543 / 650
本編
843 欲望
【サモンカード:スライムロイヤル】名前:ロイ
等級:レジェンド
特殊能力:クリティカル確率25%
特殊能力:クリティカル確率25%
これが、ロイ様の特殊能力だ。
クリティカル確率は合算なので50%として見てもらえればいい。
クリティカルダメージの威力は、ゲームでは100%上乗せ。
つまり、2倍である。
反射のダメージ量は、元の攻撃の50%。
クリティカルと合わせて、そのままの威力がアローガンスに返った。
「20%は何度も引くのに、50%はようやく一回、か……」
それも運。
されど運。
俺はこれまで運を何度も相手にして、屈服させてきた。
あ、戦闘じゃなくて、装備製作の話ね?
今ある装備をこしらえるのに、どれだけの装備が消えていったかってことだよ……。
1度きりしかない、生死をかけた運試しは流石に糞だと思う。
しかし、何度もチャンスが巡り合ってくる状況ならば、だ。
「俺は何度でもやるぞ? 自分の攻撃でお前が泣き言を言うまでな」
成功を掴むまで、心が折れることは絶対にない。
頭がおかしいレベルの粘着体質だと思うが、元々俺はこんなもんだ。
「何度もって……トウジ、痛くないし?」
「痛い、はずよね……」
「多少痛くとも、当たりを引くためだと思えば我慢できる」
そう答えると、ジュノーとイグニールはドン引きしていた。
もしこの世界の通貨で課金ガチャを回せていたとしたら……。
考えるだけでも恐ろしいね、きっと回しまくっていた。
「さすがに私も度が過ぎていると思うが、まあ、盟主がいいのならいいんだろうな」
「今更気にしても仕方あるまい、元からこんなもんだぞ、主は」
散々な言われようだが、否定しないぞ。
金やドロップ目当てに魔物乱獲するからね。
たぶんその時の俺の表情はキングさんのにやけ面に酷似している……と、思う。
「で、どうするアローガンス」
視線をアローガンスに戻して、言う。
「もう終わりか? 終わっちゃうのか? ん?」
「……ぐ、ぬ」
煽られるまま放った強目の攻撃をその身に受けたからか。
奴はまだ立ち上がれないでいた。
分体ならば、すぐにでも立ち上がれそうなものだが……。
ああそうか、結構心にダメージをおってんのね。
散々煽り散らかして、結局立場が変わらないのだから仕方がない。
立っているのは俺で、地べたに這いつくばってるのはお前。
デコピンにこだわらずに、もっと別の攻撃とかをしていたらよかったのに。
単純な衝撃波って、ボスキャラとしての持ち味を台無しにしている。
憤怒とか暴食とか、最初から回復阻害してくる分、大変だったぞ。
「先に俺の大事なものをぶっ壊したのはお前だからな?」
「しつこい、であーる……」
「もう終わりなら、お前の大事なものもぶっ壊すぞ」
請求書っぽくまとめておくと、俺の損害額はやばい。
飛空船の主素材である竜樹は3億越えだ。
自分で育てているし、予備もあるが、価値は基本プライスレス。
中身のバッテリーもこの世に5台しかないのでプライスレス。
積んでいた兵器もこの世に一つしかないのでプライスレス。
飛空船の主要設備、価値は知らんけど贅沢に作ったのでプライスレス。
──みんなで乗った思い出、プライスレス」
思い出補正のおかげで、同じものは2度と作り出せないんだぞ。
新しい船を作るのにも、またしばらく時間がかかってしまう。
まだまだやることたくさんあるってのに、どうしてくれるんだ。
これから海を越えて、大陸を東に向かい。
魔国、をさらに越えた砂漠にも行く予定が……どうしてくれる!
「とにかくこの損害を補填できるなら、この辺で手打ちにしてやる」
「ふん、話が長過ぎて頭に入ってこないであーる」
「耳も遠いだなんて、傲慢なのは歳のせいなのかな? あ、理解できないのはバカだからか」
口喧嘩で俺に勝とうだなん、舐めんな!
今の状況は明らかにこいつに非があるからな、負けないぞ。
「ぶち殺す、であーる! 我に回復する時間を与えたのが間違いだったであーる!」
「だから、何度やったって同じだって」
「貴様は一撃食らうごとに回復していたであーる!」
そう言いながら、アローガンスは一瞬で俺に肉薄。
至近距離、両手でデコピンの構えをとった。
「威力は下がるが、至近距離から連続攻撃をお見舞いするであーる!」
──ボッボッ!
「ッ! なんで聞いてないであーる!」
「言ったろ? 何度やったって同じだって」
威力控えめだった分、吹っ飛ばされることなく堪えることができた。
2撃目は、無敵時間発動してるからそもそもがノーダメージ。
秘薬を飲みながら、言う。
「……つーか、両手でデコピン作るって……なんかダサくね?」
「うおおおおあああああああああああああ!!!」
うわ、なんか怒号を上げ始めたんだけど。
=====
物理脳筋相手だと、基本的にトウジは対処しきります。
割と初期の段階から物理相手には固めてました。
もっとも、普通の人だったらデコピン即死なんで無理です。
あなたにおすすめの小説
間違えられた番様は、消えました。
夕立悠理
恋愛
※小説家になろう様でも投稿を始めました!お好きなサイトでお読みください※
竜王の治める国ソフームには、運命の番という存在がある。
運命の番――前世で深く愛しあい、来世も恋人になろうと誓い合った相手のことをさす。特に竜王にとっての「運命の番」は特別で、国に繁栄を与える存在でもある。
「ロイゼ、君は私の運命の番じゃない。だから、選べない」
ずっと慕っていた竜王にそう告げられた、ロイゼ・イーデン。しかし、ロイゼは、知っていた。
ロイゼこそが、竜王の『運命の番』だと。
「エルマ、私の愛しい番」
けれどそれを知らない竜王は、今日もロイゼの親友に愛を囁く。
いつの間にか、ロイゼの呼び名は、ロイゼから番の親友、そして最後は嘘つきに変わっていた。
名前を失くしたロイゼは、消えることにした。
『病弱な幼馴染を優先してください』と言った妻が消えた翌日、夫は領地の会計書類が全て白紙になっていることに気づいた
歩人
ファンタジー
侯爵家に嫁いで五年。ルチアは夫エミルの領地会計・社交・使用人管理を全て一人で担ってきた。だがエミルはいつも幼馴染のアリーチェを優先する。「アリーチェは体が弱いんだ、お前とは違う」——その言葉を百回聞いた日、ルチアは微笑んで離縁届に署名した。「ええ、私は丈夫ですから。どうぞ幼馴染様をお大事に」。翌朝、エミルが目にしたのは——税務報告の締切、領民からの陳情の山、そして紅茶の淹れ方すら知らない自分。三ヶ月後、かつて「地味な妻」と呼ばれたルチアは、辺境伯の財務顧問として辣腕を振るっていた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!