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4.申し訳ないのですけれど、聖女といえども人間ですもの。
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「ねえ、そこのあなた。ちょっとの間、私の代わりに祈りを捧げてもらえないかしら?」
道端の使用人を捕まえて、クレアはにこやかに微笑んだ。先ほどまでかしましくさえずっていた彼女たちは、顔を青くして口をつぐむ。今までのクレアならば自分の噂話を耳にしたところで、静かに微笑んでやり過ごしていたはずだ。突然のクレアの行動に、一同驚きを隠せなかった。
「聖女さま、ご冗談を……」
「あら、大丈夫よ。そんなに難しいことではないの。もともとショボくて地味な聖女なのだもの。特に難しい仕事なんて頼まれたりしないわ。少し、息抜きをしたいだけなの。そうね、この中のみんなで毎日交代してくれたらよいわ。私の代わりに部屋に座って聖女の振りをしていてちょうだい。王太子殿下がいらっしゃることもないから大丈夫よ。どうぞよろしくね。私から連絡があるまでは、そうしてくれないとダメよ。約束はちゃんと守ってちょうだいね」
くすくすと笑いながら、クレアは立ち尽くす使用人を置き去りにする。そんな生活をしばらく続けたクレアは、ある日許可がなければ通れないはずの門をくぐり神殿の外へ出た。必要なものは既に準備できている、何も心配はない。彼女の隣では、いつもの護衛騎士が所在なさげに立ち尽くしている。
「……聖女さま、これは一体。もしや聖女であることを捨てると?」
「まさか。私は、私らしい聖女の道を進むのです。この国の庇護はなくなってしまいますが、一緒に来ていただけますか?」
「聖女さまが望んでくださるならば、喜んで」
「では出発です!」
必死になって止めてくるかと思いきや、護衛騎士はこれまで通りクレアに従ってくれるらしい。いくら辺境出身の田舎娘とはいえ、若い娘の一人旅は危険すぎる。たとえ、巡礼者だと一目見てわかる質素なローブを頭からかぶっていたとしても、不心得者はどこにだっているものだ。何より、護衛騎士はクレアにとって特別な存在だ。ありがたい旅の連れを得て、クレアは意気揚々と足を踏み出した。
道端の使用人を捕まえて、クレアはにこやかに微笑んだ。先ほどまでかしましくさえずっていた彼女たちは、顔を青くして口をつぐむ。今までのクレアならば自分の噂話を耳にしたところで、静かに微笑んでやり過ごしていたはずだ。突然のクレアの行動に、一同驚きを隠せなかった。
「聖女さま、ご冗談を……」
「あら、大丈夫よ。そんなに難しいことではないの。もともとショボくて地味な聖女なのだもの。特に難しい仕事なんて頼まれたりしないわ。少し、息抜きをしたいだけなの。そうね、この中のみんなで毎日交代してくれたらよいわ。私の代わりに部屋に座って聖女の振りをしていてちょうだい。王太子殿下がいらっしゃることもないから大丈夫よ。どうぞよろしくね。私から連絡があるまでは、そうしてくれないとダメよ。約束はちゃんと守ってちょうだいね」
くすくすと笑いながら、クレアは立ち尽くす使用人を置き去りにする。そんな生活をしばらく続けたクレアは、ある日許可がなければ通れないはずの門をくぐり神殿の外へ出た。必要なものは既に準備できている、何も心配はない。彼女の隣では、いつもの護衛騎士が所在なさげに立ち尽くしている。
「……聖女さま、これは一体。もしや聖女であることを捨てると?」
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