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2.変化
70.王子様
「永那」
「ん?」
「永那が空井さんに惚れた理由、言わないどいてあげるからさ、ちゃんと今まで通り、あたしと接してよ?」
永那はパチパチと瞬きして、優しく微笑んだ。
「当たり前じゃん」
「当たり前なの?」
「え?なんで?」
永那って生粋のバカなのかな。
「…なんでもない」
「…ふーん」
そうだ。
永那は疑問に思っても“ふーん”で済ませちゃうんだ。
だから気づかない。
あたしが永那のほっぺにキスしたこと、空井さんが知ったらどう思うんだろう?
っていうか、空井さんと付き合ってるのに、あたしは今まで通り永那に抱きついて良いわけ?
…でも、そんなのあたしは知らない。
だって2人が付き合ってるって、知らないんだし。
ただあたしが知ってるのは“永那が空井さんを好き”ってことだけ。
それしか知らないあたしは、どれだけ永那にアタックしても問題ない。
ニヤリと笑う。
そのことにも永那は気づかない。
永那は立ち上がって「もう放課後なんじゃないの?」と言った。
「授業、サボっちゃったね」
2人で笑い合う。
「優里にノート見せてもらうかあ」
永那は伸びをして、あたしに手を差し伸べる。
ああ、あたしの王子様。
いいよ。
いくらでも、他の人とエッチを楽しんだらいい。
永那があたしのところに戻ってくるの、待ってる。
それで“やっぱり千陽がいい”って、そう言ってくれれば良い。
なんて、余裕のあるフリを自分にもする。
「あー、目腫れた~」
永那の腕に抱きつく。
待つだけじゃ今までと同じになっちゃうから、次からはもっと積極的でいよう。
「ねえ、今日クレープ食べに行こ?」
「え?今日?」
「目、腫れたお詫びに付き合って」
「ん?それって私のせいなの?」
「そうだよ~」
「違くない?」
教室に戻ると、ちょうど授業が終わったばかりだったみたいで、まだ優里がいた。
空井さんもいる。
空井さんと永那が目を合わせて笑ってる。
良い気分はしないけど、“少しでも油断したら、あたしが奪っちゃうよ”って気持ちでいると、不思議と冷静でいられた。
優里が「千陽、大丈夫?」と心配してくれるから、「永那に泣かされた~」と言うと、永那が困った顔をしながらも頭を撫でてくれた。
空井さんにあたしと永那のラブラブぶりを見せつけられたみたいで、ちょっと優越感。
空井さんが永那に話しかけたさそうな顔をしていたけど、あたし達を見て帰って行った。
その後、永那は結局クレープに付き合ってくれた。
「デート楽しい」
永那の腕に抱きつく。
永那は興味なさげにクレープにかぶりついていた。
「ねえ、カラオケも付き合ってよ?」
「え!?」
永那が嫌そうな顔をする。
「体育祭の打ち上げのとき、あたしの手、振り払ったの、覚えてる?」
永那は心当たりがあったらしく、ため息をつきながらも付き合ってくれた。
帰る頃には日が暮れていた。
永那はいつも通り家まで送ってくれた。
「永那、今日はありがと」
「いいよ」
そう言って、永那は背を向けて走り出す。
いつかあの背中が、あたしのものになるんだって思いたい。
朝、2人でいられる時間が一番好き。
それは中学のときから変わらない。
永那が寝るようになって、話せることは減ったけど、それでも2人だけの時間が好き。
寝ている永那の髪を撫でて過ごす。
まだ誰も来ない時間は、(寝ている永那にキスしたら、怒られるかな?)なんて考えたりもする。
チラホラ人が入ってきて、わりと早い時間に空井さんが学校に来る。
空井さんの視線も感じる。
あたしが永那の隣にいるのは当たり前だって思わせたい。
永那が「ちょっと穂にノート借りてくる。あれ、けっこうわかりやすくて良いんだよね」と笑って、空井さんの席に向かった。
「私も永那に見せてもらったけど、わかりやすかったな~。ちょっとほしい」
優里もそんなこと言うから、真顔でジーッと見てると、優里は「だめだった?」と泣きそうな顔をした。
それがおもしろくて「ごめんごめん、全然いいよ」と笑った。
永那に視線を戻すと、2人が仲良く笑っていた。
妙に絵になるような美しさを感じて、自分で自分に苛立つ。
「ん?」
「永那が空井さんに惚れた理由、言わないどいてあげるからさ、ちゃんと今まで通り、あたしと接してよ?」
永那はパチパチと瞬きして、優しく微笑んだ。
「当たり前じゃん」
「当たり前なの?」
「え?なんで?」
永那って生粋のバカなのかな。
「…なんでもない」
「…ふーん」
そうだ。
永那は疑問に思っても“ふーん”で済ませちゃうんだ。
だから気づかない。
あたしが永那のほっぺにキスしたこと、空井さんが知ったらどう思うんだろう?
