美獣と眠る

光月海愛(こうつきみあ)

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 引っ張り出された外はとても寒かった。
 今にも雪が降りそうなくらい。
 こんなに夜景はキレイなのに、だから、今夜はカップルがいないんだと思った。

「ヨシ!  止めて……」

 寒さ+怖くて身体が震えているのに、ヨシが私をボンネットの上に寝かせる。

 頭も、背中も、一気に体温を失っていくのが分かった。

 起き上がろうとしても強い力で肩を押さえつけられて、

「こんなのイヤだって……」

 私は首を横に振るしかなくて……。

「なぁ、こういう映画観たことない? ホテルでもなく、 車の中でもなく、信頼してた男に外でヤられてマワされる間抜けな女の映画」

 そんなの、知らない。
 この前は、大胆にもヨシに抱かれてもいいって思ってたのに、

「泣くなよ。泣きたいのはこっちだろうが?」

 月山さんの優しい体温を知ってしまうと、こんなことしようとするヨシが、やっぱり獣にしか見えなくなった。

「それに、初めてじゃないんなら、痛くもないんだろ?」


 確かに月山さんも強引だったけれど、あの時は、私も月山さんを求めていた。

「こんなの変態だからっ」

  こんな風に外で丸見えの状態で、抵抗する女を車の上で押さえつけるなんて。
 しかも、また下から脱がそうとする――

「やめてって!変た……!」

「黙れって!」

 完全にアウトだ。

  口を、息の荒くなった唇で激しく覆われながら、それでも私は、下着が下ろされるのを全身で拒む。

 月山さんに優しく撫でられたそこは、もう他の人では潤わない気がした。














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