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3.成長
131.噂
「お、可愛い子が増えた」
「ねえ?みんなで遊ぼうよ?楽しくするよ?」
「マジっすか!例えば?」
「ご飯とかも奢るし…そうだ、プールのなかで騎馬戦とかよくない?」
「えー、めっちゃつまんなさそうっすね。もっと真面目に考えてくださいよ。こちとら、みんなに引っ張りだこなんですから。ね?わかるでしょ?」
「え、え~じゃあ何が楽しいかな~?」
「そうっすねー、眺めの良い景色が見たいな」
「おー!いいよいいよ!連れてってあげるよ」
「あ、じゃあちょっと右にズレてもらえます?」
「え?ああ…」
男性2人が言われるがままに右に移動する。
「もうちょっと、もうちょっと、まだまだ」
永那ちゃんがお腹を抱えて笑う。
「わー!めっちゃ眺めいいー!…ありがとうございまーす!めっちゃ楽しかったです!じゃあ、そういうことでー!バイバーイ!」
楽しそうな笑みを浮かべて、永那ちゃんは両手を振る。
「はあ?」
「バイバーイ!」
永那ちゃんはマスクをして、ゴホゴホと咳をした。
2人とも舌打ちをしながらどこかに去っていく。
「しつこいやつはマジで面倒だな。自分が他人様の視界の邪魔になってることもわからんのかね?」
「永那遅すぎ」
「ごめんて」
永那ちゃんが、佐藤さんの頭を撫でる。
ズキズキと胸がまた痛み始める。
「もうつまんないから帰る」
「お金もったいな」
「どうせ永那入んないんでしょ?」
「入るように見える?」
永那ちゃんが両手を広げる。
またゴホゴホと辛そうな咳をする。
「あれ~?永那~?」
さっきのノリの良い女子達が帰ってきた。
「どーしたのー?風邪?ウケるんだけど」
何がウケるの?
イライラも加わってくる。
「おー、穂と千陽だけ拾いに来たわ」
「え!?私は!?」
「優里は…どうとでもなるでしょ?」
「酷い!!!」
「一緒に帰りたい?」
「帰る!!!」
「しょーがないなあ。んじゃあ、帰るか!」
女子達に見送られて、私達はプールを出た。
「スタッフの人を呼んでも、千陽の場合は意味がないんだよねえ」
電車の中で優里ちゃんが説明してくれる。
「何度もしつこく来る人がいるんだよ。スタッフの人に注意されても、何度もさ」
「なー、マジめんどいよなー」
まだ時計の針は2時半で、みんなで私の家に遊びに来ることになった。
「その前に、クラスの男子がしつこかったんだけど?」
「え、そーなの?」
「来るなら最初から来てよ」
「無理言うなよ。これでも頑張って来たんだから」
話すたびに何度も辛そうに咳をする。
「てか風邪引くなし」
「そっちのほうが無理だろ」
急に永那ちゃんに顔を覗きこまれる。
「嫌な思いしたよね?ごめんね」
永那ちゃんの優しい瞳が、嬉しいのに、今はなぜか辛い。
「穂?」
私は必死に作り笑いをする。
「大丈夫、助けに来てくれてありがとう」
永那ちゃんが眉間にシワを寄せる。
駅について、私達は電車をおりる。
「穂ちゃんの家、楽しみ~、もはやめっちゃ安心感あるよね」
優里ちゃんが楽しそうに言う。
帰ると誉はいなくて、4人でトランプをして遊ぶ。
その間にも、永那ちゃんの咳が止むことはない。
私はその咳に責められているような気分になった。
「次は誉君と5人で海だね~!なんか、そっちのほうがよっぽど楽しそう!」
佐藤さんが「そお?」と首を傾げている。
「今年のクラス、去年よりチャラい人多くて、なんか微妙だもん」
「あたしはクラスとか関係なしに、人のいないところに行きたい」
「え…それはプライベートビーチ的なこと?」
「優里、探してきて」
「んな無茶な!」
2人が楽しそうに話すのを眺めながら、ババ抜きをする。
「穂、大丈夫?」
永那ちゃんが声をかけてくれる。
私は曖昧に笑ってから、頷いた。
スマホの通知がきて、見ると、お母さんからだった。
『今年は仕事頑張ったから、お盆はおばあちゃん家行けそー!』
「どうした?」
「あ…今年のお盆、おばあちゃんの家に行くことになったみたい」
「お盆っていつ?」
「明後日からでしょー。永那、なんで知らないの?」
「んなもん知るか!」
『いつからいつまで?』
『道混むと嫌だから、明日の夕方から行っちゃおうと思ってるんだけど、大丈夫?』
お母さんはいつも急だ。
“大丈夫?”と聞いてくれてはいるけれど、半ば決定事項なことはわかっている。
“いつまで”はまだ未定なのかな?
