文字の大きさ
大
中
小
229 / 650
本編
530 諸作業を終えるとともに
さてと、まずは状況報告から行おう。
俺のことを嗅ぎ回っていた密偵たちの状況はと言うと……。
1週間程経った今でも継続して収容中だ。
C.Bファクトリーの研究職は、オカロがプレゼンを兼ねた説得を試みている。
これには乗らなくてもいいけど、乗ったらC.Bの戦力を大きく削げるからね。
デプリや教団関係から俺の元に送られた、一部C.Bファクトリーにも手を貸していた暗殺者。
こいつらに関しては、1日3食高カロリーな物をしっかり与えて運動もさせず、少し太らせた。
運動も禁止にして、していたら収容所を管轄する王室諸君が叱り、食事を質素にしている。
何が目的かと言うと、単純に動きを鈍らせたり堕落させたりすることだ。
心が脆いタイプの暗殺者は、堕落すると中々這い上がって来れないし、他の任務を受けて死ぬ。
それを想定して、ザ・ニート暗殺者製造計画と言うやつだな。
事前にINT6万越えのイグニールに「誰々」口撃を行ってもらうとなお堕落して良し。
次に、それでも折れないよく訓練されたタイプの暗殺者。
そいつらに関しては、こっちから高い報酬を買収することにした。
教団の支払いよりも3倍多い値段を提示し、前金3分の1、あとは密偵が終わり次第支払う。
先見の目のあるものならば、拘束された時点で俺に交渉を持ちかけて来ることもあった。
散々嗅ぎ回られたのだから、今度は逆転の発想として向こうを嗅ぎ回ってもらおうと思う。
もし任務に失敗しても、すでに教団から受け取るであろう報酬は受けているから逃げればいい。
やはり、金の力は偉大だった。
捕まって買収されそうになっても、偽の情報を流させることも契約として交わしておく。
プロ意識を持った連中ならば、しっかりやってくれるだろうし、金は払うぞ。
もっとも、デプリや教団から高度に洗脳された暗殺者も中にはいた。
最初から心が壊れているのかずっとニヤニヤしている。
そういう奴らに対しては、俺の元いた世界で三大珍味とされているフォアグラだ。
安いフォアグラを作る業者のように、無理やり飯だけ流し込んで肥えさせている。
暗殺者は、生活習慣病にかかってしまえばいいと思うんだよねー?
さて次。
諸外国の密偵には、次捕まったらどうなるかはわからないことを告げて解放。
密偵ではなく、普通に手紙をギルド経由で俺に送付しろってことにしておいた。
何か言いたいことがあれば聞くし、繋がりを求めているなら直接会いに来い。
そろそろ裏に隠れてコソコソするのも止めにする時が来たのかもしれないな。
「ふう、一通り今日で終わったな……」
「アォン」
自室に戻ってポチを抱っこし、もふもふボディをぎゅっと抱きしめる。
これが俺唯一の癒しだ。
時たまキングさんが言うにはスライム界のアイドルらしいチロルも出して抱いて寝る。
それが今の俺のブームでもあった。
ひんやりしてて気持ちいのだよ、チロルに関しては。
夏場はチロルで決まりだな、とも思うのだけど、ダンジョン部屋は常に一定の温度。
そもそも寒さ対策も暑さ対策も、何もいらない高性能だった。
「ポチもご苦労さん、これだけの人数の料理を準備するのは中々骨が折れたよな?」
「ォン」
俺の言葉にふるふると首を振るポチ。
途中で水島やパインのおっさんが手伝ってくれたからなんとかこなせたらしい。
みんな過密スケジュールの中でよくやってくれている。
イグニールは引き続きオカロ、オスロー、マイヤーの護衛役。
一応ギリス首都を全体的にさらっと調べたけど。
こういう事態を想定して、隠れることに全力を出した暗殺者がいるかもしれない。
暗殺者や、きな臭くてでかい集団と国に対しては、かもしれないが大事なのだ。
「ふんふんふーん」
ベッドで座る俺の脇で、ジュノーが自分用の小さなリュックに荷物を詰めている。
何をしているかというと、明日から行われる学院のイベントの準備らしい。
今の時期、あまりギリス首都を離れるのは良くないのだが……。
依頼だから行かざるを得ないんだよな、リゾートアイランド・オデッセイ。
そのために、一旦研究所や製作所をもぬけの殻にして閉鎖した。
全ての設備は研究資料などを、俺のインベントリ経由でダンジョン内に安置。
その間、研究者にはウィンスト護衛の元、トガルへ国外旅行に行ってもらう。
研究者の家族とか、丸ごと全部の経費は俺負担なんだけど、致し方なし。
全てが丸く収まれば、あとはしっかり働いて結果を出してくれればいい。
