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本編
718 よくわからん疑惑の存在
「……ジュニア、もう一発のあれ、お前がやったのか?」
光の柱が見えた瞬間、俺はすぐに飛空船に戻った。
あれは、飛空船に積んでいるドラグーンによるものである。
ただでさえ、とんでもない破壊力を持っているのだ。
あまりばかすか撃つものではないのである。
「俺はやってない。だが、勝手に船が動いたのは本当だ」
「勝手に動いた……」
ジュニアは俺に詰め寄る。
「おい、ありゃお前の意志によって動くもんだろ?」
「……確かに」
つまりは、俺の意志に合わせてあのデブに放射された。
と、言うことになる。
「でも、いやそんなはずは……」
確かに敵対していたとはいえ、明確な殺意とか敵意はもうない。
あったらすでにぶち込まれているからだ。
めでたいことがあったばかりで、俺の心はそんなに荒んじゃいない。
けじめをつけるとは言ったが、あとは神に任せたってニュアンスだ。
「だったら神がやったんじゃね? 知らんけど」
「うーむ……」
「とりあえず上から見た感じだと、消滅だったぜ?」
大穴に落下し、そのまま魔力収束砲の一撃によって消滅。
トゥワイスの死亡をジュニアはしっかり確認したらしい。
「勝手に動くとか、やばいな」
意志を元に、という動きをするものは、介入も可能。
そういうことだった。
「大聖堂が立ってた場所……」
イグニールが話に入ってくる。
「大穴になっちゃってるけど、やっぱりトウジがやったのね」
「うん」
イグニールが連れていかれて、ポチが殺された。
そんな話をイフリータから聞いたあと。
俺の怒りに反応して起動したドラグーンについて説明する。
「え……ポチ……本当に?」
ポチが殺された、という話を受けて驚いた表情のイグニール。
「…………ごめん、私、軽率な行動した……」
俯いて、ポツリと呟かれたその一言。
「悪いのは全部あいつらだから、気にする必要はない」
イグニールに対しては、ただの動向拒否だって話だったしな。
連れていかれた後に、知らないところで起こることなんて分かりようがない。
こればっかりはしょうがないし、ポチがいなかったから危機に気づけたんだ。
「……再召喚できる様になったら、思いっきりもふもふするんだ」
「そうね。私たちの報告も、ポチにしましょ?」
「うん」
どんな反応を見せるのか、わからないが……。
祝ってくれるだろう。
でも、ポチの立ち位置は変わらない。
変わらず。
ずっと。
俺の側だ。
というか、俺の周りにいる連中に序列とかない。
それぞれの立ち位置なんてない。
のだが。
「帰ったら、マイヤーやオスローたちにも報告しなきゃね」
「そ、そうだね」
なんとも、今の関係性が崩れ去ってしまいそうで怖いと思った。
まあ……成るように成るとも言うし、全てを受け止めよう。
「とりあえず、この飛空船は一旦インベントリにしまっておくか」
「それがいい」
俺の言葉に頷きながら、ジュニアも言う。
「これをダンジョン化してる俺の意志も関係ないなんて、不気味だ」
再び勝手に動き出すとかだったら、兵装外した方が良いかもな。
やはり簡単な仕組みが一番良い。
サイバーテロが増えてから、アナログ需要が増え出すのと一緒だ。
「で、お次はイグナイト家の方だけど……」
「そうね、私から話すから、一旦戻りましょ?」
「うん」
そんな訳で、飛空船をインベントリに、ジュニアを図鑑に戻して。
俺たちの今後についての話し合いが行われることとなった。
感想 9,840
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