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本編
817 どこへ帰還したのか
大変だ、帰還のスクロールはこの世界でも有効だった。
遠くに作ったダンジョンの入り口も似たようなもんだし、使えても不思議ではない。
そこを留意しておかなかった俺のミスだが、そんなこと考えもしなかった。
ともかく……。
これは、軽くやばい状況なのではないか?
マイヤーはいったいどこに帰還してしまったのか。
全てはこの帰還のスクロールのみぞ知る。
「はあ、まさかこんなことになるなんてな……」
こういう時に限って、マイヤーをグループ機能に追加していない。
故に、マップの位置情報に出ることもないのである。
ぶっちゃけ探しに行かなくとも、マイヤーならば勝手に帰ってこれる。
それだけのバイタリティは持っている商人娘だ。
しかし、最近の状況を考えると、ここで探しにいかないのは不味い。
友情ぶっ壊れかねないのでさっさと探しに行くことにしよう。
「俺も使ってみるか」
とりあえず帰還場所が俺のものならば使えばすぐに見つかる。
個人のものであるならば、俺が使ってみてどこに帰還したか。
それを元に色々と考えることができる。
「よーし、帰還」
──シュン!
「わっ!?」
「え? パンケーキがない!」
「アォン!?」
「……!?」
「クエーッ!?」
……あれ?
帰還のスクロールを使用すると、何故かイグニールとポチたちも付いてきた。
いきなり切り替わった風景に、それぞれが驚いた表情を浮かべている。
なるほど、グループメンバーならば一緒に帰還することができるって寸法ね。
「トウジ、妙に冷静な顔してるけど……どういうことか今すぐ説明しなさい」
「あ、はい」
俺の顔色を読んだイグニールに詰め寄られ、俺の部屋で起こった出来事についての説明を行う。
ついでにアンドロイドのことも話しておくか。
「かくかくしかじか……ってな訳で、マイヤーがどこかに帰還したから探すついでに使ってみた」
「そう言うのは、みんなに説明をちゃんとしてからやりなさいよ」
「すいません」
「定期依頼の報酬受け取り損ねちゃったじゃないの」
どうやらイグニールはギルドに家から薬草を受け渡しに行っていた最中だったようだ。
強化に支配された俺の散財っぷりを加味して、彼女はちまちま老後のための貯蓄に専念してくれている。
最近サボり気味なギルドとの関わりもうまくやってくれているようなので、本当に良き嫁である。
「ねー! トウジのせいでパンケーキ消えたんだし!」
「ああ、ほら」
インベントリにたまたま入っていた俺の食べかけのパンケーキを出して文句を言うジュノーに渡す。
「このパンケーキじゃなくて、さっき目の前にあったパンケーキが食べたいんだし!」
「そんなこと言われてもなあ」
もう目の前にないんだから、仕方ないじゃん。
「これ食べないならしまうぞ」
「食べるし!」
食べるんだ……。
まあ、これで黙るからこいつは良いでしょう。
「とにかくマイヤーを探さなきゃいけないんだけど、その前にここはどこだ?」
周りに目を向けて、俺の記憶にあるか確かめる。
思い出した。
「ここ、クロイツ王城だ」
帰還のスクロールを使った先は、クロイツ王城であることが判明する。
俺が2回目の召喚を味わった大広間だった。
ここで2回目の召喚が行われなかったらデプリ王城に帰還していた可能性もある。
そういう意味では、アドラーにも感謝していいかもな。
「クロイツ王城ねえ……で、マイヤーはどこかしら?」
「いないってことは、恐らく別の場所だ」
「別の場所って?」
「恐らくトガル国境の町、サルト」
確か、アルバート商会の大元はサルトの店舗だったはず。
そこから財を成してトガル首都の方へ移ったと聞いた。
「なら、私が使えばサルト行きよね?」
「そっか、イグニールが生まれた場所ってサルトだっけ?」
「うん」
「よし、なら早速移動するか」
「ちょっと待ってパンケーキだけでもゆっくり食べる時間欲しいし!」
「えー……」
悠長にしてる暇はないんだがなあ……。
「うまうまうまうま」
ダンジョンコアのおやつタイムを黙って見ていると、目の前に急にドアが出現した。
「アドラーアドラー! やっぱり誰か入ってきてるって!」
「待ってくださいケープ」
「早く早く!」
「まったく防衛網はそれなりに固めているのに、そんなことって有りえるんですか……って、あれ?」
遠くに作ったダンジョンの入り口も似たようなもんだし、使えても不思議ではない。
そこを留意しておかなかった俺のミスだが、そんなこと考えもしなかった。
ともかく……。
これは、軽くやばい状況なのではないか?