謀略ごととか、相手から攻撃を受けない交渉は難しいからね……。
手元にある全部を守る方法といったら、金を使ってみんなを逃すこと。
そして友人であるウィンストに護衛を頼むことしかできなかった。
非常に手間がかかるので、早くデプリに暗殺者を返して、C.Bファクトリーも潰したい。
「アォン」
「え? オデッセイにいる最中の収容所の飯はどうするのかって?」
「ォン」
「残って作る係をしてもいい? いやいや、ポチは来ないとダメだよ」
行きと帰りの移動も含めて十日間の日程なんだけど。
その間、俺がポチから離れたままなのは絶対に許さない。
こういうのはみんなで行かないといけないからね。
「パインのおっさんが引き受けてくれるっていってたから大丈夫だ」
この状況を見越して頼みにいってみると、おっさんは快諾してくれた。
色々とお世話になってるから、任せてくれとのこと。
現状かなり多い人数を収容しているのだが、俺ならできると豪語していた。
お世話になっているのは俺の方なんだがな……。
まったく、人が良すぎるよおっさん。
報酬はいらないというが、お金やクサイヤチーズなどの珍味を渡すことにしている。
こうして協力してくれる人がいることは、本当にありがたいことだった。
「アォン……?」
「心配しなくても、オデッセイにいる間は港町のドアしか開放しないから、変な奴が来ることもない」
「そうだしポチ。トウジとあたしでこのダンジョンも少し大きくして防衛固めたんだし!」
「うん、ジュノーの言葉通りだ」
そういう時のために、並行してダンジョンの拡張も行なった。
ガーディアンの数を揃えて、パインのおっさんの言葉を聞くようにしている。
おかげで日課も何も全くできない日々が続いてしまったのは痛いけどな。
「息抜きも必要だから全員で楽しもう」
オデッセイにはパーティーとしてイグニールも行けるようにしている。
みんな揃って全員で、これが一番だ。
入島するのにも厳しい審査があって、実は安全な場所なのである。
もちろん、エルカリノの縄張りである海域に近い場所に存在するから、その懸念もあった。
しかし、逆に潰しに行く良い機会だとして、俺は見ている。
「よし、みんなももう寝ているし、明日の出発備えて早く寝るぞ」
「はーい!」「アォン」
「つーかジュノーは別にリュックとか必要なくないか? ストレージあるだろ?」
「気分だし!」
俺のことを嗅ぎ回っていた密偵たちの状況はと言うと……。
1週間程経った今でも継続して収容中だ。
C.Bファクトリーの研究職は、オカロがプレゼンを兼ねた説得を試みている。
これには乗らなくてもいいけど、乗ったらC.Bの戦力を大きく削げるからね。
デプリや教団関係から俺の元に送られた、一部C.Bファクトリーにも手を貸していた暗殺者。
こいつらに関しては、1日3食高カロリーな物をしっかり与えて運動もさせず、少し太らせた。
運動も禁止にして、していたら収容所を管轄する王室諸君が叱り、食事を質素にしている。
何が目的かと言うと、単純に動きを鈍らせたり堕落させたりすることだ。
心が脆いタイプの暗殺者は、堕落すると中々這い上がって来れないし、他の任務を受けて死ぬ。
それを想定して、ザ・ニート暗殺者製造計画と言うやつだな。
事前にINT6万越えのイグニールに「誰々」口撃を行ってもらうとなお堕落して良し。
次に、それでも折れないよく訓練されたタイプの暗殺者。
そいつらに関しては、こっちから高い報酬を買収することにした。
教団の支払いよりも3倍多い値段を提示し、前金3分の1、あとは密偵が終わり次第支払う。
先見の目のあるものならば、拘束された時点で俺に交渉を持ちかけて来ることもあった。
散々嗅ぎ回られたのだから、今度は逆転の発想として向こうを嗅ぎ回ってもらおうと思う。
もし任務に失敗しても、すでに教団から受け取るであろう報酬は受けているから逃げればいい。
やはり、金の力は偉大だった。
捕まって買収されそうになっても、偽の情報を流させることも契約として交わしておく。
プロ意識を持った連中ならば、しっかりやってくれるだろうし、金は払うぞ。
もっとも、デプリや教団から高度に洗脳された暗殺者も中にはいた。
最初から心が壊れているのかずっとニヤニヤしている。
そういう奴らに対しては、俺の元いた世界で三大珍味とされているフォアグラだ。
安いフォアグラを作る業者のように、無理やり飯だけ流し込んで肥えさせている。
暗殺者は、生活習慣病にかかってしまえばいいと思うんだよねー?
