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5.時間
324.考える
6ヶ月記念日。
…まだ半年か、と心底思う。
毎日一緒にいると、時間が濃密で…たった半年という気が全然しない。
永那ちゃんは、勉強するときボーッとしているように見えて、実はちゃんと頭に入っている。
休みの日は、前髪をちょんまげみたいに結んでいる。
眼鏡をかけているのに眼鏡を探す。
毎朝、何のゴミを出す日か、きちんと毎回確認してから出す。
お風呂とトイレの掃除は積極的にしてくれる。
倹約家で、何かを買うときは、けっこう時間をかけて考えている。
…なのに、私が食べたい物は即決で買ってくれる。
おならをするとき、少しお尻を上げる。
うんちが出ると、どんなうんちが出たかいちいち報告してくる。
虫が苦手で、しょっちゅう蜘蛛に怯えている。
…なのに、ゴキブリが出たら“絶対殺す”と殺気立つ。
洗濯はけっこう適当で、しわくちゃのまま干す。
…なのに、シャツがしわくちゃだと“気になる、すごい貧乏くさい”と言う。
それなら最初からちゃんと干せばいいのに。
“穂がしてくれたらな~、ピシッとかっこよくなるのにな~”なんて甘えてくるから、最近は私が洗濯をするようになった。
爪はマメに切っている。
でもヤスリは嫌いみたいで、切りたての爪を爪で削って平らにしていた。
永那ちゃんの嫌なところは…眉毛を指で抜いて、それを床に捨てるところ。
髪の毛なら長いから見つかるけど、畳じゃ、眉毛が埋まってしまう。
叱るけど、直らない。
鼻をかんだティッシュをポイポイゴミ箱に投げて、入らなくても放置する。
“後でまとめて捨てるから”って言うけど、私は気になる。
大好きなところは、毎日、欠かさず“好き”と“可愛い”を言ってくれるところ。
私が作るご飯も“おいしい”と、毎回言ってくれる。
私が何かすると、すぐに気づいてくれて“ありがとう”と頭を撫でてくれる。
“良い匂い”と抱きしめてくれる。
私が生徒会の日は、学校で待っていてくれたり、駅まで迎えに来てくれたりする。
私が永那ちゃんを褒めると、大抵鼻の穴を膨らませて自画自賛するのに…たまに、顔を赤くして照れるのも可愛い。
…これが、男女の恋愛と、一体何が違うんだろう?と、思ったりする。
永那ちゃんに…プ、プロポーズ…みたいな、ことを、言われてから…私は、結婚について真剣に考えるようになって、いろいろ調べた。
パートナーシップ制度というものがあるけど、これは法的に何の保障もない。
例えば、子供を持ちたいと思っても、2人が親として認められるような特別養子縁組はできない。
里親にはなれるけれど、あくまで里親というのは生みの親の権利が強くて、子供と本当の親子関係にはなれない。
私は特別子供が欲しいわけじゃないけれど、永那ちゃんとデートするたびに、永那ちゃんが子供好きなのだと実感させられる。
動物園でデートしたとき、永那ちゃんは、見知らぬ子供に突然抱きつかれていた。
“おー、どうしたー?”と笑いながら、子供の拙い言葉を真剣に聞いていた。
後からその子の親が来て、お礼を言われていた。
例えば…私が精子提供を受けて子供を授かったのだとしても、永那ちゃんとその子は、親子にはなれない。
精子提供や代理母出産の制度だって、日本ではきちんと法整備化されているとは言えない。
私達のどちらか一方が死んでしまったとき、公正証書遺言を作成していなければ、遺産はパートナーに分配されない。
法的に結婚が認められていないから、本来ならパートナーが全額受け取れるはずの遺産が、全額受け取れない可能性もある。
遺言があっても、親が存命で遺留分を請求された場合、その分は親に遺産が相続されることになる。
遺族年金も、もらえない。
…世の中には“パートナーシップ制度でいいじゃないか”と言う人もいるけれど、全然違う。
詳しく知りもしないくせに何を、とモヤモヤする。
“同性婚ができるようになると、犯罪が横行する”という謎の発言もあるらしい。
犯罪をする人は、同性婚ができようができまいが、するから!
どんな手を使ってでも、やるから!
…私はやっぱり、弁護士になりたいと思った。
なんとなく、お母さんがそういう仕事をしているから、なりたいと思っていたけれど…なりたい理由が具体的に、なっていく。
(前に医療系の訴訟があったときは、本当に死にそうなくらい大変そうにしていたのを見て、ちょっと躊躇った時期もあった)
私は、永那ちゃんと結婚したい。
永那ちゃんは…どうか…まだ、わからないけど。
…とりあえず、選挙に行ける年齢になったら、行くことから始める。
永那ちゃんは面倒くさがりそうだけど、引っ張ってでも行く。
政府は“子供を増やす”なんて言うけれど、今生きている人達の幸せを考えられない世の中で、子供なんて増えるわけがない。
それは、マイノリティもマジョリティも関係ない。
今生きている人達を幸せにする。
ただそれだけで、子供は自ずと増えていくんじゃないの?
私達の存在を法的に認めてくれれば、それこそ、少しでも、子供は増えるんじゃないの?
