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玩具
美しい獣
しおりを挟む「見た目はさぁ、中性的で女よりキレイで繊細に見えるけど、中身は最低なんだって」
「最低って……?」
美嘉が鬼みたいに怖い顔して、教えてくれた美徳先輩の中身。
「言い寄ってくる女子はみんな受け入れて付き合うらしいんだけど、一回も1ヶ月以上続いたことがないんだってよ、大問題でしょ」
その噂、告る決意をする前に教えて欲しかった。
「なんで続かないんだろ?」
「さぁね、付き合ってた女の子はあんまり美徳先輩を悪く言わないから真相は不明」
「そうなんだ」
「奏みたいに可愛い女の子なら続くかな? と思ってたけど、やっぱりオススメできないわ」
オススメって。
私は、私なりの見解で、美徳先輩を素敵な人だと思ったんだけど。
「美徳先輩のニックネーム知ってる?」
「ヨシ?」
「それじゃなくて、裏のニックネーム」
……裏……
「″ 美獣 ″ だよ」
美しい獣ーーー
このときの私は、なんであの細くて繊細な美徳先輩が″獣″と呼ばれているか、全く想像出来ていなかった。
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