『わかった』
「明日の夕方から行くみたい」
「えー!急だね。おばあちゃん家どこなの?」
優里ちゃんが聞いてくれる。
いつもおばあちゃんの家には車で行く。
高速を使って片道3時間。
渋滞に引っかかれば、もう少し長く。
「いつまで?」
永那ちゃんが言う。
「んー…わからないけど、お盆の最終日まではいないと思う。混むから、2日前とかには帰るんじゃないかな?」
「そっか」
永那ちゃんが俯く。
「また、帰る日がわかったら連絡するね」
「うん、ありがとう」
「ねえ?みんなで遊ぼうよ?楽しくするよ?」
「マジっすか!例えば?」
「ご飯とかも奢るし…そうだ、プールのなかで騎馬戦とかよくない?」
「えー、めっちゃつまんなさそうっすね。もっと真面目に考えてくださいよ。こちとら、みんなに引っ張りだこなんですから。ね?わかるでしょ?」
「え、え~じゃあ何が楽しいかな~?」
「そうっすねー、眺めの良い景色が見たいな」
「おー!いいよいいよ!連れてってあげるよ」
「あ、じゃあちょっと右にズレてもらえます?」
「え?ああ…」
男性2人が言われるがままに右に移動する。
「もうちょっと、もうちょっと、まだまだ」
永那ちゃんがお腹を抱えて笑う。
「わー!めっちゃ眺めいいー!…ありがとうございまーす!めっちゃ楽しかったです!じゃあ、そういうことでー!バイバーイ!」
楽しそうな笑みを浮かべて、永那ちゃんは両手を振る。
「はあ?」
「バイバーイ!」
永那ちゃんはマスクをして、ゴホゴホと咳をした。
2人とも舌打ちをしながらどこかに去っていく。
「しつこいやつはマジで面倒だな。自分が他人様の視界の邪魔になってることもわからんのかね?」
「永那遅すぎ」
「ごめんて」
永那ちゃんが、佐藤さんの頭を撫でる。
ズキズキと胸がまた痛み始める。
「もうつまんないから帰る」
「お金もったいな」
「どうせ永那入んないんでしょ?」
「入るように見える?」
永那ちゃんが両手を広げる。
またゴホゴホと辛そうな咳をする。
「あれ~?永那~?」
さっきのノリの良い女子達が帰ってきた。
「どーしたのー?風邪?ウケるんだけど」
何がウケるの?
イライラも加わってくる。
「おー、穂と千陽だけ拾いに来たわ」
「え!?私は!?」
「優里は…どうとでもなるでしょ?」
「酷い!!!」
「一緒に帰りたい?」
「帰る!!!」
「しょーがないなあ。んじゃあ、帰るか!」
女子達に見送られて、私達はプールを出た。
「スタッフの人を呼んでも、千陽の場合は意味がないんだよねえ」
電車の中で優里ちゃんが説明してくれる。
「何度もしつこく来る人がいるんだよ。スタッフの人に注意されても、何度もさ」
「なー、マジめんどいよなー」
まだ時計の針は2時半で、みんなで私の家に遊びに来ることになった。
「その前に、クラスの男子がしつこかったんだけど?」
「え、そーなの?」
「来るなら最初から来てよ」
「無理言うなよ。これでも頑張って来たんだから」
話すたびに何度も辛そうに咳をする。
「てか風邪引くなし」
「そっちのほうが無理だろ」
急に永那ちゃんに顔を覗きこまれる。
「嫌な思いしたよね?ごめんね」
永那ちゃんの優しい瞳が、嬉しいのに、今はなぜか辛い。
「穂?」
私は必死に作り笑いをする。
「大丈夫、助けに来てくれてありがとう」
永那ちゃんが眉間にシワを寄せる。
駅について、私達は電車をおりる。
「穂ちゃんの家、楽しみ~、もはやめっちゃ安心感あるよね」
優里ちゃんが楽しそうに言う。
帰ると誉はいなくて、4人でトランプをして遊ぶ。
その間にも、永那ちゃんの咳が止むことはない。
私はその咳に責められているような気分になった。
「次は誉君と5人で海だね~!なんか、そっちのほうがよっぽど楽しそう!」
佐藤さんが「そお?」と首を傾げている。
「今年のクラス、去年よりチャラい人多くて、なんか微妙だもん」
「あたしはクラスとか関係なしに、人のいないところに行きたい」
「え…それはプライベートビーチ的なこと?」
「優里、探してきて」
「んな無茶な!」
2人が楽しそうに話すのを眺めながら、ババ抜きをする。
「穂、大丈夫?」
永那ちゃんが声をかけてくれる。
私は曖昧に笑ってから、頷いた。
スマホの通知がきて、見ると、お母さんからだった。
『今年は仕事頑張ったから、お盆はおばあちゃん家行けそー!』
「どうした?」
「あ…今年のお盆、おばあちゃんの家に行くことになったみたい」
「お盆っていつ?」
「明後日からでしょー。永那、なんで知らないの?」
「んなもん知るか!」
『いつからいつまで?』
『道混むと嫌だから、明日の夕方から行っちゃおうと思ってるんだけど、大丈夫?』
お母さんはいつも急だ。
“大丈夫?”と聞いてくれてはいるけれど、半ば決定事項なことはわかっている。
“いつまで”はまだ未定なのかな?
『わかった』
「明日の夕方から行くみたい」
「えー!急だね。おばあちゃん家どこなの?」
優里ちゃんが聞いてくれる。
いつもおばあちゃんの家には車で行く。
高速を使って片道3時間。
渋滞に引っかかれば、もう少し長く。
「いつまで?」
永那ちゃんが言う。
「んー…わからないけど、お盆の最終日まではいないと思う。混むから、2日前とかには帰るんじゃないかな?」
「そっか」
永那ちゃんが俯く。
「また、帰る日がわかったら連絡するね」
「うん、ありがとう」
感想 56
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