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20 初めての市場
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「私たちは上に戻りましょう。クエスト達成のお手続きをします」
「お願いします」
そんなわけで協同組合のカウンターに戻ってきたオレは、クエスト攻略報酬を貰った。やっぱり一頭丸ごと持ってきたのがよかったのか、かなりの大金が手に入った。
「ありがとうございました。またよろしくおねがいしますね」
「ああ。ウリンソンボアならまだ四体くらいあるんだが、解体を頼んでいいか?」
「ボアが四体も!?」
受付のエルフさんが驚いて大声をあげる。そんなエルフさんが珍しいのか、協同組合にいたみんながえるふさんを見ていた。
「し、失礼しました。解体も受け付けていますので、ぜひご利用ください。ただ、今は解体室がいっぱいなので後日にしていただけると……」
「わかった」
明日また解体室は空いているか訊いてみよう。
そんなわけで、思わぬ臨時収入と時間ができたオレは、樹上都市ウリンソンを回ってみることにした。
ウリンソンは、まるで鎖のようにドーナツ型の大きな足場が連なった都市だ。
なぜわざわざドーナツ型なのか。それは、地上部分に太陽の光を届けるためだ。これによって、樹上都市の下、地上部分でもちゃんと明るいのである。
オレは大樹に板が突き刺さっただけという原始的な螺旋階段を下りて、ウリンソンの地上部分へとやって来た。
地上部分といっても、スラムといった感じはしない。たしかに樹上部分よりも猥雑な雰囲気はするが、普通に赤ん坊を抱いた母親も歩いている平和さだ。
「たしか市場があったはずだが……」
ウリンソンの地上部分を散策しているのだが、小さな露店はあるが大きな市場が見つからない。
人に訊いてみるか。
「ちょっといいか?」
「はい?」
振り返ってくれたのは、茶色い髪の兎族の女性だった。頭の上に生えた長いケモミミがとってもチャーミングだ。
触りたい……。モフりたい……!
だ、だが、オレにはフアナをいう心に決めた人が……ッ!
でも、嫌われるのが怖くて未だにフアナをモフれてないし……。少しだけなら……。いや、ダメだ! そんな浮気みたいなマネはできない!
「くっ!」
「あの、どうされました?」
「いや、大丈夫だ」
「はあ……?」
くそモフりたい! だが我慢だ、バルタザール。お前は我慢のできる良い子だ。ビークール。冷静になれ。
「ふぅ……すまない。訊きたいのだが、市場はどこだろうか?」
「市場でしたら、今日は七番街ですよ」
「七番街?」
はて? ゲームにはそんな表記はなかったはずだが?
「あなた、もしかしてお上りさんかしら?」
「まぁ、似たようなものだな」
「このウリンソンでは、同じような光景が続くでしょう? だから、街に番号を振って管理してるのよ」
兎族の女性の話では、街のドーナツの部分一つ一つに番号が振られているらしい。
「七番街というのはどっちにあるんだ?」
「あっちよ」
「そうか。ありがとう」
「いえいえ」
ちょっと惜しい気持ちを残しつつ兎族の女性と別れると、オレは教えられた方向に歩みを進める。しばらく歩くと、一際賑やかな場所に出た。
「安いよ安いよー! 胡椒がこのお値段だ!」
「トカゲ肉はいらんかね? 安くしておくよ」
「トウモロコシはいかがかな? 農場直送で新鮮だよー!」
「芋! 芋! 芋!」
「シルクスパイダーのシルクはどうだい? 安くしとくよ?」
「毛皮! 安い! 買え!」
まだ離れているのに、ここまで声が聞こえてくるとは。賑わっているようだな。
オレは市場に入ると、店を巡っていく。今日の狙いは小麦だが……売ってるかな?
