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8.閑話
29.永那 中1 春《相澤芽衣編》
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「じゃあ…動かすよ?」
「ぁっ」
ピリリと痛みが走る。
下唇を噛んだ。
「芽衣、ホントに痛くない?痛いんじゃない?我慢しないで。痛いなら痛いって言って?わかんないから」
「…痛い」
涙がひとすじ、零れる。
ゆっくり指が抜かれた。
「本当は…本当は…シたことないっ」
恥ずかしくて、顔が熱い。
また瞳に涙が溜まっていく。
「なんだ。最初からそう言ってくれれば良かったのに」
「いやっ」
「なんで?」
「私、先輩だもん」
フフッと彼女が笑う。
「可愛い。…では、僭越ながら、先輩に手解きをさせていただきます」
「後輩のくせに生意気」
へへへと永那が笑う。
瞬きをすると、溜まっていた涙が零れ落ちた。
永那がギュッと抱きしめてくれる。
「芽衣とヤるってなったとき、いろいろ調べたんだ」
「そう、なの…?」
「うん。上手いって思われたくて…気持ち良くなって、ほしくて…」
可愛い。
「でも、永那…小倉心音とたくさんヤってるじゃん」
「まあ、そうなんだけど…心音以外とは、初めてだったから…。大丈夫かな?って、不安で」
「そっか」
「芽衣は、いつも…歌、聞かせてくれるし…お礼にって、思って」
「お礼って…」
「芽衣が、望んでるなら…叶えてあげたいって、思う」
…それって、“好き”と何が違うの?
それって、私のこと好きってことなんじゃないの?
「永那」
「ん?」
「永那の好きな人って、どんなタイプなの?」
「え?好きな人、できたことないから、わかんないよ」
「…私のことは…好きじゃ、ないの?」
永那が顔を上げる。
彼女の顔を見て答えがわかるから、胸が痛い。
「わから、ない…」
「なんでよ…」
「だって、好きって…“気づいたらその人のことばっか考えてて、もっと近づきたい、会いたいって思ってる”ことなんでしょ?私、芽衣のことばっか、考えてるわけじゃ…ない。よく考える。会いたいとは思う。でも、友達と同じ感じがする」
「そっかぁ」
深呼吸する。
「わかった」
永那の頬を包んで、唇を重ねた。
気持ちを押し付けるように。
結局、その日はそれ以上シなかった。
永那との関係が気まずくなるかと思ったけど、翌日家に来た永那は、いつも通りだった。
「芽衣、歌ってよ」
私が歌い終えると、キスされる。
「芽衣、シたい。ダメ?」
私はもう、永那という沼に両足突っ込んでいて、抜け出せそうにない。
どうやったら抜け出せるのか、全然、わかんない。
「いいよ」
彼女に体中キスされて、舐められて、私は何度も果てる。
「痛かったら、ちゃんと言ってね?」
私が頷くのを確認してから、彼女はゆっくり指をなかに挿れた。
「痛い?」
「大丈夫」
本当に、ゆっくり、入ってくる。
「痛い?」
「痛くない」
「昨日少し挿れたからかな?…けっこう入ったよ」
全身が火照ってる。
「私もそうだったけど…最初は膣では、あんまり感じられないかも。でも、慣れれば気持ち良くなる…らしいよ」
「らしい?」
「私、まだ膣の良さ、わかってないんだ」
彼女は眉をハの字にして笑う。
クチュクチュと音が鳴って、「どう?」と聞いてくる。
私が首を傾げると、「じゃあ、こっちは?」と聞かれる。
膀胱が押されて、ちょっと…尿意が…。
首を横に振る。
「…こっち」
「ちょ…ちょっと…」
「気持ち良い?」
「ちが…へ、変な感じ…」
「変な感じって?」
お尻の穴をさわられているような…。
「と、とにかく…私も、気持ち良さは、あんまり…わかんない…」
「だよね」
ニシシと永那が笑った瞬間、全身にピリピリした刺激が走って、背を反る。
「んぁあっ」
「ここは、気持ち良いよね?」
「フんんぅっ」
クリトリスに触れられて、足が浮いて、ガクガクと揺れる。
「クリトリスで気持ち良くなりながら、膣を刺激してれば、そのうち気持ち良くなれるみたいなんだよね。あと、やっぱり、たくさん触れて敏感にさせるのが良いらしい」
その解説…いらないし。
でも、楽しそうに話している姿が可愛くて、なんとか頷いて相槌を打った。
「芽衣もさ、自分でさわったりしてみてよ。そしたら気持ち良くなれるかも」
それには、頷かない。
…でも、その日の夜、恐る恐る、自分で指を挿れてみた。
まだ気持ち良さはわからなかったけど、永那を思い浮かべたら、ちょっと気持ち良い気がした。
次の日も、次の日も、春休みが終わるまでずっと、似たような日を過ごした。
似たような日…でも、毎日楽しかった。
永那が冗談を言うからツッコんで、私が歌うと大袈裟に拍手して喜んでくれる。
歌い終えるとキスされて、そのままエッチする。
春休み最後の日、私は初めて膣でイった。
「すごい。私でもまだイったことないのに!なんで!?」
「…知ら、ない」
私はイったばっかりで疲れてるっていうのに、永那はおかまいなし。
「なんでだろう?…やっぱり私、感じにくい体質なのかな?」
今まで見たなかで、1番真剣な顔をしている。
「永那…セックス好きなの?」
「え?」
「なんか、考えるの、楽しそうだから」
「そう見える?」
「うん」
「そっか…!楽しいのか、これは」
永那が大きく頷いた。
「ぁっ」
ピリリと痛みが走る。
下唇を噛んだ。
「芽衣、ホントに痛くない?痛いんじゃない?我慢しないで。痛いなら痛いって言って?わかんないから」
「…痛い」
涙がひとすじ、零れる。
ゆっくり指が抜かれた。
「本当は…本当は…シたことないっ」
恥ずかしくて、顔が熱い。
また瞳に涙が溜まっていく。
「なんだ。最初からそう言ってくれれば良かったのに」
「いやっ」
「なんで?」
「私、先輩だもん」
フフッと彼女が笑う。
「可愛い。…では、僭越ながら、先輩に手解きをさせていただきます」
「後輩のくせに生意気」
へへへと永那が笑う。
瞬きをすると、溜まっていた涙が零れ落ちた。
永那がギュッと抱きしめてくれる。
「芽衣とヤるってなったとき、いろいろ調べたんだ」
「そう、なの…?」
「うん。上手いって思われたくて…気持ち良くなって、ほしくて…」
可愛い。
「でも、永那…小倉心音とたくさんヤってるじゃん」
「まあ、そうなんだけど…心音以外とは、初めてだったから…。大丈夫かな?って、不安で」
「そっか」
「芽衣は、いつも…歌、聞かせてくれるし…お礼にって、思って」
「お礼って…」
「芽衣が、望んでるなら…叶えてあげたいって、思う」
…それって、“好き”と何が違うの?
