装備製作系チートで異世界を自由に生きていきます

tera

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本編

749 わいわいがやがや

「す、すげぇ……これが飛空船とやらか……」

「そ、空を飛んでますよ本当に!」

「改めて乗ってみると、トンデモナイ代物ですね」

 ガレー、ノード、レスリーの反応である。
 飛空船はすぐさまサルトを発ち、ギリスに向かっていた。

「外に出てみたいんですけど、良いんですか?」

「試しに出てみたら? どうなるか知らんけど」

「えっ」

 うずうずとするノードの言葉にそう返すと固まっていた。

「し、ししし、死ぬんですか?」

「ある程度レベルが高かったら問題ないはず。俺は問題なかった」

 装備の効果にもよるんだけどね。
 寒さ、暑さ、環境によるダメージは装備で無効化してるから。
 それでもイグニールの炎が熱いと思えてしまうのって……。
 超特大の火球を見たイメージによる精神的ダメージである。

「ガレーさん試しに出て見てくださいよ」

「吹っ飛ばされたら真っ逆さまだぞノード!」

「風の魔法スキルでなんとかなるでしょ!」

「ならんわ!」

 やいのやいの言い合う二人に、骨がニョホニョホと笑いながら言った。

「大丈夫ですぞ~、あくまで船の上だったら心配無用ですぞ~」

「そうなの?」

「トウジ様はそういうの関係ないレベルだからわからないと思いますけど、クロイツから帰る途中みんな出てましたぞ」

「あーね」

 説明によれば甲板の上でも浮遊結晶の効果によって安定しているとのこと。
 それに追加して、オカロは一般市民を乗せることを想定しているため。
 魔力障壁を利用した薄い膜のようなものも常に張り続けているそうだ。

「出ても死なないってさ、船長のお墨付きだよ」

「わーい! ガレーさん行きましょう!」

「ほ、本当に大丈夫か? でも少しでも甲板から顔を出したら……」

「ワシタカくんの飛行速度は尋常じゃないので持ってかれますぞ」

「もっ……」

 ロック鳥はドラゴンがいなければ空の王者のような存在。
 その最高速度は、計り知れないのである。
 俺らを連れて飛んでくれている時は、気を使って手を抜いているらしい。

「ほ、本当に大丈夫だろうな~! 落ちた時のことを想定するととんでもなく怖い!」

「わかるよ、その気持ち」

 飛行機に乗ったりすると、常に考えちゃうよね。
 無事に離陸できるかな、とか。
 無事に着陸できるかな、とか。

「鳥の翼のような揚力ではなく、浮遊力なので基本問題ありませんぞ」

 そう、骨の言う通り。
 揚力ではなく浮遊力という異世界仕様だから、あまり危険はない。
 コア部分の浮遊結晶はヒヒイロカネ製の朽ちることのない超合金。
 そして船自体は竜の名を冠する大樹のもので、鉄より軽くて丈夫。

 すごいよなあ異世界って。
 魔力とかいう謎システムでとんでもないものが作れてしまうのだ。
 その分コスト面で行くと、バカみたいな代物なんだけどね!
 でも自分で取ってきたもんだから、俺の人件費以外ただだぞ。

「安全ですって! ガレーさんこういう時だけビビりますよね!」

「お前の無邪気さに付き合って、何度死にかけたと思ってんだ!」

「お外行くの? あたしも行く! ポチとピーちゃんとゴレオも行くし!」

 やいのやいのと連れ立って甲板に出て行く大勢。
 変な雲が出なきゃ良いね。
 あのいやらしいやつ。
 でも男勢が多いから別に出たところでって感じか。

「それにしても、良き関係性ですなあ」

 そんな様子を見ながら骨が呟いた。

「おう、仲良しが一番だ」

「いえ、昔の賢者どのが見たら鼻血を出す光景ですぞ」

「……どう言うこと?」

「ボーイズラブとやらが大好物と言っていたんですぞ~」

「へ、へえ」

「空き時間によく漫画を書いてらっしゃいました。剣聖と勇者のラブストーリーを」

 すっごいどうでも良い情報だった。
 骨から色々な時系列を聞いたのだが、召喚された異世界側の時間軸は違えど。
 召喚元になった俺たちのいた世界の時間軸は同じらしい。

 残念ながら、俺はバイトを曜日単位で入れていて、日時とかそう言うのは覚えていない。
 だから詳しい日時を照合することはできないのだが、生年月日は似たようなものである。

「何かしら、そのボーイズラブって?」

「イグニールさんも興味ありますかぞ?」

「知らないから気になっただけなんだけど……男同士の恋愛のこと?」

「恋愛というか、友情というか、とにかく信頼し合う。そこに迸る真性のラブを感じるらしいですぞ!」

 あ、あくまで賢者がですが、と言葉を後付けする骨。

「ふーん……」

 そしてイグニールの視線が俺に向く。

「な、なんすか」

「トウジはそういうのじゃないわよね?」

「断固としてな」

 俺はノーマルだ。
 ってか結婚したじゃん、夫婦じゃん、証拠あるじゃん。
 ノーマルの。
 性欲は消えてしまえど、家族愛は残っている。
 あ、でもそれって守りたい連中って意味だから男も女の関係ないのか。
 あれあれ、なんだか色々と分からなくなってきたぞ……。

「俺は、ノーマルだよな?」

「ん? 何の話かよくわからんが、とりあえずひと風呂一緒に浴びようトウジ。この船、そこそこ大きめの風呂もついてて実に快適な船じゃないか。入らねば」

「お前に聞いたの間違いだった」

「聞いておいて頭を抱えるとは失礼だな。ギリスの家にもでかいのがある通り、風呂は好きだろう? 今後の予定について色々とゆっくり話しておきたかっただけなのだが……」

 タイミングよ。
 ホモの話題の途中で、男と一緒に風呂に入るのは地雷だ。

「ふーん」

 案の定、イグニールの視線が鋭くなっていた。

「ふ、風呂は良いや……あとでイグニールと一緒に入るから……」

「何気に爆弾発言ですぞ」

「なんでこの話の流れで私と一緒に風呂に入ることになってんのよ。性欲ないくせに」

「ぐっ」

 性欲あったほうがマズイだろ!
 風呂ってのはな、体を清めるところなんだよ。
 あと、ポチの無駄に泡立つ毛並みで泡を作って雪だるまとか言って遊ぶんだ。
 そしてポチに俺の生え際チェックをしてもらい、安心する行事である。

「まあ良いわよ。入るわよ。抜け毛のチェックでもしてあげる」

「ど、どうも……ってなんでそれ知ってるの」

「ポチが教えてくれた」

 ポチ!!!!!!!!!!!!!

「なんだ、トウジは薄毛に悩まされているのか? 特別そうでもない気がするが」

「未来への不安ってやつだ」

 ただでさえゴタゴタのストレスで、胃に穴が開くんじゃないかって気持ちである。
 おきて枕の髪の毛をチェックする生活が続いているのだ。
 異世界なんだからハゲに効くポーションとかないのか?
 最近デコが広くなってきた気がしないでもなくて、気が気じゃないんだ。

「こないだジュノーが食べながら寝落ちした飴が溶けて枕と髪の毛くっついてたわね」

「デリケートなのに、あいつのそういうところ嫌い!」





=====
あまり描写はありませんでしたが、基本ポチをトウジが洗い、トウジをポチが洗います。
頭部に関しては、基本的にやさーしくやさーしくポチがマッサージしてくれています。
髪は、カルマストレスとともに生きるトウジの中でもかなり大事なものとなっています。
はたして。
感想 9,840

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