美獣と眠る

光月海愛(こうつきみあ)

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私は、キレイなモノが好きだ。

雑貨にしても、

服にしても、

物語にしても、

異性でも同性でも……。



プラス、儚ければ、尚良い。
儚いものは美しい。


ずっとそういうモノばかり見てきたせいか、リアルでは俗っぽいものが苦手。
だから、恋もちゃんとしたことがない。



後藤  あきら  22歳。

一応オフィスレディとして仕事もしてる。

容姿が変だとか、言われたことはないけれど、彼氏なんてずっといない。

……というか、いらないかも。


  なぜなら。


「晶っー!!裏口からヨシ様が入ってくるとこ見たよっ!!」

「あっ??  うそっ?!今日はそっち!?」

「うん! 帽子被ってサングラスして、黒いジャケットに水玉のシャツ着てた! めっちゃ細くてキレイだった!」


「えー、悔しいー、寧々ねねが見れて何で私が見れないのよ!」


「トイレ行ってるからっしょ」

「会社から直行して会場来たから、もうオシッコ漏れそうで……」

「美しき獣 ″ Virtue ″ のライヴ会場でオシッコとか言わないの」

「そうよね、… あぁでも悔しい!ステージ以外のヨシ様見損ねるなんて!」


「キャッチコピー″謎多き美しき獣″だからね!素はなかなか公開してくれないもん」


そう。彼氏なんて作ってる暇はない。


私は、デビューして二年目に突入する美形バンド【Virtue】の追っかけをしているから。
(通称 バンドギャル=バンギャ)

毎年ツアーをやる彼らのライヴは全通当たり前。

お金もかかるので、ちゃんと昼間はみっちりDTPオペレーターとして仕事をしてる。
寧々からは見た目のギャップにも驚かれるけれど。
ライヴに臨む時の私が、本当の私。


美しいモノを見てる時は本当に幸せ。




【Virtue】とは、日本語で【美徳】という意味らしい。

名前もさることながら、このバンドは兎に角、美しさにおいて、全てが現実離れしている。

メンバーは全員美形で、中でもボーカルのヨシノリこと、″ ヨシ″は本当にキレイ。

長身で細身、長くうねった美しい黒髪は女でも憧れるし、メイクはしてもしていなくても、顔立ちは中性的で、そして、瞳が潤んでいて、どこか切なそうで……。

儚くて美しいモノが好きな私は、デビューのPVを観て、すぐに虜になった。


勿論、音楽も素晴らしい。

世間では楽曲を上手く歌いこなせてないとか、日本ではコシック音楽は流行らないとか言われてるけど、彼らの時代が必ずやって来ると、私は、信じている。
























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