装備製作系チートで異世界を自由に生きていきます

tera

文字の大きさ
246 / 650
本編

547 エルカリノ討伐戦・1 大海原へ、海賊たちと


 コレクトとジュノーがあれからいろんな台を回って荒稼ぎして俺はカリプソに呼ばれた。
 なんなのもー腹いせー? と言うカリプソに一泡吹かせてやった感はすごく楽しいものである。
 でかしたぞ、コレクトそしてジュノー。

 カジノの後は、みんなでライトアップされたプールで遊んだりと楽しい時間を過ごした。
 昼間は監督員としてずっと座っていた俺も、お酒を嗜みながら水に入る。
 その後、明日の準備を整えて就寝、そして起床し今に至るのだ。
 俺の部屋に来ていたイグニールに言う。

「今回、俺は単騎でエルカリノと戦うんだけど、その間、ライデンたちとマイヤーの警護は頼める?」

「私もトウジと行くつもりだったけど、仕方ないわね」

「すまんね」

 カリプソと会った時に聞いたのだが、何も本当に単騎で行かせるつもりはないらしい。
 コレクトが何やら船が島の裏手に集まっている情報。
 あれは、対エルカリノに合わせて集めた元オデッセイ海賊団の連中だった。
 現職はダンジョンリゾート・オデッセイの従業員。

 どうやら、カリプソは本当に海賊団からリゾート施設経営者に乗り換えたようだ。
 その縁もあって、元海賊という立場を払拭すべくために、大海賊を討つこの依頼へ参加する。
 それを加味すると、依頼料は割高である、と考えてもよかった。

 俺の「なぜダンジョンにリゾートを」という疑問については戦い後に教えてくれる。
 あなたもダンジョンコアと仲良しだけど、私もそうなのよね、って言葉をもらった。
 つまりは、そう言うことらしい。

 俺以外にもダンジョンコアとつながっている人はちらほらいるようだ。
 知る限りだと、パインのおっさんもそのうち一人なんだしね。
 敵だ敵だとしていたが、そういう繋がりならば気になることもあるし仕方がないことなのかもしれない。
 ま、全てはエルカリノを倒してからの話だな。

「じゃ、行ってくる」

「行ってらっしゃい。気をつけてね」

「うん、そっちは任せた」

「任された」

 俺はマイヤーやライデンの警護としてイグニールを残し、ホテルを出た。
 今回はまだ誰も召喚せず、単身で船に乗り、海でサモンモンスを召喚する。

 最初からクライマックスだよ。
 下手に時間を長引かせるつもりはない。
 初手、ワシタカくんにて船を崩す。
 そして海に投げ出された奴はワルプでハメる。

 人相手だと、これだけで済むのだ。
 異常状態によるスタンと暗黒。
 これが決まると、人は海の中に沈んで行く。
 救命衣をつけていなければ、溺れ死ぬ。

 海中で呼吸ができるような奴がいれば問題だが……。
 そんな人間はいないだろう。
 いてもビリーの雷撃にして広範囲で痺れで終わるだけだ。







 裏手の船着場へ向かうと、元オデッセイ海賊団が船出の準備を整えていた。

「あら、思いの外、真剣な表情ねー?」

 船に乗り込むと上から声がかかる。
 舵の前に、レースの入った豪華な黒い海賊帽を被ったカリプソがいた。
 レース付きのブラウスと赤い海賊服の上着。
 下は革製の茶色いズボンとブーツ、腰には湾刀。

「戦闘衣装ですか? そっちも真剣ですね?」

「当たり前よー、だってエルカリノって人数だけはすごいんだもーん」

 真剣だと言う割には、人をおちょくるような声はいつもと変わらなかった。

「ここのダンジョンコアに頼めば、力を貸してくれるんじゃないんですか?」

「残念だけど、海賊同士のいざこざには口は出さない約束なの」

「へえ」

「それに、海賊をやめるのだって彼らとの約束なんだから、さ?」

「なるほど。で、ギルドを作って人を集めて、ダンジョンに餌を集める手伝いですか?」

「相変わらず棘があるわねー、逆よ逆」

「逆?」

「ここの主のスローフって怠惰のダンジョンコアだから、おサボりマンなのよー」

 八大迷宮の一つ、極彩諸島のダンジョンコアは怠惰のスローフと呼ばれるらしい。
 そして、自分の半身を与えて作ったガーディアンの一人は淡白ちゃんなんだそうだ。

「管理が杜撰なのよ、彼と彼女。そのうち増えすぎてヤバそうだったから、私が一つ手を貸したって訳」

「そうなんですね」

「っていうかぜーんぶ任されかねないから、早いところ自分の立場ってものを作っておきたいのよー」

「苦労してますね。いつ頃知り合ったんですか?」

「……ま、それは終わってからゆっくり話しましょ? 貴方にも色々と話があるのだしー」

 それだけ言って、カリプソは船室内に引っ込んだ。
 話、とはいったいなんなのだろう。
 適当な世間話とか、カジノでの愚痴ではなさそうな雰囲気だった。
 恐らく、ダンジョンコアに関するものなのだろう。

「まあ、良いか」

 今はエルカリノとの戦いに集中しようか。

「トウジ様、専用の船室が準備されておりますので、こちらへ」

「あ、はい」

 燕尾服のような格好をした男装の女性に案内され、俺は船室に案内された。
 そしてしばらくして船は出港する。
 この時、オデッセイ側の船は全部で50隻。
 対して、エルカリノ側の予想戦力は、カリプソの話だと580隻。
 ウィンストが蹴散らした分を合わせても、10倍さとのことだった。

感想 9,840

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。

小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。 「マリアが熱を出したらしい」 駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。 「また裏切られた……」 いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。 「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」 離婚する気持ちが固まっていく。

五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~

放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」 大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。 生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。 しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。 「すまない。私は父としての責任を果たす」 かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。 だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。 これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました