文字の大きさ
大
中
小
438 / 650
本編
738 ロブリーあらためキモキバで
「相手する? してくださいの間違いだろお?」
「お前がな」
図鑑からコレクトを戻し、すぐにグリフィーを呼び出す。
サルトについてから召喚していたメンツは、最初に暮らして来たメンツ。
懐かしいだろう、と思って街を歩かせていたのだ。
俺がダメージを受けた、即ちダメージを肩代わりするゴレオは気がつく。
その後、コレクトが戻されたという事実。
すぐに異変に気がついて、イグニールたちに教えてくれるだろう。
「それ知ってるぞお? ロック鳥は出さないのかあ?」
「こんな狭い場所で出せないからね。常識持てよ」
「戦いに常識なんて関係ねぇよお! どうするんだ? 逃げるのか?」
ケタケタ笑いながら男は叫ぶ。
「逃げたら! 周りから奪う! これは脅迫だぜえ!」
「いや相手してやるって言っただろ。耳悪いのかな?」
「ああん?」
適当に煽りつつ、俺はグリフィーの背中に乗って飛び上がった。
すぐに引力を用いて男を引き寄せる。
「お?」
「好きに暴れられる場所を用意してやるから、ついてこいよ」
「ハッ、お前の言うことなんか聞くわけないだろうがよお!」
そうやって啖呵を切る男だが、体は自然に浮かび上がった。
それもそのはず、俺はグリフィーに乗って上空にいる。
さらには引っ掛かりがなさそうな場所に常時移動。
根掛かりしそうな釣り針を上手く巻き上げるように、ぶっこ抜いた。
「な!? そこまで強えのかそのスキルはよお!」
上手く活用してるだけだが、まあ良い。
強いって思わせておく。
こう言う手合いはペースに乗せるのは面倒だからな。
後手を取ってしまった分、先手、先手、先手のみ。
「あれれーおかしいぞー?」
だから、煽る。
「奪う奪う言ってたのに、自由奪われてるの……そっちじゃね?」
「ふ、ふ、フ、フグァァァァアアアアアアアアアアアアアア!!」
何かが逆鱗に触れたのか、男の目がぎょろりと剥いて血走った。
そしてジタバタともがいて必死に拘束を逃れようとする。
引き寄せに緩急つけてその間グリフィーが高速飛行すれば、こいつが追いつくことはない。
多少MPを使用してしまうことになるけど、サルトは山脈に作られた都市。
すぐそこに、キングさんが好きに暴れられる場所があるんだよ。
「ぐぞお離せ! ばなぜええ! 俺は! グリード様の守護者の一人!」
「ふーん、それが何?」
「守護者の一人、尖兵のロブリー様だぞ! クソがあああああああ!!」
「そんなの知らんし興味ない。守護者気取るなら攻めずに守っとけよな」
「俺は! 俺は! 奪うのは好きだが、奪われるのは大っ嫌いなんだ!」
「ふーんあっそ」
奪って良いのは、奪われる覚悟を持ってる奴じゃないとダメだぞ。
よく言うだろ、殺すなら殺される覚悟をなんたらってな。
「スーパーで買って買ってと駄々こねる子供にしか見えん」
「ふぐあああああああ!」
「そう言う意味では、お前はセブンスよりも、あのガキよりも雑魚いな」
「絶対奪う! テメェから、テメェからよおおおお!」
「ふーん。グリフィー全力だ」
「ガルッ!」
こいつは、なかなか上級の守護者だな。
基本的にダンジョンコアの一部を受けて作られた守護者は、本質の一部を受け取る。
強烈なまでに強い渇望は、まさに強欲のグリードの分身とも言えた。
「とりあえず山まで行ったらさ、自由にしてやるよ」
「ぐうう! ぐるるるるううう!」
獣みたいなむき出しにされた敵意、殺意。
喋れないほど、何かに飲み込まれているようだった。
恐ろしいけど、初めて邪竜三兄弟に会った時ほどじゃない。
チワワが吠えてるようなもんだ。
「山に行ったらそのリード外してやるから待て。待てなかったら躾けるぞ?」
「ぐるあああああああ!」
「だから落ち着けって、餌なしにするぞー?」