さて次。
諸外国の密偵には、次捕まったらどうなるかはわからないことを告げて解放。
密偵ではなく、普通に手紙をギルド経由で俺に送付しろってことにしておいた。
何か言いたいことがあれば聞くし、繋がりを求めているなら直接会いに来い。
そろそろ裏に隠れてコソコソするのも止めにする時が来たのかもしれないな。
「ふう、一通り今日で終わったな……」
「アォン」
自室に戻ってポチを抱っこし、もふもふボディをぎゅっと抱きしめる。
これが俺唯一の癒しだ。
時たまキングさんが言うにはスライム界のアイドルらしいチロルも出して抱いて寝る。
それが今の俺のブームでもあった。
ひんやりしてて気持ちいのだよ、チロルに関しては。
夏場はチロルで決まりだな、とも思うのだけど、ダンジョン部屋は常に一定の温度。
そもそも寒さ対策も暑さ対策も、何もいらない高性能だった。
「ポチもご苦労さん、これだけの人数の料理を準備するのは中々骨が折れたよな?」
「ォン」
俺の言葉にふるふると首を振るポチ。
途中で水島やパインのおっさんが手伝ってくれたからなんとかこなせたらしい。
みんな過密スケジュールの中でよくやってくれている。
イグニールは引き続きオカロ、オスロー、マイヤーの護衛役。
一応ギリス首都を全体的にさらっと調べたけど。
こういう事態を想定して、隠れることに全力を出した暗殺者がいるかもしれない。
暗殺者や、きな臭くてでかい集団と国に対しては、かもしれないが大事なのだ。
「ふんふんふーん」
ベッドで座る俺の脇で、ジュノーが自分用の小さなリュックに荷物を詰めている。
何をしているかというと、明日から行われる学院のイベントの準備らしい。
今の時期、あまりギリス首都を離れるのは良くないのだが……。
依頼だから行かざるを得ないんだよな、リゾートアイランド・オデッセイ。
そのために、一旦研究所や製作所をもぬけの殻にして閉鎖した。
全ての設備は研究資料などを、俺のインベントリ経由でダンジョン内に安置。
その間、研究者にはウィンスト護衛の元、トガルへ国外旅行に行ってもらう。
研究者の家族とか、丸ごと全部の経費は俺負担なんだけど、致し方なし。
全てが丸く収まれば、あとはしっかり働いて結果を出してくれればいい。
謀略ごととか、相手から攻撃を受けない交渉は難しいからね……。
手元にある全部を守る方法といったら、金を使ってみんなを逃すこと。
そして友人であるウィンストに護衛を頼むことしかできなかった。
非常に手間がかかるので、早くデプリに暗殺者を返して、C.Bファクトリーも潰したい。
「アォン」
「え? オデッセイにいる最中の収容所の飯はどうするのかって?」
「ォン」
「残って作る係をしてもいい? いやいや、ポチは来ないとダメだよ」
行きと帰りの移動も含めて十日間の日程なんだけど。
その間、俺がポチから離れたままなのは絶対に許さない。
こういうのはみんなで行かないといけないからね。
「パインのおっさんが引き受けてくれるっていってたから大丈夫だ」
この状況を見越して頼みにいってみると、おっさんは快諾してくれた。
色々とお世話になってるから、任せてくれとのこと。
現状かなり多い人数を収容しているのだが、俺ならできると豪語していた。
お世話になっているのは俺の方なんだがな……。
まったく、人が良すぎるよおっさん。
報酬はいらないというが、お金やクサイヤチーズなどの珍味を渡すことにしている。
こうして協力してくれる人がいることは、本当にありがたいことだった。
「アォン……?」
「心配しなくても、オデッセイにいる間は港町のドアしか開放しないから、変な奴が来ることもない」
「そうだしポチ。トウジとあたしでこのダンジョンも少し大きくして防衛固めたんだし!」
「うん、ジュノーの言葉通りだ」
そういう時のために、並行してダンジョンの拡張も行なった。
ガーディアンの数を揃えて、パインのおっさんの言葉を聞くようにしている。
おかげで日課も何も全くできない日々が続いてしまったのは痛いけどな。
「息抜きも必要だから全員で楽しもう」
オデッセイにはパーティーとしてイグニールも行けるようにしている。
みんな揃って全員で、これが一番だ。
入島するのにも厳しい審査があって、実は安全な場所なのである。
もちろん、エルカリノの縄張りである海域に近い場所に存在するから、その懸念もあった。
