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6.さんにん
353.クリスマス
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「なんじゃこりゃ!」
永那ちゃんが袋から出したのは、生姜やわさび、ねり梅のチューブの形をした蛍光ペンだった。
「みんなよくテスト勉強してるから!良いでしょ?」
誉が笑う。
「めっちゃ良いわ!冬休み明けたら学校持ってく」
誉の頭をわしゃわしゃ撫でて、永那ちゃんも笑った。
そんな誉が手に持っていたのは、しろくまがお風呂に入っている、置物のような加湿器だった。
可愛い。
森山さん、良いセンスしてるなあ。
森山さんは千陽と話していた。
千陽が持ってきたプレゼントは天然成分で出来た、除菌・消臭ミスト。
森山さんは、その使い方の説明を聞いていた。
千陽の横には、すごくリアルな魚のスリッパが置かれている。
永那ちゃん、優里ちゃん、誉は面白いプレゼントを用意したらしい。
「穂ちゃん!このマグカップ!北欧の有名なブランドのじゃない!?」
「ああ、うん。そうだね」
「私、好きなんだあ!嬉しい!」
大きな赤い花柄が1番有名だけど、永那ちゃんも誉もいるから、黒色にしてみた。
「良かった」
「ね~!千陽履いてよ~!」
みんなの盛り上がりが一段落した辺りで、優里ちゃんが魚のスリッパを千陽に履かせようとする。
「マグカップと交換して」
千陽が優里ちゃんのマグカップを奪おうとして、阻止される。
そのうち追いかけっこが始まった。
…ワレモノ…危険。
最終的には優里ちゃんがマグカップを鞄にしまって、千陽にスリッパを履かせようとするのを諦めて収拾がつく。
誉が楽しそうに魚のスリッパを履くから、千陽は誉にあげていた。
「ひどい!」と優里ちゃんは泣き真似をしていたけれど、誉が喜んでいるのを見て満足したみたいだった。
誉はしろくまの加湿器を千陽にわたそうとしていた。
でも千陽は「家に加湿器あるから」と断っていた。
千陽は…必要な物はなんでも持ってそう。
その後もいくつかゲームをして、4時頃解散した。
途中お母さんが起きたけれど、気遣ってすぐに部屋に戻っていた。
みんなが帰る間際に部屋から出てきて、お見送りだけしてくれる。
「お母さん、ありがとう」
「みんな楽しそうで、聞いてて、お母さんも楽しくなっちゃった」
そう言って、頭を撫でてくれた。
「今日はお母さん、腕を振るっちゃうからねー!」
腕まくりをして、キッチンに向かう。
「俺も手伝うー!」
「よーし!一緒にご飯作ろう!」
2人の様子を微笑ましく思いながら、永那ちゃんと椅子に座る。
いつの間にか、誉の席には永那ちゃんが座るようになっていた。
永那ちゃんと誉と飾り付けたクリスマスツリーを眺める。
私の背丈程あるツリーを見て「お店みたい!」と永那ちゃんが喜んでいたのを思い出す。
ツリーの下には、お母さんからのプレゼントが置かれている。
もちろん、永那ちゃんの分も。
それを見た永那ちゃんは、ジッとプレゼントを見たまま固まっていた。
永那ちゃんは…予測できないような嬉しいことが起きると、固まってしまう。
夏にパンツをプレゼントしたときにも同じ反応で、あのときはその反応に戸惑ったりもした。
でも、永那ちゃんは固まった後に、必ず何度も何度も確かめるようにそれを見つめるから、段々こちらも嬉しさが込み上げてくる。
「うまそー!」
永那ちゃんが涎を垂らしかけて、啜る。
手羽先をニンニクと塩胡椒で焼いたものが今日のメイン。
彩り豊かなサラダと、ミネストローネとご飯。