「ふぐるぼべらあああああ!! ぶばあああ!!」
狂犬かよ。
もうなんて言ってるかわかんなくなっていた。
ギャグでやってんのか、その口調。
まあいい。
とりあえず声は聞こえてるみたいだから、さらに煽っとく。
「つっても、リード外して首輪はつけとくけどな?」
おっと、だったら首輪に名前も彫っとかないとな。
可愛い可愛い犬の名前なんてつけるのはおこがましい。
目ん玉ぎょろぎょろ、よだれまみれで顔はキモい。
その上で牙はなんかザクザク鋭いくせに噛み合わせは良さげ。
このなんとも言えない見た目から、名前を決めた。
「キモキバとかでよくね? うん、お前の名前キモキバにするわ、今日から」
「俺の名前を、勝手決めつけてんじゃねえええええぶぼべられあああ!」
「体の自由とともに、名前まで奪われちゃったね、キモキバくん?」
=====
グリフィー「ガルゥ……」(なんかすっごい楽しそうだよご主人様)
※トウジは元から性格悪いタイプです。
「お前がな」
図鑑からコレクトを戻し、すぐにグリフィーを呼び出す。
サルトについてから召喚していたメンツは、最初に暮らして来たメンツ。
懐かしいだろう、と思って街を歩かせていたのだ。
俺がダメージを受けた、即ちダメージを肩代わりするゴレオは気がつく。
その後、コレクトが戻されたという事実。
すぐに異変に気がついて、イグニールたちに教えてくれるだろう。
「それ知ってるぞお? ロック鳥は出さないのかあ?」
「こんな狭い場所で出せないからね。常識持てよ」
「戦いに常識なんて関係ねぇよお! どうするんだ? 逃げるのか?」
ケタケタ笑いながら男は叫ぶ。
「逃げたら! 周りから奪う! これは脅迫だぜえ!」
「いや相手してやるって言っただろ。耳悪いのかな?」
「ああん?」
適当に煽りつつ、俺はグリフィーの背中に乗って飛び上がった。
すぐに引力を用いて男を引き寄せる。
「お?」
「好きに暴れられる場所を用意してやるから、ついてこいよ」
「ハッ、お前の言うことなんか聞くわけないだろうがよお!」
そうやって啖呵を切る男だが、体は自然に浮かび上がった。
それもそのはず、俺はグリフィーに乗って上空にいる。
さらには引っ掛かりがなさそうな場所に常時移動。
根掛かりしそうな釣り針を上手く巻き上げるように、ぶっこ抜いた。
「な!? そこまで強えのかそのスキルはよお!」
上手く活用してるだけだが、まあ良い。
強いって思わせておく。
こう言う手合いはペースに乗せるのは面倒だからな。
後手を取ってしまった分、先手、先手、先手のみ。
「あれれーおかしいぞー?」
だから、煽る。
「奪う奪う言ってたのに、自由奪われてるの……そっちじゃね?」
「ふ、ふ、フ、フグァァァァアアアアアアアアアアアアアア!!」
何かが逆鱗に触れたのか、男の目がぎょろりと剥いて血走った。
そしてジタバタともがいて必死に拘束を逃れようとする。
引き寄せに緩急つけてその間グリフィーが高速飛行すれば、こいつが追いつくことはない。
多少MPを使用してしまうことになるけど、サルトは山脈に作られた都市。
すぐそこに、キングさんが好きに暴れられる場所があるんだよ。
「ぐぞお離せ! ばなぜええ! 俺は! グリード様の守護者の一人!」
「ふーん、それが何?」
「守護者の一人、尖兵のロブリー様だぞ! クソがあああああああ!!」
「そんなの知らんし興味ない。守護者気取るなら攻めずに守っとけよな」
「俺は! 俺は! 奪うのは好きだが、奪われるのは大っ嫌いなんだ!」
「ふーんあっそ」
奪って良いのは、奪われる覚悟を持ってる奴じゃないとダメだぞ。
よく言うだろ、殺すなら殺される覚悟をなんたらってな。
「スーパーで買って買ってと駄々こねる子供にしか見えん」
「ふぐあああああああ!」
「そう言う意味では、お前はセブンスよりも、あのガキよりも雑魚いな」
