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4.踏み込む
222.疲労
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あたしが指を速めてイきたがるのがわかると、穂は必ず合わせて胸に刺激をくれた。
4回イって、あたしは起き上がった。
穂と触れ合うだけのキスをして、手を洗いに行く。
戻って、穂の膝の上に、向き合うように座った。
「ありがと」
穂が照れながら頷く。
「穂、なにも喋んなくなっちゃった」
からかうように言うと、穂が唇を尖らせる。
「なにか、喋るのも、変でしょ」
「そうかな?“可愛い”とか言ってくれたら、嬉しいよ?」
彼女は目をそらして「可愛いよ」と言う。
彼女の両頬を手で包み込んで、キスする。
舌を絡めようと思ったら、アラームが鳴った。
「永那ちゃん、起こさないと」
むぅっと唇を尖らせると、穂がキスしてくれる。
…ああ、好き。
頭を撫でられて、あたしは彼女の膝からどいた。
「永那ちゃん」
穂がいつもみたいに、永那にキスする。
…あたしも、この光景に慣れたなあ。
穂が永那にキスしてても“あたしもしたいなあ”くらいにしか思わなくなった。
2人が話しているだけでイライラしていた過去の自分が、信じられないくらい。
何度か穂が永那にキスして、永那が起きる。
永那が穂を引き寄せて、永那からもキスをする。
あたしも、永那ともキスしたい。
でも、その欲求よりも、穂を傷つけたくない気持ちが上回ってる。
それはきっと、穂があたしにたくさん愛をくれるから。
もうすぐ中間テストだけど、またテスト期間中は穂の家でみんなで勉強会かな?
テスト最終日は2人の記念日だし…その日は…おあずけだね。
それまでに、お泊まりでも計画しよう。
優里を巻き込めば、お泊まりの流れに持っていくのは簡単そう。
3人で家を出た。
途中まで永那を見送って、穂と2人でスーパーに行く。
永那が項垂れていたのは言うまでもない。
「調味料は昨日のがあるから…」
穂がスマホでレシピを検索している。
彼女のあいている手をギュッと握って、肩に頭を乗せた。
「千陽、肉じゃがでもいい?」
「うん」
ママが買ってくる惣菜やお弁当は、和食が少ない。
野菜は多めだし、見た目も綺麗だけど、あたしはあんまり好きじゃない。
(そのせいで野菜が苦手なんじゃない?)なんて思ったりもする。
「穂、好き」
野菜を選びながら、穂が笑う。
「千陽可愛い」
突然の“可愛い”にキュンとする。
「どこが?」
「私にだけ…たくさん甘えてくれるところ」
「顔が不細工でも?」
穂がまた笑う。
「私、不細工な人なんて、いないと思う」
なにそれ…かっこいい。
「おっぱいが、小さくても?」
穂の顔が引きつって、頬をピンク色にする。
「ここ、スーパーだよ!?…シーッ」
あたしはフッと笑って、彼女の耳元に口を近づける。
「穂の大好きなあたしのおっぱいが小さくても、あたし、可愛い?」
「か、可愛いよ…!もう!」
穂がお金を出そうとするから、先に払う。
「え、千陽、いいよ。ピザの値段も、教えてくれないし…」
「いいの。これはね…パパへの小さな仕返しなの」
穂が首を傾げる。
「あたしとママのこと、いつも放置して、お金だけわたせばいいと思ってる。…たまに帰ってきて、髪をぐしゃぐしゃに撫でるだけ撫でて、またどっかに行っちゃう。それの、仕返し」
穂はあんまり理解できていない顔で…でも、頷いてくれた。
「パーティのときだけ“良いパパ”面して…ホント、イライラする。だから、パパがそのつもりなら、あたしも好きなだけ使ってやろうって」
ママもそうしてる。
パパがあたし達を放置するから悪いんだ。
穂が料理してる間、あたしはずっと彼女を後ろから抱きしめていた。
煮ている間に、何度も口付けする。
穂が体をあたしに向けてくれて、醤油の良い香りに包まれながら、あたし達は舌を絡める。
「好き、好き」
穂のうなじに手を回す。
…小学生のとき、ママが彼氏とキスしているのを見たことがある。
最初は戸惑って、でも、ママがすごく幸せそうだったから、幸せなことなんだって思った。
パパが帰ってくると、ママはパパともたくさんキスをする。
2人とも仲良しに見えたけど、ママは1人になると、いつも愚痴をこぼした。
寂しかったのかなって、今は思う。
永那と出会う前は、なんであたしはママみたいに、幸せな気持ちになれないんだろう?って疑問だった。
公園で男に体をさわられたこと、付き合った男子と手を繋いだこと…セックスの雰囲気になると、吐き気がしたこと。
ママみたいになれない自分は、ダメな子なのかもしれないとも思った。
でも、永那となら、幸せになれる気がした。
永那となら、そういうことを想像できた。
だから自分なりに彼女を誘ったけど、今となっては、あの誘い方では“誘ってる”とは言えなかったのかもしれないと思ってる。
そもそも…あたしは、誘う気すら、なかったのかも。
永那は…無意識にでも、それを感じ取っていたのかな。
穂には、できた。
気づいたら、キスしてた。
嫌悪感なんて全くなくて、キスすればするほど、心が満たされる。
これが幸せなんだって、思える。
4回イって、あたしは起き上がった。
穂と触れ合うだけのキスをして、手を洗いに行く。
戻って、穂の膝の上に、向き合うように座った。
「ありがと」
穂が照れながら頷く。
「穂、なにも喋んなくなっちゃった」
からかうように言うと、穂が唇を尖らせる。
「なにか、喋るのも、変でしょ」
「そうかな?“可愛い”とか言ってくれたら、嬉しいよ?」
彼女は目をそらして「可愛いよ」と言う。
彼女の両頬を手で包み込んで、キスする。
舌を絡めようと思ったら、アラームが鳴った。
「永那ちゃん、起こさないと」
むぅっと唇を尖らせると、穂がキスしてくれる。
…ああ、好き。
頭を撫でられて、あたしは彼女の膝からどいた。
「永那ちゃん」
穂がいつもみたいに、永那にキスする。
…あたしも、この光景に慣れたなあ。
穂が永那にキスしてても“あたしもしたいなあ”くらいにしか思わなくなった。
2人が話しているだけでイライラしていた過去の自分が、信じられないくらい。
何度か穂が永那にキスして、永那が起きる。
永那が穂を引き寄せて、永那からもキスをする。
あたしも、永那ともキスしたい。
でも、その欲求よりも、穂を傷つけたくない気持ちが上回ってる。
それはきっと、穂があたしにたくさん愛をくれるから。
もうすぐ中間テストだけど、またテスト期間中は穂の家でみんなで勉強会かな?