「いただきます!」
永那ちゃんは手を合わせて、サラダにドレッシングをかける。
「うまー!めっっっちゃ、おいしい!」
「良かったー」
お母さんが嬉しそうに笑う。
いつも永那ちゃんは本当に美味しそうにご飯を食べる。
お母さんが作っても、誉が作っても、私が作っても。
自分で作ったときには、こんな反応はしない。
ただ黙々と口に食事を運ぶだけで、私が「おいしい」と言っても、反応は薄い。
一緒に作ったときは反応があるから、なるべく永那ちゃんひとりで作らせないようにしている。
せっかくなら、永那ちゃんの喜ぶ顔が見たいから。
永那ちゃんとお母さんは、最初お互いに少し緊張しているような雰囲気があったけど、今では慣れきっている。
1度だけ、お母さんが酔っ払い過ぎて大変だった日があった。
そのときにも、永那ちゃんは笑いながらお母さんをおんぶして部屋に連れて行ってくれた。
酔っ払いの会話にもずっと付き合ってくれて、楽しそうに笑っていた。
お母さんはそれが嬉しいみたいで、永那ちゃんにばかり絡むようになった。
「シャンパーン!」
お母さんが言って、なぜか永那ちゃんが「わーい!」と両手を上げる。
「飲みすぎないでよ?」
「わかってるわかってる!」
そう言いながら、ゴクゴク飲んでいくから頭が痛くなる。
お昼に食べたからと、私達は小さなケーキを食べた。
先に誉がお風呂に入って、その後に私と永那ちゃんが入る。
「んっ…」
いつも通り、永那ちゃんは私の背中を洗って、私は壁に手をつく。
ぬるりとお尻の穴に彼女の指が入ってくる。
毎日のようにされているから、この感覚にも慣れた。
…慣れたを通り越して、気持ち良いと思ってしまう自分が嫌になる。
これが、永那ちゃんの家だと私が喘ぐまで気持ち良くさせられてしまうのだけれど…今日は我が家なので、控えめだ。
あいている手で胸を撫でられる。
泡の滑りで感度が増す。
永那ちゃんが袋から出したのは、生姜やわさび、ねり梅のチューブの形をした蛍光ペンだった。
「みんなよくテスト勉強してるから!良いでしょ?」
誉が笑う。
「めっちゃ良いわ!冬休み明けたら学校持ってく」
誉の頭をわしゃわしゃ撫でて、永那ちゃんも笑った。
そんな誉が手に持っていたのは、しろくまがお風呂に入っている、置物のような加湿器だった。
可愛い。
森山さん、良いセンスしてるなあ。
森山さんは千陽と話していた。
千陽が持ってきたプレゼントは天然成分で出来た、除菌・消臭ミスト。
森山さんは、その使い方の説明を聞いていた。
千陽の横には、すごくリアルな魚のスリッパが置かれている。
永那ちゃん、優里ちゃん、誉は面白いプレゼントを用意したらしい。
「穂ちゃん!このマグカップ!北欧の有名なブランドのじゃない!?」
「ああ、うん。そうだね」
「私、好きなんだあ!嬉しい!」
大きな赤い花柄が1番有名だけど、永那ちゃんも誉もいるから、黒色にしてみた。
「良かった」
「ね~!千陽履いてよ~!」
みんなの盛り上がりが一段落した辺りで、優里ちゃんが魚のスリッパを千陽に履かせようとする。
「マグカップと交換して」
千陽が優里ちゃんのマグカップを奪おうとして、阻止される。
そのうち追いかけっこが始まった。
…ワレモノ…危険。
最終的には優里ちゃんがマグカップを鞄にしまって、千陽にスリッパを履かせようとするのを諦めて収拾がつく。
誉が楽しそうに魚のスリッパを履くから、千陽は誉にあげていた。
「ひどい!」と優里ちゃんは泣き真似をしていたけれど、誉が喜んでいるのを見て満足したみたいだった。
誉はしろくまの加湿器を千陽にわたそうとしていた。
