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本編
652 久しぶりのPとN
「ただいまー」
再召喚されてから、マジで2ヶ月ぶりくらいの帰宅である。
春先だったのに、いつの間にかもうすぐ夏が近づいていた。
ギリスもクロイツも北国だから寒さは残っているけどね。
今回は飛空船での帰宅ゆえに。
首都から離れた場所にある発着場から、首都のアパートへ。
何気に、遠出後の帰宅ルートとしては珍しい部類である。
いや、これが普通のことなのだが……。
結局、森の中にあるダンジョンの入り口が一番手っ取り早いのだ。
「ぴ?」
リビングを抜けて、さらにダンジョン部屋のリビングへ。
するとボールをコロコロと転がして一人遊びするピーちゃんがいた。
その様子をストロング南蛮が慈愛に満ちた表情で見ている。
「ぷぴー!」
すぐに駆け寄ってきて、俺の足元にくっつくピーちゃん。
可愛い。
「ただいまピーちゃん、南蛮も」
「コケ」
抱っこすると、ポチも俺のズボンを引っ張っていたので一緒に抱える。
ふはは、もふもふもちもち、これだよこれ。
「ああ~、このままベッドにダイブしたい」
「それも良いんじゃない? 移動で疲れてるんだし」
「うーむ、日課の作業が俺を待っているんだ」
帰ってきたらやらないと、無限採掘。
なんだか毎日一回はやっておかないと気が済まない体なんだよ。
この家では。
それに、小さいけど飛空船の中は快適そのものだった。
閉塞感なんてないし、寝ようと思えば全然くつろげる。
ワシタカくんの速さが出せるようになれば、もう空の旅も余裕だ。
「さーて、もふもふむにむにしながら日課だー」
そう良いながら自室に向かうと、後ろでジュノーのつぶやきが聞こえる。
「病気だし」
「病気よねえ」
賛同するイグニールの声。
病気で結構こけこっこー。
日課って、なんだか心が落ち着くんだよね。
イライラした時。
ムカムカした時。
モヤモヤした時。
ムラムラした時。
モンモンした時。
日課をすれば全て解決するのだ。
はあ、なんだかんだ帰ってきてからの方がやること多い気がするぞ。
ゴミもまとめて分解しなきゃいけないしな。
もちろん、ゴミ箱設置と指定の袋を使って捨てる仕組みに関してはすでにギリスで実践済み。
同じ種類の袋ならば無限にスタックできるというカバンの解釈を利用したものだ。
廃品回収を合わせた、飛空船事業のマネー対策みたいなものである。
ゴミ袋代も徴収して、ゴミ箱設置も月々のリース料金を徴収する。
その代わり、毎月の回収作業と新しいものの設置は無料でやるのだ。
浮浪者をかき集めた配筋回収業者がな!
「2ヶ月も留守にしてごめんなピーちゃん」
「ぴっ」
南蛮とか、リクールとか、マイヤーが一緒にいてくれたから平気だったそうだ。
それに浄水の池で、野菜モンスたちが相手してくれるから寂しくないとのこと。
うむ、のびのびと暮らしてくれて何よりである。
「ぷぴ」
「ォン?」
「ぷぴぃ」
「アォン」
俺の腕の中で、チビどもが何やら会話を繰り広げていた。
何を言っているのかイマイチわからんが、俺の腕からポチとピーちゃんは降りると、可愛い足取りててちてちと走って階段を降りて行ってしまう。
「ああ……俺の癒しが……」
急遽ぽっかりと空いた両腕が寂しく感じる。
俺は一度リビングに戻ると、鳥どもを呼んだ。
「コレクト、南蛮、来い」
「クエ?」
「コケ?」
そして両腕で抱えあげる。
「よし、これで両腕がちょうど良いや」
「……小動物拉致の現場だし」
「……そうね」
「つーか、両腕に何か乗ってないと寂しいながら、あたしもいるし!」
「ジュノーじゃ軽すぎるんじゃない?」
「むー、イグニールでも重すぎるし!」
なんだか後ろで失礼な言い合いが行われているが、断じて小動物拉致ではない。
堪能したらちゃーんと解放してあげるのだからね。
鳥たちの羽はもふもふふぁさふぁさ。
うむ、これもまた良し。
「なんか、急に羽毛布団が欲しくなってきたぞ」
「クエーッ!?」
「コケーッ!?」
慌て出す鳥ども。
「ハハハ、冗談だよ冗談」
でも、理想の羽を探しにいくのもありかもしれないね!
とりあえず最高の羽毛布団を作ることも考慮しましょう。
マクラスはすでに羽毛だから、揃えたいのだ。
ちなみに、ここにいない骨はオスローとオカロについていった。
同じようなガリガリにシンパシーを感じたとかそんなのではない。
賢者の残したアーティファクトの研究技術が気になるらしい。
さてさて、夜にマイヤーが帰ってきたら、あの日できなかった食事の続きだ。
パインのおっさんが暇かどうか、後で確認しに行かなければな。
それでようやく……ただいま、と胸を張って言えるような気がする。
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