いたずらはため息と共に

常森 楽

文字の大きさ
172 / 595
3.成長

171.まだまだ終わらなかった夏

しおりを挟む
「あのね」
「うん」
「ちょっと、目、瞑ってて?」
永那ちゃんが首を傾げて、割座する。
一度左眉を上げてから、ゆっくり目を閉じた。
私は足首丈まであるスカートを自分で捲し上げる。
なるべくシワにならないように、お尻に敷かないように。
スカートの裾を手に持ったまま、太ももにおろす。
「いいよ」
永那ちゃんは閉じたときと同じように、ゆっくり目を開けた。
私の足が晒されていることに驚きはするものの、私が何を見せたかったのか理解できないような顔。
私はゴクリと唾を飲んで、裾を握りしめた手を、ゆっくり上げる。
永那ちゃんの視線が私の太ももに釘付けになる。
自分でスカートを捲って見せるなんて、そんな恥ずかしいこと…永那ちゃんにしかできない。
ジッと見られるのは恥ずかしいけれど、見てもらうためにやっているのだから、グッと歯を食いしばる。
彼女が見やすいように、脚を立てて、M字になるように座る。

私の大事なところだけを隠す、面積の小さい布が露わになる。
彼女は一瞬目を見開いて、すぐに顔を綻ばせる。
割座から正座になって、私との距離を詰める。
そこ・・を見つめたまま、彼女は何度か瞬きを繰り返した。
眉間にシワが寄って、私を見る。
目が合う。
心臓がバクバク鳴って、あまりの恥ずかしさで目をそらす。
彼女が、喜んでくれるのか、確証はない。
もしかしたら、今度こそ引かれるかも…なんて思いも、ないわけじゃない。
…でも、きっと。
そこに触れられて、体がピクッと動く。
優しく撫でられて、チラリと目を遣った。
彼女が愛おしそうに、でも、興奮気味に、吐息をもらす。

「穂、これ…」
いつもより瞳孔が開いて、黒目が大きくなっている。
その反応に、私の心臓も高鳴って、息をするのも忘れそうになる。
すぐに私は恥ずかしくなって、顔をそむけた。
「昨日着たとき、はみ出ていたのが嫌で、やってみたんだけど…」
「見てもいい?」
目を閉じて、一度、頷く。
紐に指をかけられ、引っ張られる。
全ての紐が繋がっているから、股の紐を引っ張られると、胸の紐の締め付けがキツくなる。
「ツルツル」
彼女が笑う。
「穂の可愛いところが丸見えだね?」
そう言われて、頭から湯気が出そうになるくらい、顔が熱くなる。
布を横にずらして、指で押さえながら、彼女の顔が近づく気配がする。
目を薄く開けると、彼女が赤い舌を出しているのが見えて、また目を閉じた。
彼女のあたたかい息がかかって、思わず脚を閉じそうになる。

弾力のある、やわらかい感触が、私の大事なところを撫でる。
閉じかけた脚は、片手で押されて阻まれた。
私はフゥーッと息を吐いて、力を抜く。
彼女が舐めやすいように、両膝を掴んで、さっきよりもさらに開脚した。
自分の心臓の音がうるさい。
彼女は割れ目から蕾まで、丁寧に、何度も往復する。
「んっ」
たまに割れ目の入り口に舌が入ってきて、声が漏れ出る。
あまりに長い時間そうしているから、どんな顔をしているのか見たくなって、目を開ける。
彼女はただ無心で、喉の乾きを潤すためにそうしているかのようだった。
体を小さく丸めて、猫みたい。
手を伸ばして、彼女の髪に触れる。

彼女が顔を上げて、やっと目が合う。
眼鏡が下がっているから、上げてあげる。
彼女は唇をペロリと舐めて、私の足を引っ張る。
ヘッドボードと枕に寄りかかるように座っていた姿勢から、仰向けにさせられた。
「永那ちゃん、嬉しい?」
顔が蕩けそうなほど綻んで「うん」と小さく答えてくれる。
「穂がどんどんエロくなってく」
「永那ちゃんが…そうしたの」
「そうだね」
足を肩に乗せられ、彼女はまた、舌を出した。私に見せつけるように。
目が合ったまま、彼女が私の太ももの間に顔をうずめる。
蕾を重点的に撫でられて、体がピクピク反応する。
チュゥッと吸う音が聞こえて、腰が浮いた。
舌先で、くすぐるるように、優しく刺激される。
太ももがピクピク反応して閉じようとするけど、彼女の手で押さえられる。

なんだか、焦れったい。
私の体は十分すぎるほどに準備が整っているのに、彼女は優しい刺激以上の何かを与えてはくれない。
胸だって、今日はまだ一度も触れられてない。
これ以上、どうすればいいのか、私にはわからなくて、戸惑う。
時計を見ると、もう、ベッドに来てから1時間以上経っている。
キスと、舐められるのだけで、1時間以上…。
私は下唇を噛んで、彼女を見つめる。
目は、合わない。
「…永那ちゃん?」
「ん?」
彼女は舌を這わせたまま、返事をする。
こちらを見もしないから、不満が募っていく。
「…気持ちよく、なりたい」
もう理性なんてものはなくて、この焦れったさから解放されたいという欲だけに心が支配される。
「気持ちよく、なりたいよ…」
私の息だけが荒くなって、余裕がなくなっていく。
「永那ちゃん…」
彼女が上目遣いに私を見た。
一度、ゆっくり、大きく、舌全体を使って舐められて、それだけで体がビクンと反応した。
彼女が体を起こす。
ニヤリと笑って、私を見下ろした。
しおりを挟む
感想 56

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

百合短編集

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

乳首当てゲーム

はこスミレ
恋愛
会社の同僚に、思わず口に出た「乳首当てゲームしたい」という独り言を聞かれた話。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...