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本編
575 ダンジョンコアとの話。
「力を持った存在が現れることによるバランスの崩壊、それが乱世だ」
スローフの言葉。
どこかで聞いたことがあった。
……苔っち。
エンシャントゴーレムの苔っちもそんなことを言っていた。
この世界には平定者と呼ばれるダンジョンコアの他にもやばいのはいる。
ポセイドン然り。
大きな爪痕を山脈に残したガイアドラゴン然り。
そのガイアドラゴンは、バランスを取るために自らの魂を山脈に封じた。
今はウィンストのチビと同化したような形である。
それって、言わば目覚めているような状態なのではないかと思った。
勇者が来て、ウィンストが楽園を壊滅させられ、恨みに取り憑かれ。
俺と戦い、ガイアドラゴンをチビと同化させた。
「……もう、乱世は起こってるっぽい……?」
「まあストッパーとして色々との話になってるもんがあるから大丈夫だろ」
スローフは言う。
「どこかでガス抜きされるように、世界はうまく回ってんのさー」
「なるほど……」
「例えば、恨みつらみを操作する概念体とかもその一つだぜー」
「概念体」
どっかで聞いたことある!
いや、あいつだ!
今もなお、うちの神棚に飾ってある小瓶の中のギョロ目野郎。
ちゃーんと、毎日チンチンカンカンするようにピーちゃんに伝えてある、アレ。
「クソ面倒な野郎だけど、そういうのもまとめて世界に生きてるのさ」
「ちなみにその概念体を倒したらどうなります……?」
「何言ってんだ? 死なないから不可能だぞ?」
「……もし、もしの話ですよ」
概念体といっても、感情の中に生まれる魔物のような形。
そいつがいなくなったからと言って、人々が恨みつらみを持つわけではないのだ。
だから放置していたのだが……スローフは俺の思いを他所に語る。
「違う奴が台頭する。どの世界でもそれは同じことだ」
「な、なるほど……」
まだ完全に消滅させてないから、大丈夫だよね?
うん、大丈夫なはず。
解き放ってしまうという選択肢は、正直ない。
来る敵、来る敵を倒すしかないのだ。
「そういう意味でのバランサーという役割ならば……」
スローフは少しだけ考え込むと、意を決したように言う。
「お前のところにいるちっこいの」
「……ジュノーのことですか?」
「うん、あいつは大切にしておいてくれ」
それが、先輩ダンジョンコアからの助言とのことだ。
「意図を教えてもらうことは?」
「いずれ知る時が来るかもしれないし、来ないかもしれない」
さっきから漠然とした話ばかりだが……。
恐らく、ダンジョンにとって重要な位置付けがあるのだろう。
それを知る時が来るのは、この話の流れからして……。
「スローフさんが本気を出した頃って思ってても良いですか?」
「そうだな、俺が本気を出す頃かもしれん」
具体的にいつなのか、それがわからないのが難点だが、
どうせそこも教えてもらえないんだろうな。
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