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2.変化
72.王子様
次の日の朝、永那に聞く。
「ねえ、空井さんってけっこうモテるの?」
「え?なんで?」
「…永那がそんなに好きになるなら、そうなのかな?って」
永那は少し考えて、頷いた。
「詳しくはわかんないけど、モテるんじゃない?」
わりと適当に答えられる。
「そういうの、興味ないんだと思ってたけど」
永那はケラケラ笑う。
「そうだね、興味は全然なかったみたい」
まるで彼女のことならなんでも知ってるみたいな態度で、胸に痛みが走る。
彼女とヤッたのかヤッてないのか、聞きたい気持ちと知りたくない気持ちが入り交じる。
迷って、それを聞けば2人が付き合ってると認めるみたいになると思い、やめた。
「そういえば、テスト期間中、どうする?」
永那が“忘れてた”みたいな顔をした。
いつもあんなに楽しみにしてるのに。
「いつも通り、月から木は2人で過ごして、金曜だけみんなで集まる?」
「んー…ごめん、予定は未定で!」
「は?」
「月曜に決めるんじゃ、だめ?」
そんな聞き方されて“だめ”と言える人は少数派なんじゃないかと思う。
どうせ空井さんだろう。
今あたしが聞くまで忘れてて、あたしに聞かれて思い出して、空井さんの予定を聞いてみよう…と思った感じだろうな。
月曜日の朝。
「それで永那、どうするの?」
あたしはわざとらしく笑顔を作る。
永那は首を傾げて、全く覚えていないらしい。
こんな適当にされて、あたしって本当に大事にされてるのかな?と、少し苛立った。
あたし健気すぎない?
「テスト期間中の予定」
永那は何度も瞬きをして、口角をギュッとあげる。
あからさまな作り笑いだ。
「全部埋まった」
「は?」
へへへと笑う永那にイラつく。
「どんな予定か、詳しく」
あたしも笑顔で対抗して、絶対に聞き出すことを決意した。
「えーっと…」
「詳しく、ちゃんと言ってくれないと泣くよ?…あたし、ちゃんと今日まで待ったんだから。覚えてるよね?約束したの」
永那はあたしの“泣く”に弱い。
よっぽどあたしに泣いてほしくないらしい。
永那は顔を引きつらせて、ブツブツ呟く。
「なに?」
耳を口元に近づけると「穂の家で勉強会」と繰り返し言っていた。
「つまり月から金まで、ずっと空井さんの家ってこと?」
…ああ、胸糞悪い。
え、なに?
もしかして月から金までセックス三昧とか?
絶対嫌だ。
「それって、あたしも参加していいよね?」
永那の顔がバッと上がる。
「うぇ?」
「“勉強会”なんでしょ?べつにあたしがいてもいいよね?」
「…あ、あぁ、穂に聞いてみないと。穂の家なんだし…急にお邪魔するってなっても、ほら?家の人も困るかもしれないじゃん?」
どうせ永那だって直前に聞いたくせに。
「わかった、じゃあ聞いといて」
放課後、予定自体がなくなりそうだったけど、空井さんが行ってもいいと言ってくれた。
これで少なくとも、1週間のセックス三昧は回避。
もはや自分で自分が何をしたいのかわからなくなってる。
3人で空井さんの家に向かう。
そういえば、あたしが誰かの家にお邪魔するのって、小学生ぶりじゃない?
…なんか、少し緊張してきた。
緊張を紛らわすように、なるべく2人を2人にしないように、あたしは永那に引っ付いた。
家についてすぐ、永那が「トイレ借りていい?」と聞いた。
空井さんが頷いて、なんの迷いもなく、永那は左の扉を開いて中に入った。
…来たことあるのね。
思ったよりも、辛い1週間になるかもしれない。
いざとなったら優里を召喚しよう。
「あ、佐藤さん。どうぞ」
あたしは空井さんに案内されるまま、リビングに進んだ。
「えーっと、私の部屋は狭いから、リビングでいいかな?そのうち弟が帰ってきちゃうと思うけど…」
私は家のなかをじっくり見た。
どこでセックスしたんだろう?
…やっぱり空井さんの部屋?
