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本編
740 最大戦力
「いつにも増して、アクセル全開だなあ……」
一部崩れ去った山から視線を前へと戻して呟く。
キングさんたちは、もう遥か彼方って感じ。
あの突進攻撃を受けて、平気ではないはずだ。
「にしても……」
今後のことを考えて、少しだけため息を吐く。
「ダンジョン外でも俺の防御貫通するんだよな、あいつら」
断崖凍土の最終守護者であるラブも言っていた。
ダンジョン外での活動に関しては力が弱くなる、と。
即ち、あいつらは自分のホームだと今よりも強い。
「まったく厄介な連中に絡まれたもんだ」
希少鉱石で作られたガーディアンは大量に倒して来た。
しかし、一致団結した守護者とはまだ戦ってない。
あ、ちなみに守護者もガーディアンも言葉としては一緒だ。
俺の中での線引きとして、ガーディアンはゴーレムみたいな感じ。
指示されたことを忠実にこなすロボットみたいな存在とも言える。
自分の意思を持って孤立して動く存在を守護者ってことだな。
話を戻す。
守護者クラスとの対決は今まで多対一しかしてこなかった。
その戦いに加わるとすれば、強い守護者集団が相手である。
今までみたいにはいかない。
だからいくとしても戦力が必要だと思っていた。
「ビシャスは、俺の情報をどれだけ仕入れるんだろうな……」
面倒だ面倒だとは言ってるけど。
相手が情報を蓄積し、本腰を入れる前に叩きたい。
それも本音だったりする。
キングさん、ロイ様、ジュニア。
図鑑の召喚制限から選りすぐると、この辺り。
ワシタカくんにはすまないが、戦力外だ。
ついていけるか、いけないかって問題ではない。
広い空間ならまだしも、空間を限定されると不利だ。
ってことで、スライム系現状最上位のロイ様。
そしてフォルの能力を用いたグレイト化したキングさん。
これらが図鑑最大戦力となる。
ジュニアはダンジョンコア相手に陣取りを仕掛ける役目だ。
強い相手を二人に任せて、俺と一緒に削りあいのみに注力する。
「あとは大精霊2体と邪竜だけど……」
顕現って一人で複数召喚ができないからなあ……。
イグニールと一緒に最初は大精霊で拮抗。
それから最後の手段として邪竜を呼び出そう。
時間制限があるものの、イビルテールは現状俺の最大最強。
それこそ、現状キングさんをも超える強さなのだ。
「はあ、面倒くさいなあ……」
果たしてそれだけで足りるのか、と少し不安になってしまった。
ひとまず目の前の敵はなんとかなったけど。
その後ろに控える奴らの実力がなんとも言えない、わかならい。
準備がこれで足りるのか、すごく不安だ。
「さっさと帰って準備をした方が良いな、これは」
飛空船のドラグーンは正直取っ払ってもらおうと思ってたけど。
こうなったらより一層強化したものを搭載してもらう必要も。
つーか、そもそもみんなを連れていくべきか?
ダンジョンコア2体を相手にするとかやばいぞ。
割と真面目にそう思う。
「ウィンストつれて、一人で行くほうが良いのか、これ」
崩れ去った山を見ながら、俺はそんなことを思っていた。
バケモノの戦いって、ある意味こんなもんだ。
地形が崩れる、天変地異まがいの出来事の連続。
レベルは上がって強くなれど。
俺の本質はただの弱者だから、ついていけるか心配である。
お荷物になりかねないのだが、俺がいないと話にならない。
「まあ、イグニールに相談しよっと」
こう言う時こその、嫁ちゃんよ。
キングさんやロイ様、ポチゴレオ。
みんなにも相談して、どうするか決めたほうがいい。
一人で決める必要はないんだから。
「プルァ」
「お、帰って来た。おかえりキングさん」
元の大きさに戻ったキングさんが、白目を剥いたキモキバくんを連れてくる。
マジで良い所無しの出オチだったな、こいつ。
「キングさん、別にそのまま消滅させてもよかったんだけど」
「プルァ」
意外と耐久力高くて一撃じゃ仕留めきれなかったそうだ。
だから、連れて来て情報を聞き出しても良いとの判断らしい。
「それもそうだな」
もはや虫の息。
胸の内に埋めく不安の解消材料として、何か聞ければ良いのだが……。
「……──アヒャッ、教えると思うか?」
白目が戻って、ぎょろりと瞳孔が俺を向く。
「言ったろ? 奪われるのは嫌いなんだよ」
「そっか」
意地でも話さないってつもりなら、あとは処理するだけだ。
速やかに、迅速に、後腐れなく。
「だが、一つだけサービスとして教えてやる」
「むむ?」
=====
最近短くてすいません。
感想 9,840
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