しかし、逆に潰しに行く良い機会だとして、俺は見ている。
「よし、みんなももう寝ているし、明日の出発備えて早く寝るぞ」
「はーい!」「アォン」
「つーかジュノーは別にリュックとか必要なくないか? ストレージあるだろ?」
「気分だし!」
感想 9,840
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
「お前さえいなければ」と言われたので死んだことにしてみたら、なぜか必死で捜索されています(旧:いらないと言ったのはあなたの方なのに)
水谷繭※7/30書籍発売予定です!6/29まで公開します。
完結まで一括投稿済。
なろうの方では削除する予定はありませんので、読み途中たけれど読みきれないという場合はそちらでお願いします☺️
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。
セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。
エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。
ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。
しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。
◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました
◆小説家になろうにも投稿しています
凱旋した英雄は聖女を選びました。~冬の補給路を守っていた私は静かに軍を去ります~
握夢(グーム)「君は後方にいただけだ」――
凱旋した英雄の婚約者からそう切り捨てられた私は、
静かに軍を辞職しました。
――冬の補給路管理。
――兵糧配分。
――医薬品輸送。
――損耗率管理。
全部、私の仕事だったのですが。
三週間後、
王国軍は補給崩壊。
「なぜ食糧が届かない!」
「なぜ兵が飢える!」
……逆にお聞きしますが、
今まで“なぜか全部上手く回っていた”理由を、
一度でも考えたことはありましたか?
これは、
誰にも評価されなかった兵站官(へいたんかん)が、
隣国の辺境伯にだけ価値を見抜かれ、
人生を取り戻す物語。
今更「戻ってきてくれ」と泣きつかれても、
私は隣国の最高機密ですので――!
真の皇帝は俺です ~面倒だから幼なじみに帝位を任せていたら、婚約者に捨てられました。正体を明かしたら全員後悔してももう遅い~
由香皇帝の仕事が面倒だったレインは、信頼する幼なじみアレクシスに表向きの皇帝を任せ、自身は陰から帝国を支えていた。
だがある日、婚約者エミリアは「権力も将来性もない」と彼を見限り婚約破棄を宣言する。
しかし彼女は知らなかった。
帝国を動かしていた真の支配者が誰なのかを。
これは全てを持ちながら隠していた男と、見るべきものを見失った者たちの後悔の物語。
悪役令嬢ですが、兄たちが過保護すぎて恋ができません
由香乙女ゲームの悪役令嬢・セレフィーナに転生した私。
破滅回避のため、目立たず静かに生きる――はずだった。
しかし現実は、三人の兄による全力溺愛&完全監視生活。
外出には護衛、交友関係は管理制、笑顔すら規制対象!?
さらに兄の親友である最強騎士・カインが護衛として加わり、
静かで誠実な優しさに、次第に心が揺れていく。
「恋をすると破滅する」
そう信じて避けてきた想いの先で待っていたのは、
断罪も修羅場もない、安心で騒がしい未来だった――。
処刑されるはずだった没落令嬢ですが、姫様の初夜を身代わりしたら子を授かりました
新 星緒没落伯爵令嬢のエルゼは大恩がある姫様を救うために、初夜の身代わりを引き受ける。
そして姫様や国を守るために誰にも行く先を告げずに国を去った。
三年後。初夜の晩に息子ヴァルターを授かっていたエルゼは、ひっそりと暮らしていた。ところが元婚約者に拉致られて、あわやというところに初夜の相手であるハインツ王子が現れる。
「ようやく見つけた。エルゼ、愛している」
「初夜の相手が君だと最初からわかっていたが?」
――身代わり初夜から始まる、純愛溺愛執着愛のお話!