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裏切りと恋 3
浮気の証拠?
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何を当たり前な、とも思ったが私は彼を裏切りそうな雰囲気を出してるのだろうか?
それでも元秘書のこの人に言われると、闘争心みたいなものが湧く。
「私は、どんな事があっても解任されない限り神城CEOの為に尽力するつもりです」
そもそも彼がいなければ、この業界では秘書どころか事務員としても続いていたか分からない。
「そう」
化粧っ気のない佐藤さんの目元だが、長く濃いまつげはまるで西洋の人形のように美しい。それを一度上下させ、彼女は自分の財布から何か取り出した。
「経費として提出して貰えます?」
領収証だ。
受け取った私は、「これは……」と直ぐに頷けなかった。
「ずっと仮眠室だと体調崩すからって、先日近くのホテルに泊まったの。神城社長が経費で大丈夫って言ってたから」
料金、宿泊日と、部屋数、人数――。
ツインもしくはダブルの部屋に二人で泊まっている。
「……はい、大丈夫です」
私は、佐藤さんの顔を見ないまま、その場から去った。
ただ、声を震わさないように、と必死だった。
『いっぱいいっぱいになる前に、何でもいいから吐き出して?』
『……そんなこと言ったら、鈴木さんの中に吐き出すよ』
神城くんは、あの人にも同じことを言ったんだろうか?
「何で、私に出すの……?」
領収証を経理課に持って行きながら、本当は、それをぐしゃぐしゃと丸めたい気持ちにかられた。
自分は彼の恋人なのだと自信がないまま、それでも精神的にも、仕事上のパートナーとしても神城くんを支えたいという気持ちは確かにあった。
それなのに。
今は、嫉妬にまみれて、仕事に全集中できないでいた。
✜
サポートセンターではなく本社にかかるVR機器トラブルの電話。
専門家に訊きながら何とか作った対応マニュアル。それを目で追いながらの電話応対。
「Press Windows Key and R at the same time
(Windows キー + Rを同時に押して実行メニューを開いてください)」
「I pressed what's next?」
「Type msinfo32 and click OK」
実際にパソコンを操作しながらユーザーに電話で指示をする。1日中繰り返していくと、それこそVR酔いしたような気分の悪さを覚えた。
「鈴木さん、体調悪いんじゃないですか?」
久しぶりに姿を見せた倉林さんが声を掛けてきた。
大丈夫、と返そうとしたが、目眩もしてパソコンの画面を見てるのも辛かった。
「……少し、横になってきます」
「ええ、昼休みも取られてないでしょ? もし神城社長が来たら仮眠室にいると伝えますから」
その神城社長とは、かれこれ数日会っていない。
あちこち飛び回って会社にはいないのは、前からあったけどこんなにも自宅にもずっと戻らないのは初めてだ。
「はい、お願いします……」
ある程度の行動を把握しても、専属秘書と呼べるか微妙なほど、彼は最近は私に全てを話してくれない。
今、神城くんが何を考えてるか分からなかった。
それでも元秘書のこの人に言われると、闘争心みたいなものが湧く。
「私は、どんな事があっても解任されない限り神城CEOの為に尽力するつもりです」
そもそも彼がいなければ、この業界では秘書どころか事務員としても続いていたか分からない。
「そう」
化粧っ気のない佐藤さんの目元だが、長く濃いまつげはまるで西洋の人形のように美しい。それを一度上下させ、彼女は自分の財布から何か取り出した。
「経費として提出して貰えます?」
領収証だ。
受け取った私は、「これは……」と直ぐに頷けなかった。
「ずっと仮眠室だと体調崩すからって、先日近くのホテルに泊まったの。神城社長が経費で大丈夫って言ってたから」
料金、宿泊日と、部屋数、人数――。
ツインもしくはダブルの部屋に二人で泊まっている。
「……はい、大丈夫です」
私は、佐藤さんの顔を見ないまま、その場から去った。
ただ、声を震わさないように、と必死だった。
『いっぱいいっぱいになる前に、何でもいいから吐き出して?』
『……そんなこと言ったら、鈴木さんの中に吐き出すよ』
神城くんは、あの人にも同じことを言ったんだろうか?
「何で、私に出すの……?」
領収証を経理課に持って行きながら、本当は、それをぐしゃぐしゃと丸めたい気持ちにかられた。
自分は彼の恋人なのだと自信がないまま、それでも精神的にも、仕事上のパートナーとしても神城くんを支えたいという気持ちは確かにあった。
それなのに。
今は、嫉妬にまみれて、仕事に全集中できないでいた。
✜
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専門家に訊きながら何とか作った対応マニュアル。それを目で追いながらの電話応対。
「Press Windows Key and R at the same time
(Windows キー + Rを同時に押して実行メニューを開いてください)」
「I pressed what's next?」
「Type msinfo32 and click OK」
実際にパソコンを操作しながらユーザーに電話で指示をする。1日中繰り返していくと、それこそVR酔いしたような気分の悪さを覚えた。
「鈴木さん、体調悪いんじゃないですか?」
久しぶりに姿を見せた倉林さんが声を掛けてきた。
大丈夫、と返そうとしたが、目眩もしてパソコンの画面を見てるのも辛かった。
「……少し、横になってきます」
「ええ、昼休みも取られてないでしょ? もし神城社長が来たら仮眠室にいると伝えますから」
その神城社長とは、かれこれ数日会っていない。
あちこち飛び回って会社にはいないのは、前からあったけどこんなにも自宅にもずっと戻らないのは初めてだ。
「はい、お願いします……」
ある程度の行動を把握しても、専属秘書と呼べるか微妙なほど、彼は最近は私に全てを話してくれない。
今、神城くんが何を考えてるか分からなかった。
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