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本編
732 色々と間違ってる
夢幻楼街、それは確か魔国のどこかに存在するダンジョン。
聞いた話では、元の名前の通り都市型。
「そして支配するダンジョンコアは、色欲のラスト」
「お詳しいことで」
赤い下着、赤いドレスを着た長い紫色の髪を持つ女。
ベッドに腰掛けタバコを吸いながら俺の言葉を肯定する。
縛ってないのは、意味がないからだ。
俺とウィンストが目を光らせているこの状況.
逃げ出した瞬間、消されるぞ。
もっとも、自発的に全てを話さなくても死ぬ。
俺が何かをする前に、ウィンストが蹴りをつけるのだ。
彼に比べれば、俺はまだすごく優しい部類である。
「ダンジョンコアの使いが、どうして私の部屋にいたんだ?」
「そもそもウィンスト、いつから留守にしてたんだ?」
「1週間くらいだな、鍵もかけていたはずなのだが……」
玄関確認すると壊れていた。
ウィンストは「これも付け替えなければ……」と肩を落とす。
「なら、人ん家のベッドで勝手に寝てたのか、こいつ……」
「くっ、ベッドが香水とかタバコの匂いが混ざってくさい」
「買い換えたほうがいいんじゃない?」
「家具備え付けの宿みたいな部屋だから結構な出費になる」
それくらい出すさ。
んでもって、請求書はこいつら宛に出しておくんだ。
「お金持ってないんだけど、無理よ」
弁償の旨を告げると、あっけらかんと言う女。
無い袖はふれないそうだ。
でも知ってるか?
お金って無くても働いて稼げるんだぜ?
すごいよね、驚きだよね、稼いでこい。
「話またそれちゃってるけど、私から色々と話を聞きたいんじゃ無いの?」
「それもそうだけど、それを対価にされるのはこっちが損だから無しな?」
「ちっ」
露骨な舌打ち。
なんだこいつ。
「で、弁償の話は後回しにして、何の用か話してもらおうか」
ウィンストの言葉に、女は言った。
「私はラスト様の使いでジェラス、あんたの実力を確認しに来たの」
「実力の確認?」
「少し協力してほしいことがあるから」
「ちょっと待て」
話に介入する。
「だったらファーストコンタクトがおかしいだろ、敵て言ってたじゃん」
「だってその方が本気になってくれて実力も試しやすいでしょ?」
……意味不明過ぎる。
結局それでやられてんじゃ、意味がない。
「もし俺が有無も言わさず殺すようなやばい奴だったら終わってたぞ」
「話が通じる相手は殺さないって聞いてたからね」
「ん?」
女は言葉を続ける。
「私はあんたとも繋がりを得たいと思ってたから、手間が省けたわよ」
「はあ? 俺?」
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「普通に来いよ……」
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「うん、間違えてる」
こいつを遣わそうとしたダンジョンコアの選択が間違えてる。
根本的な問題だ。
「とは言え、私とトウジを味方に引き入れて何を考えているのだ?」
「簡単なことよ」
タバコの煙を吐き出して、女は言う。
「戦争。それも、ダンジョンコア同士のね」
=====
8/6からコミカライズ版連載スタートでございます!
感想 9,840
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