「お! トマトあるじゃん!」
「お兄さんカッコいいね! オマケしちゃうよ?」
「トマトをくれ。ここにあるの全部だ」
「ひょえー!?」
トマトやスパイスなどなど、この一週間で消費した食材を買い足していく。
肉は虎族のみんなからよく貰うから買わなくてもいいな。小麦が欲しいんだが……。やっぱりないな……。
店を一つ一つ見ていくが、なかなか小麦が見つからない。やっぱり戦争の影響で輸入ができていないのだろう。
「おお!」
そんな中、求めていた小麦粉とは違うが、小麦製品を見つけた。
「パスタじゃん!」
「おや? お兄さん、これが何か知ってるのかい?」
クマミミの店主が驚いたようにオレを見ていた。
「ああ、もちろん知っている。パスタだろ? もしくはスパゲッティ」
「よく知ってるね。仕入れの時、食べておいしかったから買ってみたんだけど、みんなに馴染みがないのかなかなか売れなくてね。よかったら買ってくれないかな? 安くしとくよ」
パスタは木の箱に入れられ、それが五箱並んでいた。これだけ量があればしばらくはいけるな。
「全部買うぞ!」
「ぜ、ぜんぶ!? 嬉しいけど、いいのかい?」
「ああ、全部だ」
こんな所でパスタが買えるとは思わなかった。ゲームではこんなことはなかったから驚いたが、やっぱり探せばあるんだな。
この分だと、他にも掘り出し物があるかもしれない。
「お願いします」
そんなわけで協同組合のカウンターに戻ってきたオレは、クエスト攻略報酬を貰った。やっぱり一頭丸ごと持ってきたのがよかったのか、かなりの大金が手に入った。
「ありがとうございました。またよろしくおねがいしますね」
「ああ。ウリンソンボアならまだ四体くらいあるんだが、解体を頼んでいいか?」
「ボアが四体も!?」
受付のエルフさんが驚いて大声をあげる。そんなエルフさんが珍しいのか、協同組合にいたみんながえるふさんを見ていた。
「し、失礼しました。解体も受け付けていますので、ぜひご利用ください。ただ、今は解体室がいっぱいなので後日にしていただけると……」
「わかった」
明日また解体室は空いているか訊いてみよう。
そんなわけで、思わぬ臨時収入と時間ができたオレは、樹上都市ウリンソンを回ってみることにした。
ウリンソンは、まるで鎖のようにドーナツ型の大きな足場が連なった都市だ。
なぜわざわざドーナツ型なのか。それは、地上部分に太陽の光を届けるためだ。これによって、樹上都市の下、地上部分でもちゃんと明るいのである。
オレは大樹に板が突き刺さっただけという原始的な螺旋階段を下りて、ウリンソンの地上部分へとやって来た。
地上部分といっても、スラムといった感じはしない。たしかに樹上部分よりも猥雑な雰囲気はするが、普通に赤ん坊を抱いた母親も歩いている平和さだ。
「たしか市場があったはずだが……」
ウリンソンの地上部分を散策しているのだが、小さな露店はあるが大きな市場が見つからない。
人に訊いてみるか。
「ちょっといいか?」
「はい?」
振り返ってくれたのは、茶色い髪の兎族の女性だった。頭の上に生えた長いケモミミがとってもチャーミングだ。
触りたい……。モフりたい……!
だ、だが、オレにはフアナをいう心に決めた人が……ッ!
でも、嫌われるのが怖くて未だにフアナをモフれてないし……。少しだけなら……。いや、ダメだ! そんな浮気みたいなマネはできない!
「くっ!」
「あの、どうされました?」
「いや、大丈夫だ」
「はあ……?」
くそモフりたい! だが我慢だ、バルタザール。お前は我慢のできる良い子だ。ビークール。冷静になれ。
「ふぅ……すまない。訊きたいのだが、市場はどこだろうか?」
「市場でしたら、今日は七番街ですよ」
「七番街?」
はて? ゲームにはそんな表記はなかったはずだが?
「あなた、もしかしてお上りさんかしら?」
「まぁ、似たようなものだな」
「このウリンソンでは、同じような光景が続くでしょう? だから、街に番号を振って管理してるのよ」
兎族の女性の話では、街のドーナツの部分一つ一つに番号が振られているらしい。
「七番街というのはどっちにあるんだ?」
「あっちよ」
「そうか。ありがとう」
「いえいえ」
ちょっと惜しい気持ちを残しつつ兎族の女性と別れると、オレは教えられた方向に歩みを進める。しばらく歩くと、一際賑やかな場所に出た。
「安いよ安いよー! 胡椒がこのお値段だ!」
「トカゲ肉はいらんかね? 安くしておくよ」
「トウモロコシはいかがかな? 農場直送で新鮮だよー!」
「芋! 芋! 芋!」
「シルクスパイダーのシルクはどうだい? 安くしとくよ?」
「毛皮! 安い! 買え!」
まだ離れているのに、ここまで声が聞こえてくるとは。賑わっているようだな。
オレは市場に入ると、店を巡っていく。今日の狙いは小麦だが……売ってるかな?
「お! トマトあるじゃん!」
「お兄さんカッコいいね! オマケしちゃうよ?」
「トマトをくれ。ここにあるの全部だ」
「ひょえー!?」
トマトやスパイスなどなど、この一週間で消費した食材を買い足していく。
肉は虎族のみんなからよく貰うから買わなくてもいいな。小麦が欲しいんだが……。やっぱりないな……。
店を一つ一つ見ていくが、なかなか小麦が見つからない。やっぱり戦争の影響で輸入ができていないのだろう。
「おお!」
そんな中、求めていた小麦粉とは違うが、小麦製品を見つけた。
「パスタじゃん!」
「おや? お兄さん、これが何か知ってるのかい?」
クマミミの店主が驚いたようにオレを見ていた。
「ああ、もちろん知っている。パスタだろ? もしくはスパゲッティ」
「よく知ってるね。仕入れの時、食べておいしかったから買ってみたんだけど、みんなに馴染みがないのかなかなか売れなくてね。よかったら買ってくれないかな? 安くしとくよ」
パスタは木の箱に入れられ、それが五箱並んでいた。これだけ量があればしばらくはいけるな。
「全部買うぞ!」
「ぜ、ぜんぶ!? 嬉しいけど、いいのかい?」
「ああ、全部だ」
こんな所でパスタが買えるとは思わなかった。ゲームではこんなことはなかったから驚いたが、やっぱり探せばあるんだな。
この分だと、他にも掘り出し物があるかもしれない。
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