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本編
665 はちゃめちゃ遊戯、ダンジョンすごろく・9
しおりを挟む罰の大王による罰ラッシュが始まった。
「ポチ、ピー、罰ゲーム! 大王による強制徴収50000ケテル!」
『わははは! 徴収したお金で我が良いものを買って来てやったぞ』
その言葉とともに、ポチピーコンビのお金が徴収され、アイテムに変わる。
大王が勝手に買ってきたアイテムは、干物各種10個。
『これで今晩は決まりだな! わははは!』
「アォン……」
「ぷぴぃ……」
二人とも余分なお金でご飯を買おうとメニューを見ていた矢先のことだった。
涙を飲んで干物をカリカリする姿、なんとも言えない哀愁が漂っていた。
「乾物ええなぁ、つまみ欲しいんよねー」
「ですねえ」
呑気なアル中コンビは、すでに罰を受けてお互いスクール水着になっている。
俺の罰は汎用性が高いとのことで、ジュニアによって増殖させられていた。
罰決めサイコロの中に、絶対コスプレグッズが潜んでいるのである。
故に、俺も、ゴレオも、ジュノーも、骨も、みんな何かしらの服を身につけていた。
「トウジ、ミニスカメイド全然似合わないね」
「言うな」
ジュノーと骨はスク水。
ゴレオはミニスカメイド。
「……///」
ゴレオに関しては、ただのご褒美みたいな感じになっていた。
体をシャープのメイドゴレオにして、鏡の前でポーズ中である。
「なんで私だけ全身タイツのままなのよ……」
「ど、どんまい」
イグニールは、罰にて色違いの全身タイツオンリー。
なんというか、今日はそういう星の元なのだろう。
「次、イグニール! サイコロを振れ!」
『次の罰も全身タイツが出ると良いなあ、わははは!』
「……大王、いつか、燃やす」
「お、落ち着けイグニール。ステージ移動したらあいつ消えるから」
「ふん」
イグニールのサイコロが振られる。
出た目に合わせて移動すると、ミニゲームマスだった。
「お次は罰の大王とのバトルだ!」
『わははは! 我との戦いか? よし、良いだろう! では移動だ!』
有無を言わさずバトル会場へと飛ばされる。
もう慣れたもんだな……。
このバトルに関しても、圧倒的大王有利な状況で進められる。
「またバトルかー、なんか疲れてきたなあ」
「まだこのすごろく続くし? 1時間くらいで終わるやつがいいし」
「だよな?」
俺とジュノーは相変わらずマスが隣同士につけているので、そんな会話を交わす。
まったく、パインさんの拘束時間とかどうなってんだ。
作り置きしてもらってインベントリに勝手に保存しているのだろうか?
ダンジョンですごろくやってみたら良いかな、なんて思っていたけど。
こんなに長くて辛い奴だと楽しくなくなってくるぞ……。
『なんだと! 我との熱きバトルをつまらんというのか!』
「いや、そんなことは一言も言ってないんだけど?」
『ふははは、ならば良いだろう、お前らに有利な罰バトルにしてやる!』
「でもそんなこと言ったって、バトルで有利なのは親だしなあ」
『だからお前らに有利なバトルにすると言っているだろう』
「おい、大王。お前は粛々とあいつらに罰を与えておけよ」
『しかし、主よ。我と主のダンジョンすごろくをつまらんと申すのだぞ!』
「いやまあ、お前が出てきてみんな罰ばっかりだしな?」
『我のせいか? ならば、史上最強に楽しい罰バトルを演出するべく、少し弄らせてもらうぞ!』
「え? あっ、ちょっと」
どうしたジュニアと罰の大王。
なんとも、半身を利用した守護者ということで、色々と権限を持っているようだ。
大王の力によって、コロシアムステージが殺風景な荒地に変わる。
「なんだここ?」
『わははは! やはり面白さで行けば、全力バトルである!』
罰の大王は空中に浮かびながら、まるで魔王のように高らかに続ける。
『故に、我が全力を出せる空間を作らせていただいた! わははは!』
「おい、それって結局お前有利になるじゃねーかよ」
自分が全力を出せる。
つまり、つまらないと言われたことに対する八つ当たりだ。
「結局自分有利だし! アホー!」
ジュノーの怒りの声に、大王が言う。
『心配するな、貴様らも今だけならばフル装備を許可しよう!』
「え、マジで?」
『ああ、熱き全力バトルこそ、最高に血潮が滾るではないか!』
「え、本当にフル装備でいいの?」
『だからそう言っている!』
「ほーん……」
だったら、ということで、フルセット装備にしようとすると。
「私がやる」
イグニールがみんなの前にでた。
全身タイツの上から、自分のフルセット装備を身につけている。
……あっ。
『お前一人か? ふはは、全身タイツ風情が調子にのる』
「──火柱」
=====
トウジ「結局オチはめちゃくちゃかよ」
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