「絶対奪う! テメェから、テメェからよおおおお!」
「ふーん。グリフィー全力だ」
「ガルッ!」
こいつは、なかなか上級の守護者だな。
基本的にダンジョンコアの一部を受けて作られた守護者は、本質の一部を受け取る。
強烈なまでに強い渇望は、まさに強欲のグリードの分身とも言えた。
「とりあえず山まで行ったらさ、自由にしてやるよ」
「ぐうう! ぐるるるるううう!」
獣みたいなむき出しにされた敵意、殺意。
喋れないほど、何かに飲み込まれているようだった。
恐ろしいけど、初めて邪竜三兄弟に会った時ほどじゃない。
チワワが吠えてるようなもんだ。
「山に行ったらそのリード外してやるから待て。待てなかったら躾けるぞ?」
「ぐるあああああああ!」
「だから落ち着けって、餌なしにするぞー?」
「ふぐるぼべらあああああ!! ぶばあああ!!」
狂犬かよ。
もうなんて言ってるかわかんなくなっていた。
ギャグでやってんのか、その口調。
まあいい。
とりあえず声は聞こえてるみたいだから、さらに煽っとく。
「つっても、リード外して首輪はつけとくけどな?」
おっと、だったら首輪に名前も彫っとかないとな。
可愛い可愛い犬の名前なんてつけるのはおこがましい。
目ん玉ぎょろぎょろ、よだれまみれで顔はキモい。
その上で牙はなんかザクザク鋭いくせに噛み合わせは良さげ。
このなんとも言えない見た目から、名前を決めた。
「キモキバとかでよくね? うん、お前の名前キモキバにするわ、今日から」
「俺の名前を、勝手決めつけてんじゃねえええええぶぼべられあああ!」
「体の自由とともに、名前まで奪われちゃったね、キモキバくん?」
=====
グリフィー「ガルゥ……」(なんかすっごい楽しそうだよご主人様)
※トウジは元から性格悪いタイプです。
感想 9,840
あなたにおすすめの小説
間違えられた番様は、消えました。
※小説家になろう様でも投稿を始めました!お好きなサイトでお読みください※
竜王の治める国ソフームには、運命の番という存在がある。
運命の番――前世で深く愛しあい、来世も恋人になろうと誓い合った相手のことをさす。特に竜王にとっての「運命の番」は特別で、国に繁栄を与える存在でもある。
「ロイゼ、君は私の運命の番じゃない。だから、選べない」
ずっと慕っていた竜王にそう告げられた、ロイゼ・イーデン。しかし、ロイゼは、知っていた。
ロイゼこそが、竜王の『運命の番』だと。
「エルマ、私の愛しい番」
けれどそれを知らない竜王は、今日もロイゼの親友に愛を囁く。
いつの間にか、ロイゼの呼び名は、ロイゼから番の親友、そして最後は嘘つきに変わっていた。
名前を失くしたロイゼは、消えることにした。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スキルを奪われてお詫びチートをもらったので余生を楽しく……過ごさせてくれ
異世界に召喚されたその日、巻き込まれた青年に俺が得るはずだったスキルを奪われた。
お詫びとしてチートスキルを授かった俺は、第二の人生くらい好きに生きようと旅に出る。
行き着いた先は、寂れた町の場末の酒場だ。
なぜか客は男ばかりだが、日雇い冒険者や恐妻家の肉屋たちとの気楽な毎日は悪くない。
……ただ一人、どう見ても貴族のような美青年がこの地味な酒場へ通ってくる理由だけは、さっぱりわからない。
「お前らツケはやめろ」
そんな穏やかな日々を送っていたはずなのに、ある日、酒場へ厄介な依頼が舞い込んできた――。
他サイトでも掲載しています。
不定期更新です。
異世界転移した僕と彼のスキルは「貯金箱」と「犬」だったので即追放。でもこれが意外と強かった
高校の英語の授業中、勇者召喚で僕たちクラスメイト7名は異世界にやって来た。
目的は魔王討伐では無くて、高難易度ダンジョンの封印?!