それって、私のこと好きってことなんじゃないの?
「永那」
「ん?」
「永那の好きな人って、どんなタイプなの?」
「え?好きな人、できたことないから、わかんないよ」
「…私のことは…好きじゃ、ないの?」
永那が顔を上げる。
彼女の顔を見て答えがわかるから、胸が痛い。
「わから、ない…」
「なんでよ…」
「だって、好きって…“気づいたらその人のことばっか考えてて、もっと近づきたい、会いたいって思ってる”ことなんでしょ?私、芽衣のことばっか、考えてるわけじゃ…ない。よく考える。会いたいとは思う。でも、友達と同じ感じがする」
「そっかぁ」
深呼吸する。
「わかった」
永那の頬を包んで、唇を重ねた。
気持ちを押し付けるように。
結局、その日はそれ以上シなかった。
永那との関係が気まずくなるかと思ったけど、翌日家に来た永那は、いつも通りだった。
「芽衣、歌ってよ」
私が歌い終えると、キスされる。
「芽衣、シたい。ダメ?」
私はもう、永那という沼に両足突っ込んでいて、抜け出せそうにない。
どうやったら抜け出せるのか、全然、わかんない。
「いいよ」
彼女に体中キスされて、舐められて、私は何度も果てる。
「痛かったら、ちゃんと言ってね?」
私が頷くのを確認してから、彼女はゆっくり指をなかに挿れた。
「痛い?」
「大丈夫」
本当に、ゆっくり、入ってくる。
「痛い?」
「痛くない」
「昨日少し挿れたからかな?…けっこう入ったよ」
全身が火照ってる。
「私もそうだったけど…最初は膣では、あんまり感じられないかも。でも、慣れれば気持ち良くなる…らしいよ」
「らしい?」
「私、まだ膣の良さ、わかってないんだ」
彼女は眉をハの字にして笑う。
クチュクチュと音が鳴って、「どう?」と聞いてくる。
私が首を傾げると、「じゃあ、こっちは?」と聞かれる。
膀胱が押されて、ちょっと…尿意が…。
首を横に振る。
「…こっち」
「ちょ…ちょっと…」
「気持ち良い?」
「ちが…へ、変な感じ…」
「変な感じって?」
お尻の穴をさわられているような…。
「と、とにかく…私も、気持ち良さは、あんまり…わかんない…」
「だよね」
ニシシと永那が笑った瞬間、全身にピリピリした刺激が走って、背を反る。
「んぁあっ」
「ここは、気持ち良いよね?」
「フんんぅっ」
クリトリスに触れられて、足が浮いて、ガクガクと揺れる。
「クリトリスで気持ち良くなりながら、膣を刺激してれば、そのうち気持ち良くなれるみたいなんだよね。あと、やっぱり、たくさん触れて敏感にさせるのが良いらしい」
その解説…いらないし。
でも、楽しそうに話している姿が可愛くて、なんとか頷いて相槌を打った。
「芽衣もさ、自分でさわったりしてみてよ。そしたら気持ち良くなれるかも」
それには、頷かない。
…でも、その日の夜、恐る恐る、自分で指を挿れてみた。
まだ気持ち良さはわからなかったけど、永那を思い浮かべたら、ちょっと気持ち良い気がした。
次の日も、次の日も、春休みが終わるまでずっと、似たような日を過ごした。
似たような日…でも、毎日楽しかった。
永那が冗談を言うからツッコんで、私が歌うと大袈裟に拍手して喜んでくれる。
歌い終えるとキスされて、そのままエッチする。
春休み最後の日、私は初めて膣でイった。
「すごい。私でもまだイったことないのに!なんで!?」
「…知ら、ない」
私はイったばっかりで疲れてるっていうのに、永那はおかまいなし。
「なんでだろう?…やっぱり私、感じにくい体質なのかな?」
今まで見たなかで、1番真剣な顔をしている。
「永那…セックス好きなの?」
「え?」
「なんか、考えるの、楽しそうだから」
「そう見える?」
「うん」
「そっか…!楽しいのか、これは」
永那が大きく頷いた。
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