…なんて、子供の私が考えても仕方ない。
…まだ半年か、と心底思う。
毎日一緒にいると、時間が濃密で…たった半年という気が全然しない。
永那ちゃんは、勉強するときボーッとしているように見えて、実はちゃんと頭に入っている。
休みの日は、前髪をちょんまげみたいに結んでいる。
眼鏡をかけているのに眼鏡を探す。
毎朝、何のゴミを出す日か、きちんと毎回確認してから出す。
お風呂とトイレの掃除は積極的にしてくれる。
倹約家で、何かを買うときは、けっこう時間をかけて考えている。
…なのに、私が食べたい物は即決で買ってくれる。
おならをするとき、少しお尻を上げる。
うんちが出ると、どんなうんちが出たかいちいち報告してくる。
虫が苦手で、しょっちゅう蜘蛛に怯えている。
…なのに、ゴキブリが出たら“絶対殺す”と殺気立つ。
洗濯はけっこう適当で、しわくちゃのまま干す。
…なのに、シャツがしわくちゃだと“気になる、すごい貧乏くさい”と言う。
それなら最初からちゃんと干せばいいのに。
“穂がしてくれたらな~、ピシッとかっこよくなるのにな~”なんて甘えてくるから、最近は私が洗濯をするようになった。
爪はマメに切っている。
でもヤスリは嫌いみたいで、切りたての爪を爪で削って平らにしていた。
永那ちゃんの嫌なところは…眉毛を指で抜いて、それを床に捨てるところ。
髪の毛なら長いから見つかるけど、畳じゃ、眉毛が埋まってしまう。
叱るけど、直らない。
鼻をかんだティッシュをポイポイゴミ箱に投げて、入らなくても放置する。
“後でまとめて捨てるから”って言うけど、私は気になる。
大好きなところは、毎日、欠かさず“好き”と“可愛い”を言ってくれるところ。
私が作るご飯も“おいしい”と、毎回言ってくれる。
私が何かすると、すぐに気づいてくれて“ありがとう”と頭を撫でてくれる。
“良い匂い”と抱きしめてくれる。
私が生徒会の日は、学校で待っていてくれたり、駅まで迎えに来てくれたりする。
私が永那ちゃんを褒めると、大抵鼻の穴を膨らませて自画自賛するのに…たまに、顔を赤くして照れるのも可愛い。
…これが、男女の恋愛と、一体何が違うんだろう?と、思ったりする。
永那ちゃんに…プ、プロポーズ…みたいな、ことを、言われてから…私は、結婚について真剣に考えるようになって、いろいろ調べた。
パートナーシップ制度というものがあるけど、これは法的に何の保障もない。
例えば、子供を持ちたいと思っても、2人が親として認められるような特別養子縁組はできない。
里親にはなれるけれど、あくまで里親というのは生みの親の権利が強くて、子供と本当の親子関係にはなれない。
私は特別子供が欲しいわけじゃないけれど、永那ちゃんとデートするたびに、永那ちゃんが子供好きなのだと実感させられる。
動物園でデートしたとき、永那ちゃんは、見知らぬ子供に突然抱きつかれていた。
“おー、どうしたー?”と笑いながら、子供の拙い言葉を真剣に聞いていた。
後からその子の親が来て、お礼を言われていた。
例えば…私が精子提供を受けて子供を授かったのだとしても、永那ちゃんとその子は、親子にはなれない。
精子提供や代理母出産の制度だって、日本ではきちんと法整備化されているとは言えない。
私達のどちらか一方が死んでしまったとき、公正証書遺言を作成していなければ、遺産はパートナーに分配されない。
法的に結婚が認められていないから、本来ならパートナーが全額受け取れるはずの遺産が、全額受け取れない可能性もある。
遺言があっても、親が存命で遺留分を請求された場合、その分は親に遺産が相続されることになる。
遺族年金も、もらえない。
…世の中には“パートナーシップ制度でいいじゃないか”と言う人もいるけれど、全然違う。
詳しく知りもしないくせに何を、とモヤモヤする。
“同性婚ができるようになると、犯罪が横行する”という謎の発言もあるらしい。
犯罪をする人は、同性婚ができようができまいが、するから!
どんな手を使ってでも、やるから!
…私はやっぱり、弁護士になりたいと思った。
なんとなく、お母さんがそういう仕事をしているから、なりたいと思っていたけれど…なりたい理由が具体的に、なっていく。
(前に医療系の訴訟があったときは、本当に死にそうなくらい大変そうにしていたのを見て、ちょっと躊躇った時期もあった)
私は、永那ちゃんと結婚したい。
永那ちゃんは…どうか…まだ、わからないけど。
…とりあえず、選挙に行ける年齢になったら、行くことから始める。
永那ちゃんは面倒くさがりそうだけど、引っ張ってでも行く。
政府は“子供を増やす”なんて言うけれど、今生きている人達の幸せを考えられない世の中で、子供なんて増えるわけがない。
それは、マイノリティもマジョリティも関係ない。
今生きている人達を幸せにする。
ただそれだけで、子供は自ずと増えていくんじゃないの?
私達の存在を法的に認めてくれれば、それこそ、少しでも、子供は増えるんじゃないの?
…なんて、子供の私が考えても仕方ない。
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