テスト最終日は2人の記念日だし…その日は…おあずけだね。
それまでに、お泊まりでも計画しよう。
優里を巻き込めば、お泊まりの流れに持っていくのは簡単そう。
3人で家を出た。
途中まで永那を見送って、穂と2人でスーパーに行く。
永那が項垂れていたのは言うまでもない。
「調味料は昨日のがあるから…」
穂がスマホでレシピを検索している。
彼女のあいている手をギュッと握って、肩に頭を乗せた。
「千陽、肉じゃがでもいい?」
「うん」
ママが買ってくる惣菜やお弁当は、和食が少ない。
野菜は多めだし、見た目も綺麗だけど、あたしはあんまり好きじゃない。
(そのせいで野菜が苦手なんじゃない?)なんて思ったりもする。
「穂、好き」
野菜を選びながら、穂が笑う。
「千陽可愛い」
突然の“可愛い”にキュンとする。
「どこが?」
「私にだけ…たくさん甘えてくれるところ」
「顔が不細工でも?」
穂がまた笑う。
「私、不細工な人なんて、いないと思う」
なにそれ…かっこいい。
「おっぱいが、小さくても?」
穂の顔が引きつって、頬をピンク色にする。
「ここ、スーパーだよ!?…シーッ」
あたしはフッと笑って、彼女の耳元に口を近づける。
「穂の大好きなあたしのおっぱいが小さくても、あたし、可愛い?」
「か、可愛いよ…!もう!」
穂がお金を出そうとするから、先に払う。
「え、千陽、いいよ。ピザの値段も、教えてくれないし…」
「いいの。これはね…パパへの小さな仕返しなの」
穂が首を傾げる。
「あたしとママのこと、いつも放置して、お金だけわたせばいいと思ってる。…たまに帰ってきて、髪をぐしゃぐしゃに撫でるだけ撫でて、またどっかに行っちゃう。それの、仕返し」
穂はあんまり理解できていない顔で…でも、頷いてくれた。
「パーティのときだけ“良いパパ”面して…ホント、イライラする。だから、パパがそのつもりなら、あたしも好きなだけ使ってやろうって」
ママもそうしてる。
パパがあたし達を放置するから悪いんだ。
穂が料理してる間、あたしはずっと彼女を後ろから抱きしめていた。
煮ている間に、何度も口付けする。
穂が体をあたしに向けてくれて、醤油の良い香りに包まれながら、あたし達は舌を絡める。
「好き、好き」
穂のうなじに手を回す。
…小学生のとき、ママが彼氏とキスしているのを見たことがある。
最初は戸惑って、でも、ママがすごく幸せそうだったから、幸せなことなんだって思った。
パパが帰ってくると、ママはパパともたくさんキスをする。
2人とも仲良しに見えたけど、ママは1人になると、いつも愚痴をこぼした。
寂しかったのかなって、今は思う。
永那と出会う前は、なんであたしはママみたいに、幸せな気持ちになれないんだろう?って疑問だった。
公園で男に体をさわられたこと、付き合った男子と手を繋いだこと…セックスの雰囲気になると、吐き気がしたこと。
ママみたいになれない自分は、ダメな子なのかもしれないとも思った。
でも、永那となら、幸せになれる気がした。
永那となら、そういうことを想像できた。
だから自分なりに彼女を誘ったけど、今となっては、あの誘い方では“誘ってる”とは言えなかったのかもしれないと思ってる。
そもそも…あたしは、誘う気すら、なかったのかも。
永那は…無意識にでも、それを感じ取っていたのかな。
穂には、できた。
気づいたら、キスしてた。
嫌悪感なんて全くなくて、キスすればするほど、心が満たされる。
これが幸せなんだって、思える。
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