でも千陽は「家に加湿器あるから」と断っていた。
千陽は…必要な物はなんでも持ってそう。
その後もいくつかゲームをして、4時頃解散した。
途中お母さんが起きたけれど、気遣ってすぐに部屋に戻っていた。
みんなが帰る間際に部屋から出てきて、お見送りだけしてくれる。
「お母さん、ありがとう」
「みんな楽しそうで、聞いてて、お母さんも楽しくなっちゃった」
そう言って、頭を撫でてくれた。
「今日はお母さん、腕を振るっちゃうからねー!」
腕まくりをして、キッチンに向かう。
「俺も手伝うー!」
「よーし!一緒にご飯作ろう!」
2人の様子を微笑ましく思いながら、永那ちゃんと椅子に座る。
いつの間にか、誉の席には永那ちゃんが座るようになっていた。
永那ちゃんと誉と飾り付けたクリスマスツリーを眺める。
私の背丈程あるツリーを見て「お店みたい!」と永那ちゃんが喜んでいたのを思い出す。
ツリーの下には、お母さんからのプレゼントが置かれている。
もちろん、永那ちゃんの分も。
それを見た永那ちゃんは、ジッとプレゼントを見たまま固まっていた。
永那ちゃんは…予測できないような嬉しいことが起きると、固まってしまう。
夏にパンツをプレゼントしたときにも同じ反応で、あのときはその反応に戸惑ったりもした。
でも、永那ちゃんは固まった後に、必ず何度も何度も確かめるようにそれを見つめるから、段々こちらも嬉しさが込み上げてくる。
「うまそー!」
永那ちゃんが涎を垂らしかけて、啜る。
手羽先をニンニクと塩胡椒で焼いたものが今日のメイン。
彩り豊かなサラダと、ミネストローネとご飯。
「いただきます!」
永那ちゃんは手を合わせて、サラダにドレッシングをかける。
「うまー!めっっっちゃ、おいしい!」
「良かったー」
お母さんが嬉しそうに笑う。
いつも永那ちゃんは本当に美味しそうにご飯を食べる。
お母さんが作っても、誉が作っても、私が作っても。
自分で作ったときには、こんな反応はしない。
ただ黙々と口に食事を運ぶだけで、私が「おいしい」と言っても、反応は薄い。
一緒に作ったときは反応があるから、なるべく永那ちゃんひとりで作らせないようにしている。
せっかくなら、永那ちゃんの喜ぶ顔が見たいから。
永那ちゃんとお母さんは、最初お互いに少し緊張しているような雰囲気があったけど、今では慣れきっている。
1度だけ、お母さんが酔っ払い過ぎて大変だった日があった。
そのときにも、永那ちゃんは笑いながらお母さんをおんぶして部屋に連れて行ってくれた。
酔っ払いの会話にもずっと付き合ってくれて、楽しそうに笑っていた。
お母さんはそれが嬉しいみたいで、永那ちゃんにばかり絡むようになった。
「シャンパーン!」
お母さんが言って、なぜか永那ちゃんが「わーい!」と両手を上げる。
「飲みすぎないでよ?」
「わかってるわかってる!」
そう言いながら、ゴクゴク飲んでいくから頭が痛くなる。
お昼に食べたからと、私達は小さなケーキを食べた。
先に誉がお風呂に入って、その後に私と永那ちゃんが入る。
「んっ…」
いつも通り、永那ちゃんは私の背中を洗って、私は壁に手をつく。
ぬるりとお尻の穴に彼女の指が入ってくる。
毎日のようにされているから、この感覚にも慣れた。
…慣れたを通り越して、気持ち良いと思ってしまう自分が嫌になる。
これが、永那ちゃんの家だと私が喘ぐまで気持ち良くさせられてしまうのだけれど…今日は我が家なので、控えめだ。
あいている手で胸を撫でられる。
泡の滑りで感度が増す。
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