いたずらはため息と共に

常森 楽

文字の大きさ
420 / 595
7.向

419.舞う

しおりを挟む
ガチャッと鍵がく音がし、急いでドアをひらく。
靴を脱いで、パタパタと小走りに逃げるけど、永那ちゃんにすぐに捕まってしまった。
「穂…忘れてたの?」
「わ、忘れてないよ?ただ、その…誉が、6時過ぎに帰ってくるって言うから、それは…遅いなあって、思って…」
「ふーん?…遅いなあって思って、忘れちゃったんだ?」
「ち、ちが…っ」
強引に顔を永那ちゃんの方に向けさせられ、唇を塞がれる。
“違う”って言って、“どう違うの?”って聞かれても、私はきっと答えられない。
永那ちゃんが言ってることが、正解だから。
私を後ろから抱きしめる彼女の手が胸に触れて、思わず声が出た。
舌が絡む。
…まだ、うがいしてないのに。

そのまま彼女に押される形で、私の部屋に入っていく。
膝裏にベッドの角が当たって、座らされた。
「穂が悪いんだよ?」
唇が離れて、彼女が言う。
すぐにまた口づけされた。
そのままベッドに押し倒される。
ブレザーのボタンが外され、彼女が私の胸に触れる。
痛いわけではないけど、ほんの少し乱暴。
“お仕置き”だ…。
彼女が立ち上がって、部屋の電気をつけ、ドアを閉める。
「穂、脱いで?」
永那ちゃんは、自分のブレザーを脱いで、床に置いた。
「穂、早く」
そう言われ、ブレザーとセーターを脱ぐ。
シャツのボタンに手をかけようとして、肩を押された。

下唇を甘噛みされ、チュッと吸われ、離れる。
唇が触れ合って、彼女の唾液が流れ込んでくる。
…なんか、久しぶり。
ゴクリと飲むと、すぐに彼女の舌がなかに入ってきた。
絡み合う。
たまに上顎を撫でられて、下腹部が疼く。
ピリピリとした快感が、体全体に広がっていく。
彼女のピアスが揺れたのが視界に入る。
シャツのボタンが外されていく。
動きは素早く、あっという間に胸元が晒され、肌が空気に撫でられるような感覚に鳥肌が立った。
彼女が脚をベッドに乗せ、私の恥部に膝を押し付けた。
インナーを捲られ、ブラの上から胸を揉まれる。
まだ冷たい彼女の指先が乳房に触れ、ピクッと体が反応する。
「久しぶりだったから、ゆっくりシたかったのに」
そう言って、彼女が私の耳をしゃぶる。
舐められて、そのまま耳の裏、首筋、鎖骨と這っていく。
いつもは味わうようにゆっくりだけど、今日は本当に急いでいるのだとわかるほどに速い。
ツーッと水が垂れていくような感覚。

彼女の手が背中とベッドの隙間に入り込んできたから、少し背中を浮かした。
一瞬でブラのホックが外される。
こういう手慣れた動きに、ちょっとドキドキしてしまう私がいる。
首元を甘噛みされ、チュッと吸われる。
浮いたブラの中に手が入ってきて、房を包み込んだ。
彼女の手が動く。
冷たかったはずの彼女の手は、私の体温と混ざり合って、徐々に同じになっていく。
体温が同じになるのを待っていたかのように、突起を摘まれた。
「ぁっ」
彼女の膝が、恥部に刺激を与えるように、横に振れ始める。
ピクピクと腰が震える。
彼女が突起を口に咥え、舌で転がす。
「んっ」
敷かれた布団をギュッと握りしめ、目を閉じた。
目を閉じると、余計に体が敏感になる。

…敏感になったのか、それとも彼女からの攻めが激しくなったのか、わからないけれど。
「ハァッあぁっ」
乳首に刺激を与えられ、頭がくらくらしてくる。
彼女の膝に自ら恥部を押し当てるように、腰を浮かせてしまう。
本当に、ちゃんとさわってもらえたのって、いつぶりだろう?
永那ちゃんの家で、学校をサボってしまった日以来かな?
千陽の家でも、ネットカフェでも、こうしてちゃんとさわっては貰えなかった。
本当は今日だって“こんなに遅くなっちゃって大丈夫かな?”って不安もある。
でも、嬉しくて…春休みが待ちきれなくて、つい、永那ちゃんの“遅くなってもいい”という言葉に甘えてる。
少し前まであった自制心が、もう既に限界を迎えていたのだと、初めて自覚した。
誉に早く帰ってくるように言ったことを後悔はしていない。
していないけれど…もっと時間がほしい、とも思う。

「ぁぁっ、気持ちぃッ…永那、ちゃんっ」
彼女の頭を抱きしめる。
離さないように…離れないように…。
彼女の熱い息が肌にかかる。
「んゥッ、ぁっ」
ビクッビクッと体が揺れた。
腕の力が一気に抜けて、永那ちゃんが上半身を起こす。
「可愛い穂」
スカートのホックを外され、ファスナーが下ろされる。
私が少し腰を浮かすと、脱がせてくれた。
インナーが捲くられ、ブラとショーツだけの姿。
久しぶりに見られて、恥ずかしさと高揚感で体が火照った。
恥部がヒクヒクと動いているのもわかって、恥ずかしさが増す。

へそに口づけされて、目を瞑る。
ツーッとそのまま下りていき、ショーツの手前で止まる。
ショーツのウエスト部分に指を差し込まれたから腰を浮かすと、すぐに脱がされた。
ショーツは膝の辺りで止められ、すぐに穿けるように配慮されているのが、なんだかあまりに冷静で、昂っていた気持ちが鎮まっていく。
両手で顔を覆った。
「穂が悪いんだからね?私との約束、忘れちゃってさ?」
しおりを挟む
感想 56

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

百合短編集

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

乳首当てゲーム

はこスミレ
恋愛
会社の同僚に、思わず口に出た「乳首当てゲームしたい」という独り言を聞かれた話。

憧れの先輩とイケナイ状況に!?

暗黒神ゼブラ
恋愛
今日私は憧れの先輩とご飯を食べに行くことになっちゃった!?

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...