っていうか、空井さんと付き合ってるのに、あたしは今まで通り永那に抱きついて良いわけ?
…でも、そんなのあたしは知らない。
だって2人が付き合ってるって、知らないんだし。
ただあたしが知ってるのは“永那が空井さんを好き”ってことだけ。
それしか知らないあたしは、どれだけ永那にアタックしても問題ない。
ニヤリと笑う。
そのことにも永那は気づかない。
永那は立ち上がって「もう放課後なんじゃないの?」と言った。
「授業、サボっちゃったね」
2人で笑い合う。
「優里にノート見せてもらうかあ」
永那は伸びをして、あたしに手を差し伸べる。
ああ、あたしの王子様。
いいよ。
いくらでも、他の人とエッチを楽しんだらいい。
永那があたしのところに戻ってくるの、待ってる。
それで“やっぱり千陽がいい”って、そう言ってくれれば良い。
なんて、余裕のあるフリを自分にもする。
「あー、目腫れた~」
永那の腕に抱きつく。
待つだけじゃ今までと同じになっちゃうから、次からはもっと積極的でいよう。
「ねえ、今日クレープ食べに行こ?」
「え?今日?」
「目、腫れたお詫びに付き合って」
「ん?それって私のせいなの?」
「そうだよ~」
「違くない?」
教室に戻ると、ちょうど授業が終わったばかりだったみたいで、まだ優里がいた。
空井さんもいる。
空井さんと永那が目を合わせて笑ってる。
良い気分はしないけど、“少しでも油断したら、あたしが奪っちゃうよ”って気持ちでいると、不思議と冷静でいられた。
優里が「千陽、大丈夫?」と心配してくれるから、「永那に泣かされた~」と言うと、永那が困った顔をしながらも頭を撫でてくれた。
空井さんにあたしと永那のラブラブぶりを見せつけられたみたいで、ちょっと優越感。
空井さんが永那に話しかけたさそうな顔をしていたけど、あたし達を見て帰って行った。
その後、永那は結局クレープに付き合ってくれた。
「デート楽しい」
永那の腕に抱きつく。
永那は興味なさげにクレープにかぶりついていた。
「ねえ、カラオケも付き合ってよ?」
「え!?」
永那が嫌そうな顔をする。
「体育祭の打ち上げのとき、あたしの手、振り払ったの、覚えてる?」
永那は心当たりがあったらしく、ため息をつきながらも付き合ってくれた。
帰る頃には日が暮れていた。
永那はいつも通り家まで送ってくれた。
「永那、今日はありがと」
「いいよ」
そう言って、永那は背を向けて走り出す。
いつかあの背中が、あたしのものになるんだって思いたい。
朝、2人でいられる時間が一番好き。
それは中学のときから変わらない。
永那が寝るようになって、話せることは減ったけど、それでも2人だけの時間が好き。
寝ている永那の髪を撫でて過ごす。
まだ誰も来ない時間は、(寝ている永那にキスしたら、怒られるかな?)なんて考えたりもする。
チラホラ人が入ってきて、わりと早い時間に空井さんが学校に来る。
空井さんの視線も感じる。
あたしが永那の隣にいるのは当たり前だって思わせたい。
永那が「ちょっと穂にノート借りてくる。あれ、けっこうわかりやすくて良いんだよね」と笑って、空井さんの席に向かった。
「私も永那に見せてもらったけど、わかりやすかったな~。ちょっとほしい」
優里もそんなこと言うから、真顔でジーッと見てると、優里は「だめだった?」と泣きそうな顔をした。
それがおもしろくて「ごめんごめん、全然いいよ」と笑った。
永那に視線を戻すと、2人が仲良く笑っていた。
妙に絵になるような美しさを感じて、自分で自分に苛立つ。
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