でも僕ユイトのスキルは「貯金箱」、エイジは「犬」。
役立たず認定で、二人とも城を追放されてしまった。
のんびり暮らそうとしたけどそうもいかなくなって。
僕たちは奇妙なスキルを駆使して異世界で生き延びる。
緩~いファンタージ物語です。のんびりと書いていきます。
本文はなるべく簡潔に、サクサク進むようにしています。
暇つぶしに読んでいただいて、楽しんでくださると嬉しいです。
なろう様にも投稿。
『お前が運命の番だなんて最悪だ』と言われたので、魔女に愛を消してもらいました
竜族の王子フェリクスの成人の儀で、侯爵令嬢クロエに現れたのは運命の番紋。けれど彼が放ったのは「お前が番だなんて最悪だ」という残酷な言葉だった。
異母妹ばかりを愛する王子、家族に疎まれる日々に耐えきれなくなったクロエは、半地下に住む魔女へ願う。「この愛を消してください」と。
恋も嫉妬も失い、辺境で静かに生き直そうとした彼女のもとに、三年後、王宮から使者が現れる。異母妹の魅了が暴かれ、王子は今さら真実の愛を誓うが、クロエの心にはもう何も響かない。愛されなかった令嬢と、愛を取り戻したい竜王子。番たちの行く末は――。
愛犬たちと異世界辺境スローライフ~王家から逃げたアラサー女子、スマホ通販で快適生活~
女子高生と一緒に異世界へ聖女召喚された、アラサー女子・一ノ瀬玲。
ところが、召喚された二人を待っていたのは、あまりにも残酷な現実だった。
聖女として期待される女子高生とは対照的に、玲は年齢を理由に無視され、王城で居場所すら与えられない。
それでも何とか生きようとしていた玲だったが――ある日、食事に毒を盛られる。
「……私、命狙われてる?」
愛犬の柴犬・雷電とチワワのアビーに助けられ、玲は王城から逃げ出すことを決意する。
逃亡先で冒険者となった玲のランクは、まさかのFランク。
そんな玲を助けてくれたのは、辺境へ向かう騎士団長・レオンハルトだった。
そして玲のスマホには、異世界へ来た時から謎の【異世界モード】が存在していた。
【異世界通販】
【異世界銀行】
【アイテム収納】
【マップ】
【翻訳】
【ステータス】
「……これ、もしかしてチートじゃない?」
王家から逃げながら、愛犬たちと辺境を目指す玲。
魔物と戦ったり、旅をしたり、異世界通販で買い物したり。
ちなみに、記念すべき異世界通販の初購入は――犬のウンチ袋。
王城では散々だったけれど、もう戻るつもりはない。
アラサー女子と愛犬たちの、ちょっと騒がしくて、時々ほのぼのな異世界辺境生活が始まります。
初投稿なので誤字脱字
支離滅裂有るかと思います
凱旋した英雄は聖女を選びました。~冬の補給路を守っていた私は静かに軍を去ります~
「君は後方にいただけだ」――
凱旋した英雄の婚約者からそう切り捨てられた私は、
静かに軍を辞職しました。
――冬の補給路管理。
――兵糧配分。
――医薬品輸送。
――損耗率管理。
全部、私の仕事だったのですが。
三週間後、
王国軍は補給崩壊。
「なぜ食糧が届かない!」
「なぜ兵が飢える!」
……逆にお聞きしますが、
今まで“なぜか全部上手く回っていた”理由を、
一度でも考えたことはありましたか?
これは、
誰にも評価されなかった兵站官(へいたんかん)が、
隣国の辺境伯にだけ価値を見抜かれ、
人生を取り戻す物語。
今更「戻ってきてくれ」と泣きつかれても、
私は隣国の最高機密ですので――!