マイヤーはいったいどこに帰還してしまったのか。
全てはこの帰還のスクロールのみぞ知る。
「はあ、まさかこんなことになるなんてな……」
こういう時に限って、マイヤーをグループ機能に追加していない。
故に、マップの位置情報に出ることもないのである。
ぶっちゃけ探しに行かなくとも、マイヤーならば勝手に帰ってこれる。
それだけのバイタリティは持っている商人娘だ。
しかし、最近の状況を考えると、ここで探しにいかないのは不味い。
友情ぶっ壊れかねないのでさっさと探しに行くことにしよう。
「俺も使ってみるか」
とりあえず帰還場所が俺のものならば使えばすぐに見つかる。
個人のものであるならば、俺が使ってみてどこに帰還したか。
それを元に色々と考えることができる。
「よーし、帰還」
──シュン!
「わっ!?」
「え? パンケーキがない!」
「アォン!?」
「……!?」
「クエーッ!?」
……あれ?
帰還のスクロールを使用すると、何故かイグニールとポチたちも付いてきた。
いきなり切り替わった風景に、それぞれが驚いた表情を浮かべている。
なるほど、グループメンバーならば一緒に帰還することができるって寸法ね。
「トウジ、妙に冷静な顔してるけど……どういうことか今すぐ説明しなさい」
「あ、はい」
俺の顔色を読んだイグニールに詰め寄られ、俺の部屋で起こった出来事についての説明を行う。
ついでにアンドロイドのことも話しておくか。
「かくかくしかじか……ってな訳で、マイヤーがどこかに帰還したから探すついでに使ってみた」
「そう言うのは、みんなに説明をちゃんとしてからやりなさいよ」
「すいません」
「定期依頼の報酬受け取り損ねちゃったじゃないの」
どうやらイグニールはギルドに家から薬草を受け渡しに行っていた最中だったようだ。
強化に支配された俺の散財っぷりを加味して、彼女はちまちま老後のための貯蓄に専念してくれている。
最近サボり気味なギルドとの関わりもうまくやってくれているようなので、本当に良き嫁である。
「ねー! トウジのせいでパンケーキ消えたんだし!」
「ああ、ほら」
インベントリにたまたま入っていた俺の食べかけのパンケーキを出して文句を言うジュノーに渡す。
「このパンケーキじゃなくて、さっき目の前にあったパンケーキが食べたいんだし!」
「そんなこと言われてもなあ」
もう目の前にないんだから、仕方ないじゃん。
「これ食べないならしまうぞ」
「食べるし!」
食べるんだ……。
まあ、これで黙るからこいつは良いでしょう。
「とにかくマイヤーを探さなきゃいけないんだけど、その前にここはどこだ?」
周りに目を向けて、俺の記憶にあるか確かめる。
思い出した。
「ここ、クロイツ王城だ」
帰還のスクロールを使った先は、クロイツ王城であることが判明する。
俺が2回目の召喚を味わった大広間だった。
ここで2回目の召喚が行われなかったらデプリ王城に帰還していた可能性もある。
そういう意味では、アドラーにも感謝していいかもな。
「クロイツ王城ねえ……で、マイヤーはどこかしら?」
「いないってことは、恐らく別の場所だ」
「別の場所って?」
「恐らくトガル国境の町、サルト」
確か、アルバート商会の大元はサルトの店舗だったはず。
そこから財を成してトガル首都の方へ移ったと聞いた。
「なら、私が使えばサルト行きよね?」
「そっか、イグニールが生まれた場所ってサルトだっけ?」
「うん」
「よし、なら早速移動するか」
「ちょっと待ってパンケーキだけでもゆっくり食べる時間欲しいし!」
「えー……」
悠長にしてる暇はないんだがなあ……。
「うまうまうまうま」
ダンジョンコアのおやつタイムを黙って見ていると、目の前に急にドアが出現した。
「アドラーアドラー! やっぱり誰か入ってきてるって!」
「待ってくださいケープ」
「早く早く!」
「まったく防衛網はそれなりに固めているのに、そんなことって有りえるんですか……って、あれ?」
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