だとするなら、絶対見ておきたいよね。
あたしは永那から、セックスした話は何度も聞いたことがあるけど、具体的にどこでしたかとかは聞いたことがほとんどなかった。
具体的に聞いても、その場所を見る勇気なんて、前のあたしにはなかった。
でも今は、永那に積極的になるって決めた。
永那の好きなシチュエーションを知りたい。
そうすれば今からでも、もしかしたら永那は、あたしを見てくれるかもしれない。
だから、傷つくのも承知で、あたしは言う。
「ねえ、空井さんってけっこうモテるの?」
「え?なんで?」
「…永那がそんなに好きになるなら、そうなのかな?って」
永那は少し考えて、頷いた。
「詳しくはわかんないけど、モテるんじゃない?」
わりと適当に答えられる。
「そういうの、興味ないんだと思ってたけど」
永那はケラケラ笑う。
「そうだね、興味は全然なかったみたい」
まるで彼女のことならなんでも知ってるみたいな態度で、胸に痛みが走る。
彼女とヤッたのかヤッてないのか、聞きたい気持ちと知りたくない気持ちが入り交じる。
迷って、それを聞けば2人が付き合ってると認めるみたいになると思い、やめた。
「そういえば、テスト期間中、どうする?」
永那が“忘れてた”みたいな顔をした。
いつもあんなに楽しみにしてるのに。
「いつも通り、月から木は2人で過ごして、金曜だけみんなで集まる?」
「んー…ごめん、予定は未定で!」
「は?」
「月曜に決めるんじゃ、だめ?」
そんな聞き方されて“だめ”と言える人は少数派なんじゃないかと思う。
どうせ空井さんだろう。
今あたしが聞くまで忘れてて、あたしに聞かれて思い出して、空井さんの予定を聞いてみよう…と思った感じだろうな。
月曜日の朝。
「それで永那、どうするの?」
あたしはわざとらしく笑顔を作る。
永那は首を傾げて、全く覚えていないらしい。
こんな適当にされて、あたしって本当に大事にされてるのかな?と、少し苛立った。
あたし健気すぎない?
「テスト期間中の予定」
永那は何度も瞬きをして、口角をギュッとあげる。
あからさまな作り笑いだ。
「全部埋まった」
「は?」
へへへと笑う永那にイラつく。
「どんな予定か、詳しく」
あたしも笑顔で対抗して、絶対に聞き出すことを決意した。
「えーっと…」
「詳しく、ちゃんと言ってくれないと泣くよ?…あたし、ちゃんと今日まで待ったんだから。覚えてるよね?約束したの」
永那はあたしの“泣く”に弱い。
よっぽどあたしに泣いてほしくないらしい。
永那は顔を引きつらせて、ブツブツ呟く。
「なに?」
耳を口元に近づけると「穂の家で勉強会」と繰り返し言っていた。
「つまり月から金まで、ずっと空井さんの家ってこと?」
…ああ、胸糞悪い。
え、なに?
もしかして月から金までセックス三昧とか?
絶対嫌だ。
「それって、あたしも参加していいよね?」
永那の顔がバッと上がる。
「うぇ?」
「“勉強会”なんでしょ?べつにあたしがいてもいいよね?」
「…あ、あぁ、穂に聞いてみないと。穂の家なんだし…急にお邪魔するってなっても、ほら?家の人も困るかもしれないじゃん?」
どうせ永那だって直前に聞いたくせに。
「わかった、じゃあ聞いといて」
放課後、予定自体がなくなりそうだったけど、空井さんが行ってもいいと言ってくれた。
これで少なくとも、1週間のセックス三昧は回避。
もはや自分で自分が何をしたいのかわからなくなってる。
3人で空井さんの家に向かう。
そういえば、あたしが誰かの家にお邪魔するのって、小学生ぶりじゃない?
…なんか、少し緊張してきた。
緊張を紛らわすように、なるべく2人を2人にしないように、あたしは永那に引っ付いた。
家についてすぐ、永那が「トイレ借りていい?」と聞いた。
空井さんが頷いて、なんの迷いもなく、永那は左の扉を開いて中に入った。
…来たことあるのね。
思ったよりも、辛い1週間になるかもしれない。
いざとなったら優里を召喚しよう。
「あ、佐藤さん。どうぞ」
あたしは空井さんに案内されるまま、リビングに進んだ。
「えーっと、私の部屋は狭いから、リビングでいいかな?そのうち弟が帰ってきちゃうと思うけど…」
私は家のなかをじっくり見た。
どこでセックスしたんだろう?
…やっぱり空井さんの部屋?
だとするなら、絶対見ておきたいよね。
あたしは永那から、セックスした話は何度も聞いたことがあるけど、具体的にどこでしたかとかは聞いたことがほとんどなかった。
具体的に聞いても、その場所を見る勇気なんて、前のあたしにはなかった。
でも今は、永那に積極的になるって決めた。
永那の好きなシチュエーションを知りたい。
そうすれば今からでも、もしかしたら永那は、あたしを見てくれるかもしれない。
だから、傷つくのも承知で、あたしは言う。
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