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本編
662 はちゃめちゃ遊戯、ダンジョンすごろく・6
しおりを挟む「はい、全滅終了~、みんな1000ケテルずつ徴収ね~」
終了を告げるジュニアの声。
ゴレオがホクホクとした表情で喜んでいた。
「全然HP削れなかった……」
元のすごろくエリアに戻り、参加賞であるジュースを飲みながら一息吐く。
鈍化沼の後は、吹き飛ばし床など行動を阻害するギミックが多々現れた。
ただでさえギリギリの状況なのに、めちゃくちゃ難しいミニゲームである。
対策を講じて全員が力を合わせれば、絶対にクリアできないなんてことはない。
「まあ、こう言うミニゲームは何度かあるから、攻略法見つけろよ~」
次があるなら、絶対に勝ちたい。
そう思った。
「くそー! なんだしジュニアー!」
1000ケテルを徴収されて憤慨しながらドタバタするジュノーである。
しかし全員が力を合わせれば、絶対にクリアできないなんてことはないのだ。
負けて悔しいのはわかるが、親になれば勝ちやすいゲームだ。
要は、俺たちで親有利のミニゲームを当てれば良いのだよ。
「今のは親有利だったけど、親が不利なのもあるのかしら?」
「不利ではないけど、有利ではないバトルだって存在するぞ」
「なるほどね」
「ただ、参加報酬親の総取りの時点で、基本的に不利はない」
そして、親とその他が行うバトル以外にも、色んなバトルがあるそうだ。
2チームに分かれて行うゲーム、完全にソロで戦うゲーム。
ゲームの内容も、今は明かされることはないが、色々と多種多様とのこと。
「さっ、とりあえずサクサク進行していくぞ~」
「ゴレオ殿の次は私ですね」
話もさておき、リクール、骨、ジュノー、俺、とすごろくは進んでいった。
リクールは馬を使用して馬レーンを爆走、みんなに大きな距離をつける。
骨は「刺激的なマスが良いですぞ」と言いながら、ケテルマス。
ジュノーは最下位から、アイテムゲットマスでサイコロを当てて次に期待。
俺も2マス進むマスを引き当て、5位のマイヤーに接近だ。
ちなみに、1位はポチとピーちゃんコンビ。
2位はリクールで、馬レーンにて追い越しそう。
3位はイグニール、4位はゴレオ。
5位にマイヤーで、6位俺。
7位が骨、8位がジュノーである。
「さて、私の番ね」
順当にサイコロが回っていき、イグニールの番となった。
「とりあえずリクールに差をつけられると後に響きそうだから、サイコロ2個追加券を使うわね」
「サイコロ2個追加券だな? よし、今回のイグニールはサイコロ三つ!」
最高18マス、最低でも3マス。
この他にも、サイコロの出目が偶数、奇数で固定。
もしくは1と6のみになるもの等が存在する。
コロコロ、コロン。
コロコロ、コロン。
コロコロ、コロン。
「出た! 最高値の18! 強いな、まさかすべてゾロ目の6が揃うなんて」
「よしっ!」
思わずガッツポーズをするイグニールに、ジュニアが言葉を続ける。
「ゾロ目の場合、ボーナスとしてサイコロ1個追加券を贈呈だ」
「キてるわね、この調子で爆速で行くわよ」
一気に18マスという爆進を遂げたイグニールが、チビコンビを抜いてトップに立つ。
しかし、そこで事件が起こった。
ブーーーーーーーーーッ!
「えっ」
ライトが赤く光り輝き、ブザーが鳴ったのである。
罰マスだ。
「おおお、豪運からのそのまま罰を踏み抜くとは、持ってるなイグニール」
「ど、どんな罰なのかしら……タイキックだけは勘弁して欲しいのだけど……」
「えっと、そのマスは……おお! ようやく出たぞ、プレイヤー罰マス!」
プレイヤー罰マスと聞いて、周りから声が上がる。
画面に映されたイグニールに、みんなの視線が集中していた。
「おほ~、いったい誰の用意した罰ですぞ~?」
「それはサイコロの出目によって決まる。イグニール、サイコロを振るんだ」
「……私、みんなを信用してるから、そこまでキツい罰はないって」
画面越しのイグニールの視線。
そして、サイコロによって罰ゲームが決まった。
「トウジの罰ゲーム!」
「おっ、俺だ」
確か用意したのって、スク水、ミニスカメイド、全身タイツだったな。
誰の罰ゲームか決まったら、そこからサイコロで内容が決まる。
「ばーん! イグニールの罰ゲームは、終了、もしくは衣装チェンジまで全身タイツ~!」
スク水こい、と思ったけど。
全身タイツの方だったか。
「全身、タイツ……?」
「それじゃ、お着替えいってらっしゃーい」
「わっ! ちょっと! なによこれ!」
イグニールの周りに囲いが出現して、ガーディアン達がなだれ込んでいく。
そしてすったもんだの声が聞こえたのち、イグニールが出てきた。
「………………」
赤いぴっちりの全身タイツで!
ごめん、笑いそう。
いや、スカートがあるタイプじゃないから、すげぇエロい。
しかしながら、エロ要素よりも、笑い要素の方が強い。
「にゃははははは! イグ姉、悲惨やん! わははあ!」
「お嬢様、笑ってはいけませんぞ。でも良い罰ですね」
「うわ~! イグニールなにその服! なんかすごいし!」
「これぞ、ザ・罰ゲームですぞ~」
ぴっちり全身タイツを身につけたイグニールを見たみんなの反応。
アル中コンビはすっかり出来上がっている。
「……トウジ、わかってるわね?」
「え? なんのこっちゃ?」
イグニールの視線をモニター越しに感じる。
しかし、罰マスに止まっちゃったら仕方ないよね?
後で火球とかは勘弁願いたい。
俺だって罰マス踏んだら、スク水着る羽目になるかもしれんのだから。
「くう……ねえ、これターン制じゃないの? ずっとこのままなのかしら?」
「うん。衣装チェンジマスとかあるけど、そっちがターン制だよ」
「…………絶対優勝してやるんだから! 見てなさい! 私の罰も楽しみね!」
真っ赤な全身タイツを身につけたイグニールは、勝利を誓っていた。
でも全身タイツだから、なにやっても笑えてくる。
さて、スク水、ミニスカメイド、一体誰にあたるんでしょうかね!
=====
ジュニア罰、プレイヤー罰、ミニゲーム、ご褒美、などなど。
一応一人ずつ触れていく所存です。
3巻書影の方、今日明日あたりにのっけておきます。
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