる事がない人だもんね。
「申し訳ありません、殿下。父の旧友がわざと幼稚な事ばかりを口にするので、それについ乗ってしまいました」
ずっと座っていたが、すっと立ち上がり頭を下げたが、2人の言葉を聞く限り、一触即発だ。
「ともかく、これでは話しが進まない。わざわざキルギス子爵様とその御息女に御足労を願ったのだ。会議を進めたい」
アトラス王子は、必死さがとても伝わる慌てた声で言い、2人に座るように促した。
「殿下その通りでございます。ですがこの青二才が余計な事ばかりを言って、説明をしないのが原因でございます」
「おや、何を仰っます。私は資料を目の前に用意しているにも関わらず1枚もめくりもしない、ガルマン侯爵様の目の悪さが問題ではないかと思います」
「もういいから、進めるんだ!!座れ2人とも!!」
本当に、
ですよねえ、です。
心中お察ししますよ。アトラス王子。
「はぁ。イグニスお茶を入れ替えてくれ。トランタ、話を始めてくれ。ガルマン侯爵も質問は後で聞きますから、静かに聞いてください!」
なんだかアトラス王子が可哀想に見えてくる程、声が上ずっていた。
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